「今は亡き戦友の気持ちも背負った」小波がスターダムラストマッチで木村花さんの必殺技を見せるも惜敗!
29日、東京都・両国国技館にてスターダム『STARDOM DREAM QUEENDOM 2021』が開催され、ジュリアの復帰戦&小波のスターダム所属ラストマッチが行われた。
小波は2015年2月に華名(現WWE:ASUKA)の弟子としてプロレスデビューをするが、同年に華名はWWEへ行ってしまったためわずか5ヶ月で師弟関係は解消。その際にREINA所属となった小波は、同団体に所属していた朱里から様々な技術を習得。REINA解散後は紆余曲折の末に2018年にスターダム入団を果たした。
小波は、先日11月27日に開催された国立代々木競技場第二体育館大会で朱里の持つSWA王座へUWFルールで挑んだものの敗北。後日、小波は記者会見で12月29日の両国国技館大会を最後にスターダムを退団することを発表。その理由として2年以上続く体調不良を挙げており、REINA時代にも内臓疾患の治療と静養で長期欠場と退団を経ている小波にはしっかりとした休養が必要な様子だ。
しかし、これに現在首の負傷で9月から長期欠場中のジュリアが異を唱え会見場に乱入。
ジュリアは「なんにも聞いてないんだけど!12月で一区切りつけるんだったら、私が復帰して最後両国国技館であんたの相手やってやる。私と、12月29日両国でシングルマッチやってください」と復帰を宣言。
小波は「なんか言っても聞かない女だっていうのはわかってるし、スターダムでジュリアより熱い女はいないと思うんで、私のために復帰を決意してくれたのはすごく嬉しい。私達の間に多くの言葉はいらないと思う。両国、私がスターダム所属最後の試合、ジュリアとやってやるよ」と、立ち去ろうとするジュリアの手を掴んで強引に握手する。
ジュリアは複雑な表情をしながらも「絶対最後なんかにさせないから!」と、まっすぐ小波の目を見てその手を握り返した。
この日の小波は、故・木村花さん、スターダムを離脱したジャングル叫女とともに結成していたユニット“TOKYO CYBER SQUAD”時代のコスチュームで登場。当時の入場ポーズと大江戸隊になってからの入場ポーズをミックスさせ、小波のスターダムのキャリアを振り返るかのような形に。
対するジュリアは今までの印象をガラリと変える新コスチュームで登場し、小波へのメッセージが書かれた寄せ書きフラッグを掲げながらリングイン。
試合は、得意のサブミッションで攻め込む小波に対してジュリアはビッグブートを中心とした蹴り技で攻め込み互角の様相。互いに感情をむき出しにした打撃合戦を制した小波がグラウンドでのサブミッション地獄に引きずり込み、花さんの必殺技であったハイドレンジア(※変形グラウンド卍固め)を見せる。
そして小波は、叫女の必殺技であるジャングルバスター(※キン肉バスター)を狙う。これをジュリアに着地されると、ミサイルキックから天を指差してから花さんの必殺技であったタイガーリリー(※ミサイルキック→パッケージドライバーの連撃)の体勢へ。しかし、ジュリアは必死の抵抗で抜け出し、逆に小波へパッケージドライバー。2人でタイガーリリーを完成させ、ジュリアがファルコンアローからグロリアス・ドライバーと畳み掛けて3カウント。
花さんは、小波とともにTOKYO CYBER SQUADでスターダムを席巻した戦友であり、ジュリアにとっても自身が新顔としてスターダムに現れた際に壁として立ちはだかりライバルとなったかけがえのない戦友。この2人の試合で花さんの技が勝敗の分け目となったことは大きな意味を持つ。
試合後、ジュリアは「小波、スターダムで、出会ってくれてありがとう。必ず完全復活して、また、必ず、リングで会いましょう。お前が戻ってくるの待ってるからな。NEVER END!」と語り、メッセージフラッグを小波に手渡す。
小波は「ジュリア!復帰おめでとう。そして、最後の相手が、ジュリアで、本当に良かった。ジュリアに、出会えたこと、スターダムの皆に出会えたこと、それが私にとっての誇りです。ジュリア、ありがとう!」と語り、ジュリアとがっちり抱き合った。
バックステージに戻った小波は、メッセージフラッグを抱きしめて「こんなの用意されたらさあ、めちゃくちゃスターダムに帰ってきづらくなるじゃん、逆に(笑)」と照れ笑い。
そして「スターダムのこういうところが私は大好きなので、また完全復活したときは、一番最初にこのリングに戻ってきたいと思います。そして私が今日どうしても“大江戸隊”じゃなくて“レスラー”の小波として闘いたかった理由の一つが、このコスチューム。今は亡き戦友と、スターダムのリングにはいないもう一人の戦友の気持ちも一緒に背負って、今日このリングでジュリアと対戦したつもりです。まあ、スターダムの集大成、そしてスターダムで私がレスラーとしてやってきたこと、すべてを今日の試合に込めました。でも、これで終わりじゃない。またプロレスに、そしてスターダムに、戻ってきたいと思います。小波はまだまだNEVER ENDです」と笑顔で語った。