【会見全文】那須川天心vs武尊が来年6月についに実現!ファイトマネーは日本人選手で過去最高額となる見込み
24日、都内某所にて那須川天心、武尊、RIZINの榊原信行CEOが記者会見に出席し、ついに那須川天心と武尊が対戦することが発表された。
会見が始まると3人が登壇し、まずはRIZINの榊原信行CEOによる挨拶が行われた。
榊原「こんちは!ついに、この日が来ました。天心、武尊。この2人、2022年6月、闘うことが正式に決まりました。今日の発表はこの2人が、そしてこの2人を取り巻く両陣営がこの闘いを実現させるということに対して正式に気持ちよくすべての問題をクリアしてですね、『やるぞ!』と、正式決定してこのカードを実現させるんだと。どうでしょう。日本の格闘技史、世界の格闘技史に於いても、ここまでファンに求められ、希望され、夢を託されて実現してほしいと強く願われたカード。僕は格闘技界、少し関わらせていただいている人生では見たことないですね。その夢のカードって言うと安っぽくなっちゃうけど、世紀の一戦。まさに“THE MATCH”が実現することを正式に発表させていただきます。以上です」
続いて、武尊、天心がそれぞれコメントを発表した。
武尊
「こんにちは、武尊です。今日はたくさんお集まりいただき本当にありがとうございます。やっと那須川天心選手と試合することが決まって本当に嬉しく思います。この試合は5~6年くらいからずっと対戦が熱望されていた試合だったんですけど、色んな事情で試合がなかなか決まらなくて、僕も天心選手もお互い苦しい思いをたくさんしたと思うんですけど、この試合が決まったことで格闘技界だけじゃなくて日本だったり世界のスポーツ界がもっともっと盛り上がっていく試合になると思うし、この試合が実現するところがその中立のリングじゃないといけないって僕はずっと言ってきたんですけど、その中立のリングで試合することで団体の垣根とか、昔の格闘技界みたいな団体関係なく強い選手同士がやりあって、最高に盛り上がる夢のある舞台にしたいなと思ってるので、そのために中立なリングで実現することが一番意味のあることかなと思って。それで多分、すごい時間がかかったところもあると思うんですけど、今回無事こうやって試合が確定することが出来たんで。この試合、僕がこの5~6年、いろんなことを言われたときに、それでも離れずに付いてきてくれたファンの人たちだったり、応援してくれる人たちだったり、K-1の後輩だったり、色んな人の気持ちを背負って、僕はこの試合に挑もうと思ってるんで。すべての気持ちを背負ってこの試合、必ず勝ちます。押忍」
那須川天心
「こんちは!那須川天心です。皆さん、メリークリスマス!クリスマスイブにこうしてプレゼントが出来て本当に嬉しいと思いますし、ファンからしてみればずっと待望してたことだと思うんで、最高のクリスマスプレゼントを皆さんに渡せたんじゃないかなと思ってます。今回の試合は、僕もずっと昔からやりたかった試合ですし、なかなか、こう……色々あって出来なくてっていうのが続いたんですけど、ようやくこういう中立な立場でというか、中立な舞台で試合ができることを僕は嬉しく思います。
そして本来僕、4月でキックボクシングを引退するはずだったんですけど、この試合のために6月に引退を伸ばしてやるってことに関して、ホント格闘技好きな人からしたらホント嬉しいことだと思うんですけど、それ以外の僕だけを応援してくれてる方とかは『なんだよ』って思う人もいるでしょうし、いろんなボクシングの関係者だったりとか、テレビの関係者だったりとか、そういう人達にも申し訳ないなって気持ちはあるんですけど、しっかり僕の最後のケジメとしてこの試合を行って、勝ってキックボクシングを引退しようと思ってます。この試合、しっかりと締めたいと思います」
――榊原CEO、このカードが大晦日RIZINの直前の発表になった意味とは
榊原「いずれにしてもこの天心と武尊が闘う試合を実現させるっていうのはですね、別にこの大晦日に向けて照準を絞って積み上げてきたことじゃなくて、それぞれの思いというか、両団体・両陣営の思いを含めて、色々まあ、去年の年末に武尊選手がRIZINに来場したことも含めても、大概長い時間をかけてやってきていることで、ようやく本当に、2021年の12月24日にいろんなことの調整が付いて間に合った。我々からすると、あと1週間後に控える大晦日の前にこの件をキチっと決着を付けるということを1つの旗印に調整したことでようやく発表ができたというところではあるんです」
――榊原CEO、この試合の具体的な日にち、場所、ルールなどについて
榊原「現時点では、両陣営との調整がついて正式に闘うということが決まって、現在決まっている、ここから両選手から出ているように、これはRISEさんでもK-1さんでもRIZINでもないです。この日本の格闘技界がこの試合を実現することを1つのきっかけにして新しい格闘技イベントを立ち上がる、作りだすということで。このあと主催者含め、製作委員会とかを作って組成していくってことになると思うんですけど、いずれにしても私が総合プロデューサー的な立場に立たせていただいて、このイベントを……RIZINだけで作り出せるものではないです。K-1もRISEもRIZINもみんなで力を合わせて日本中・世界中がぶったまげるようなイベントを作ってやると。そういう求心力として、この2人が闘うことであれば、格闘技界だけじゃないです。日本のスポーツ界、世界中のエンターテイメントの注目を集めることが作り出せる。
現時点で決まっていることを言います。契約体重は58kg、前日計量、翌日4kg戻し、当日計量62kg。体重が決まってます。ルールは、ワンキャッチワンアタック有りのキックボクシングルール。ホントに中立ってことで言うと、レフェリーどうするの、ジャッジどうするのっていうのもそうですけど、ジャッジの基準とかも明確化、明文化していく。これは今後色々、各両陣営の皆さんと調整してですけど、判定も見える化したいんですよね。どういう形でファンの人達がこの2人の闘いを……当然KO、TKOでの勝利もあると思います。判定になることもあると思います。だから、判定基準を明確化することと、出来ればラウンドごとに、このラウンドが10-9だったとか10-10だったとか、ホントにここはクリーンに見える化して、これは両陣営と調整してですね、ルールはこれから詳細を詰めるということになります。ルールに関して言えば、キックボクシングのワンキャッチワンアタックをベースにして、このあとルール・詳細を組成する。体重は58kg前日計量。当日戻し4kg、62kg。ここは決まって、あとはこれからです。日程に関しては6月某日。当然この2人が闘うので、日本の中のスケールで言えばですね、一番デカい会場、一番インパクトのある場所で両選手を迎え入れるということで最終調整していくという形になります」
――両選手にお聞きしますが、お互いをどういう存在だと思ってきたか
武尊「僕は55kgでチャンピオンになったあとくらいで天心選手も55kgでチャンピオンになって、団体は違うけどライバル的な存在だなとはずっと思ってたし。ただのライバルじゃなくてこの5~6年実現できなかったことで、いろんな溝が生まれた中で、最初は存在を恨んだ時期もあったし。でも、今回実現してやっとそう思えるんですけど、天心選手がいたから僕はここまで格闘家としてやってこれたんだなっていう、今は感謝のほうが大きいかなと思ってます」
天心「ホント、同じだと思うんですけど、本当に僕がいない別の世界というか、アニメで言うと、ONE PIECEとNARUTOみたいな、そんなぐらい違う、絶対交わらないよねって言われてた……あっ、ちげーなあ。そこは交わるか(笑)アレですね、ジャンプじゃなくて……ディズニーとユニバ!(笑)そんくらいの世界の違いがあったと思うんですけど、そこが交わると言うか。2人とも別の世界で作ってきたんですけど、ここでやっと交わるというか。お互いの団体をずっと盛り上げてきましたし、僕が最初、お互いに言ったときから6年くらい経ってるんですけど、2人とも1回も負けてないんですよね。これもなにかの運命かなと思うんで、正直すごいなと。こんな上手いことがあるのかとも思いますけど、非常に嬉しく思います」
――両選手、来年6月に試合が決まって、天心選手は大晦日をどうするのか、RISEさんのラストマッチなどスケジュールを教えて下さい
天心「大晦日は出ます。あと、4月の試合は出ます。それは言った以上、格闘家としてというか、男としてやらなければいけないことなので。しっかりそこにケジメを付けて。そっから最後の試合を迎えたいなと思ってます」
――武尊選手は6月までに試合の予定はありますか
武尊「正直僕は今年の大晦日に向けてずっと追い込みと体作りをやってきて、天心選手のことだけを考えて生活、練習してきたんで、他の相手っていうのが今は頭に浮かばないですけど、6月ってことは前回試合やってから1年以上空いてしまうので、6月までに1試合どこかで挟みたいと思います」
――榊原CEO、このタイミングでの発表となったということについて、今までどこが障害になっていて発表ができず、今回はどこがクリアになったから発表できた?
榊原「天心の表現で言うと、ディズニーとユニバくらい違いますからね。当然、そしてこれだけの選手が闘うわけですから、選手個人にもこだわりはあるし、まずは階級も違いますしね。当然ルール面でもそうですし、競技的に通常武尊選手が闘っているK-1のルールと、ワンキャッチワンアタックは違いますしね。多分、大げさではなく、何百かある、経済的なことも含めてです。それぞれ、僕らもそうですけど、当然選手は看板しょってやってるわけだし、そこには誇りもこだわりも、奪われたくない地位も名誉も全部かけて闘う。そういうものを1つずつお互い歩み寄って行く上で言えば……時間かかったなあ。でも本当に関係各位の人には感謝しかないんですけど、こういう形で私に重責を担わせていただいて発表させていただけることにご尽力いただいてここまで来ましたし、RISEの伊藤代表を含めて、天心にもいっぱい、いっぱいたくさんご無理を言って譲っていただいて調整がついた。そのためには必要な時間だったかなと、そういう風に思います」
――両選手にお聞きしたいのですが、先程発表されたルール・体重について思うことは
武尊「この体重で決まったんで僕はそれに合わせて身体作り上げるだけかなと思ってます。ルールに関しては、いつもとやってるルールと違うルールなんで、そこもあと半年あるんで、それに向けて自分で調整していく感じになるんですけど。あと、ラウンド数とかはこれから決まると思うんですけど、僕は正直この試合に判定とか、ドローとかそういう結果はいらないと思うんで、僕は延長無制限ラウンドでやりたいと思ってます」
天心「ホント、色々有りましたけど、決められたことをやるだけなので。お互いこの階級が適正階級ではないっていうのは、6年前の時点で階級が違ってはいたんですけど……。ファンだったりとか応援してくれる人が、後押ししてくれましたし。話は戻っちゃうんですけど、この試合をやるにあたって、沢山の人に感謝しないといけないと思いますし、やっぱり一番はホントファンのためっていうのもありますし。なんすかね、関係者とかいろんな周りに身近な人達とかチームの人とかもいるんですけど、なんかホント、全員が全員、心からこの試合を見たいっていうのじゃないんだなっていうのを交渉の時点ですごく感じて。やっぱりみんな自分で自分を守ったりとか、自分の権利だったりとか、自分の思いだったりとかをどんな状況でも大事にしたいんだなっていう事もわかりましたし。そういう人達がいた中でも自分を信頼してくれる人というか、自分のことを本当に思ってくれてる人もたくさんいたんで、その人達のために、あとはファンのためにというか。あとは、この試合を行うことでこれからのキックボクシングがすぐ発展するかって言ったら、そうではないと思う。このカードをやってしまうことで他に盛り上がりがもっと上がるかつったらそれは正直ないと思うんですけど、これを見て、僕は昔、K-1を見てキックボクシングを始めようと思ったので、この試合をやることで、そういう風に思ってくれる人が1人でも2人でもいればなと言うか、たくさんいると思うんで、未来ある子どもたちのためにこの試合やろうと僕は思ってますし。あとは、僕は23で、まだまだ新卒の年というか、『最近の若者は』とか『ゆとり世代は』とか『Z世代は』とか色々言われるんですけど、いやいや、そんなの関係ないぞ、見てろよと、世間に知らしめて。俺が若者代表ということで、そういった部分をしっかり周りに見せたいと思ってます」
――両選手、相手よりもどの部分が自分が勝っていると思っていて、相手のどういったところに警戒するか
武尊「天心選手、本当に素晴らしいファイターで、世界でもトップのコンプリートファイターだと思うんで。僕はホントに、今までの試合でもそうですけど、どれだけ自分よりか優れている選手だったとしても僕は気持ちで負けなければ絶対勝てるっていうのを自分の身体で体現してきたし、自分の身体でそれを証明してきたんで、そこに絶対的な自信があるし、僕はその気持の部分では世界中どの選手にも負けないと思ってるんで、そこがあれば必ず勝てると思います」
天心「警戒している点で言えば、圧力だったり、一発のパワーだったり。まあ階級も上なので、僕より全然圧力はあると思うんですけど、そこはしっかりと対策して、自分のやりたいことをやろうと思いますし、勝っている点としてはいっぱいあるっすけど、一番は何っすかね、マインドっすかね」
――マインドというのは具体的にどういうものでしょう
天心「そこは雰囲気で受け取ってください(笑)」
――武尊選手の言う「気持ち」とは違う?
天心「そこは、ハイ、受け取ってもらえれば(笑)」
――武尊選手、天心戦に向けてサウスポー対策の練習をやってきましたが、それ以外でも自分の成長・手応えを感じる部分は
武尊「対策はもうどの選手とやるときもやるんですけど、天心選手は特別な相手だと思うんでしっかり対策やって。僕はホント大晦日に照準を合わせてやってたんで、むしろここから半年また天心選手対策、天心選手との試合に向けた練習ができるっていうのは、それをプラスに考えてもっと強くなってリングに上がりたいと思います」
――この試合はずっと望まれていました。武尊選手も年齢的もキャリアの終盤なのかなと思うのですが、この試合がラストマッチの可能性は
武尊「僕は毎回そのつもりで試合に出てるんで。『1回でも負けたら引退する』って決めて何年もやってきているんで、毎回その気持ちでやってきていますけど、『年齢的にも』って言われるんですけど、僕は今が全盛期だと思ってるんで。今が一番強いです」
――榊原CEO、両陣営の立場・価値観・考え方を取りまとめるにあたって、大切にしたところ、譲れない部分はなんだったか
榊原「それぞれそれぞれに、両選手に、ホントに背負ってるものが多いんですね。だから、この試合をすることで犠牲にするものをなるべく少なくさせてあげたい。実りのあるものもたくさんあれば、この試合をすることで失うものもある。例えば那須川天心選手で言うと、ホントは4月に引退するはずだったんですよね。その引退期間を、これも関係各位、ボクシングに行くって表明してるんで、ボクシング関係者、さっき天心も言いましたけど、そういう人たちに理解をしていただいて、引退、キックの卒業時期を伸ばすこととかも含めて、これは天心にとってもダウンサイドなことかもしれない。やっぱり、色んなものを背負って闘うに値する環境整備をする、それで選手がそこまでしてでもやっていこうっていうものを整えていくってことを一番僕もこだわりましたし、選手の思いとしてもそこにかけてみようって思ってもらえる状況がようやく整った。先程のご質問にもあったように、関係各位の深いご理解とご協力あってたどり着いたってところです。こんな感じでいいですかね?」
――両選手にもお聞きしますが、この試合に向けて大切にしたところ、譲れない部分はなんだったのでしょう
武尊「最初に話したんですけど、僕はこの試合が実現するにあたって、どっちかの団体が落ちちゃったりとか、格闘技界が落ちちゃったりとか、そういうふうになったらこの試合を意味がなくなってしまうと思うんで。そういう意味で誰も傷つかないっていうのは難しいと思うんですけど、それにやっぱ一番こだわってじゃないですけど、この試合が熱望されてからK-1が悪く言われたこともあったし、逆のこともあったと思うし。そういうふうに格闘技が、せっかくこんなすごい最高のカードが出来るのに、格闘技界が悪いイメージになっちゃうのがすごい嫌だったんで。このことでK-1ファイターたちにすごい迷惑かけたと思ってて。僕と僕の試合のことでK-1が悪く言われてK-1ファイターたちが自分のことじゃないのにそういう風に言われたことがすごい悲しかったと思うし、悔しかったと思うし。それが僕は一番キツかったんで、今日こうやって実現できたことでそういうこともなくなるのかなと思うし、その一番実現するにあたって僕がこだわってたところっていうのはそこですかね。RIZIN、RISE、K-1、他の団体、全員がみんなで上がるための試合にならないと意味がないと思うし。そこが一番こだわった部分ですね。あと、さっきこの試合が終わったら下がるって言ってたんですけど、全然そんなことないと思ってて。今僕と天心選手以外にもいい選手たくさんいて、(僕らが)いない大会でもすごい盛り上がってるし、僕らの試合が終わった後、この試合を見た人が格闘技が面白いって気付いてくれる人がすごいうたくさんいると思うんです。そういう人が僕らの試合だけじゃなくて、K-1だったりRIZINだったりRISEだったりいろんな団体の試合を見ていろんな団体のファンになってくれれば格闘技界はもっとデカくなっていくと思うんで、そういう試合になると思ってます」
天心「そもそも、僕は4月でRISEを、キックボクシングを引退するって言ってたんで。元々の話だと、今年の6月に中立の舞台であるっていうふうにほぼほぼなってたんですけど、それがなくなってしまって、『じゃあ大晦日』ってなったんですけど、大晦日は僕がRIZINにメチャクチャお世話になってますし、その恩返しをしたいって意味で、RIZINでしか試合をしないと。大晦日はRIZINのファンの皆さんに申し訳ないというか、しっかり卒業するって姿を見せたいっていうのがあって、こういうスケジュールになったんですけど、ホント、『ああ無いのか』と思っていたんですけど、榊原さんが『引退を伸ばしてくれ』って提案が来て、『いや、まさかそこでそれ来るかぁ』とは思ったんですけど、『ホントしつこいな!』というか、『いや、その発想無いよね』っていうのがあって(笑)自分の中でも非常に思ってたんですけど、でも、みんなが見たいと思ってくれてるし、いろんな関係者様にも迷惑をかけていますし、ホントそこの部分は申し訳ないなと思いつつそこから調整に入ってやっと決まったって部分なんですけど、譲れないっていうのは自分の試合のスケジュールもそうですし、自分のファイターとしての気持ちというか、強い相手と闘いたいっていうか。ここ最近ずっと僕は試合をずっとしてはいるんですけど、立場的にずっとチャンピオンで、ずっと挑戦者を受けて受けてってことが多かったというか、それしかなくて。それで、周りも『どうせ勝つし』みたいな。KO出来なかったら『いやいや天心大丈夫か』とかすごい言われたりして、モチベーションが上がらない中、こうして武尊選手との試合が決まって、僕のモチベーションも、立場的にはどうかわからないですけど、自分はホント、久々にチャレンジャーというか、『やってやるよ!』って気分になりましたね。あとは武尊選手も言ってたんですけど、K-1だったりRISEだったりRIZINだったり、そこが誰も下がらない、プラス僕はこれでキックを引退するんですけど、『平和で行こうよ』って思いますね。色々交わらない団体がやっとここで交わるし、団体だけじゃなく、放映権とか放送の問題とか、フジテレビ、Abema、すべてが仲良くしてピースで行こうよと僕は思います。いがみ合ってるのとか無しにして、ここでしっかりと全部を整えて、僕が置き土産としてしっかりと試合をして、勝って、キックを去りたいなと。そういう気持ちはあります」
――天心選手、ルールはこれからというのは重々承知なのですが、武尊選手が希望した「無制限ラウンド」ということについて
天心「そこは調整なのかなと思いますし、今ここでそれをやる・やらないってなってどうなるかもわからないんで。そこはしっかり関係者さんとか自分のチームとか周りで相談して決めてもらえればなと。榊原さんが最終的に決めることだと思うんで、それは僕にはアレですね」
――引き分けなしの完全決着したいという意向に依存はない?
天心「引き分けはいらないというか、そこまで持ってかなきゃいいって話ですよね」
――両選手ともに待望の試合ですが、ファンにとっても最高のクリスマスプレゼントとなりました
武尊「ホントにたくさん待たせてしまったので、その分最高の試合で僕が勝つところを見せたいと思うんで、ファンの皆さんも、あと半年ありますけど、一緒にこの試合を当日まで盛り上げてもらって、日本中だけじゃなくて世界中から注目される試合になると思うし、ホント日本人同士で世界最強を決められる試合ってなかなかないと思うんで、僕はこの試合がそういう試合になると思ってるんで、その試合を楽しみに、半年後まで待っててほしいと思います」
天心「あと半年あるんで、じゃんじゃん盛り上がってくれればいいと思うし。なんだろうな。みんな楽しみすぎて事故しないように気をつけたいですね(笑)」
――榊原CEO、中立なリングでの大会とおっしゃいましたが、他の参戦団体・選手、対抗戦のカードなどで決まっていることは
榊原「ここも当然、2人の、両雄の闘いをメインとして、アンダーカードをですね。中立な舞台ですから、各団体の垣根を超えたマッチアップに。これはRISEさん、K-1さん、当然RIZINもですし、その他の団体も含めて、ファンの皆さんが期待するカードをラインナップしたい。そう思ってます」
――両選手、世紀の一戦と言われていますが、この試合はどういった決着が望ましいと思いますか
武尊「さっきも言ったんですけど、僕はこの試合は完全決着ルールじゃないとやる意味がないと思ってるんで。先ほど天心選手は『延長まで行かない』って言ってましたけど、僕も現役でやってきて、一度も延長行ったこと無いんでおそらく本戦で決まると思うんですけど、天心選手も強い選手ですし、引き分けは絶対、僕はいらないと思ってて。なので、完全決着ルールの延長無制限でやりたいと思っています」
天心「僕も現役の中で延長行ったこともないですし……延長は行ったことありましたね、そうですね(笑)ロッタン選手とやったとき(※2018年6月17日、ロッタン・ジットムアンノン戦)もしっかり勝ったんで。そうっすね、しっかりとジャッジ・レフェリーの人も相当悩むと思うんで、その人達に悩ませない一番のやり方というのはKOじゃないですか?それしかないと思うんで、皆さん期待しててください」
会見終了後、記念撮影を終えた天心は武尊に握手を求める。武尊が両手でしっかり握り返すと、2人はしっかりと抱き合った。
<会見後囲み取材>
RIZIN CEO榊原信行
――この試合がまとまった率直なお気持ちは
「清々しい感じですね(笑)ノーコメントおじさんで来ましたんで、年越してもノーコメントで行くのは、このネタが通用しないってこともあったんで。ホントに実現して嬉しいということと、両選手にもそうだし、両陣営の皆さんにもそうですし、僕は役不足ながらオーガナイズ役をやらせていただいた中で、ホントに最終ゴールがあって良かったなっていうのが今の気持ちです。ただ、こっからがスタートラインなんで、6月に向けて両陣営・両選手のモチベーションを落とさずに、『やっぱりやってよかったね』って言われるような、格闘技界の中でっていうよりは、格闘技・スポーツ・その他エンターテイメントの中でも、2022年、オリンピックもないですし、最高に盛り上がったイベントはこのイベントだって言われるようなものを作り出せたらなと。個人的にもすごくモチベーションが上がっているという状態なので、そこに向けてまず直近の大晦日、『RIZIN.33』をどう盛り上げていくか。それも含めて、全部点を線にどうつなげていくかだなってところです」
――大晦日の天心選手の相手について
「今日はホントに、このカードの発表ということなんで。全然、場所を変えて、日にちを変えて、明日発表できるように調整はしてますんで、皆さんに再度集まっていただいて発表できればと思っています」
――天心vs武尊戦はどの会場で行う予定でしょうか
「いま最終調整をしてます。当然このクラスというか、みんながイメージするのは『東京ドームでしょう』っていうのはあるんですけど、当然会場の名前を出すことが出来るには、会場との正式な申し込みとか問題点を……満を持して今日じゃなくて、クリスマスイブに合わせたわけじゃなくて、さっきも関係各位と話をしてたんですけど、ホント昨日、一昨日、24時間前まで最終調整をして今日に至るってくらいのことなので。これから会場、もちろん東京ドーム、もちろんワンチャン国立競技場とか。DYNAMITEで2002年、やらせてもらったことが僕も関わらせていただいてますけど、昔の格闘技界の歴史の中でやれたことなんで国立競技場で……今の新国立競技場でやらせてくれるのかも分かんないんだけどね。このカードが有ればワンチャン狙えるんじゃないのってことも含めて調整して、発表できたら良いなと思ってます」
――武尊選手は無制限ラウンドでの試合を希望していました
「思いはそれぞれ選手あると思うんですけど、天心の話にもあったように『ピースで行きたい』と。ピースっていうのは、昔の僕だったら無制限ラウンドとか、無茶をしたかもしれませんけど、大人になると放送局さんとか終わる時間とか、いろんなことを考えると、無制限ラウンドってことばにメチャクチャ弱いんですよ。弱いっていうか、嫌な思いをしているというか、怖いんですね。その当時、ちょっと話が長くなるんですけど、ホリオン・グレイシーって人に騙されて、無制限ラウンドっていうとすぐ試合は終わるんだって、15分無制限ラウンドで桜庭とホイスやって、90分闘わせちゃったことがあるんですよ(※2000年5月1日『PRIDE GRANDPRIX 2000』ホイス・グレイシーvs桜庭和志)。無制限ラウンドって言ったときにジャッジのメンタルで働くのは、みんなジャッジを付けるの怖がるから、ドロー、ドロー、ドローで、終わりがないじゃないですか。僕は放送局との尺の問題とか、これから地上波放送局、配信局とかいろんなことを考えると、まああってホント1Rとかの中で、どう決着を付けるのかってことに、これをオーガナイズする立場としてはしたいと思います。その中で、マストでどう決着をつけていくかみたいなところを模索したい。だから、武尊の思いはよーく分かります。『完全決着付けたいんでしょ?』って。完全決着付けるのがイコール無制限ラウンドじゃないって答えを僕が作り出せるように頑張ってやります。これは関係各位の皆さんとこれから調整をしていこうと思います」
――放送予定に関して
「PPVも過去最高を狙いたいですし、PPVだけに振るっていう気はないです、僕は。地上波の放送局も当然、まあ言ってもまだお茶の間の人達というか、6つしか無い地上波のゴールデンタイムでしっかりこの試合を届けたい。この2人と関係各位からすると、この試合が起点になって格闘技の認知度をさらに高めたいし、人気も高めたいし、天心が言ってるみたいに次の未来の子どもたちのために『こんな選手になりたい!』って思ってもらえるには地上波の力っていうのは大事だし、それと並行してPPVってものをこの時代性を取ってですね、しっかり届けられるものにしたいし。ここは両立するという意味で、RIZINで検証結果が出てるんで、やれると思います。まだこれからですね」
――各団体が持つ有料配信も活用する?
「そこも含めて、誰かが得して誰かが損することをなくそうよっていうところで僕もここに座らせていただいて、『RIZINの榊原がやる』ってことではなくて、これまで格闘技界に関わらせていただいた経験と実績を含めて榊原が総合プロデューサーとして携わらせていただいて、K-1さん、RISEさん、そして放送局さん、そしてここまでご支援いただいた皆さんに全部参加してもらって。『そんな上手く行くかよ』ってところを、上手く行かせられるように頑張りたいと思います」
――日本人対決ではファイトマネーも過去最高になる?
「まあ、両陣営とはもう合意書は交わさせていただいて今日に至っているんでアレですけど、過去最高をもらって当たり前のカードだと思います。日本人対決で言えば、これまでもいろんな形で日本人対決があったし、日本人対決に限らず日本人選手が関わって闘った試合ってあると思うんですけど、それを遥かに凌駕するファイトマネーを、当然そこに夢がないと。これは両陣営とも話したいと思いますけど、それもオープンにして、『ファイトマネー、それぞれいくら』って。そこにも優劣をつけたくないです。そのへんも、両陣営とは話をしてますんで、追々、年明けくらいにイベントタイトル、主催組織、配信局・放送局、その他チケットのお問い合わせとか、たくさんこれからどこに行ったらいいんだっていうのも含めて、どこにお問い合わせいただくかとかも早急に整えていきますので、まずは今日、この夢にまで見たファンの人達がいるとすると幻になっていたかもしれないし、もう実現しないだろうと諦めていた人達もいると思いますが、『2人は闘うよ、6月に』と。これは何があってもどこかいずれかの場所で闘うということのお約束をするということでご理解いただけたらなと思います」
――実行委員会の立ち上げはこれから?
「そうですね。これからになります」
――未定の部分も多い中、決まったことからでも先に発表して行きたかったと
「まずは年越ししたくなかったし、まずはこの試合に向けて本当にノーコメントを貫かせていただいたんで、それはRIZINの場所で言う形じゃないように。今日の会見を見てもらえれば、中立な形の中でしか当然発言も出来ないし、するべきことじゃなかったということはご理解いただけると思うんですけど、それぞれ両陣営、両選手の思いが複雑に絡み合うんですね。当然、武尊選手は大晦日にやりたい、やってもいい。でも、当然それは、RIZINっていう場は中立な舞台ではないわけじゃないですか。そうすると、そこに矛盾があるわけです。大晦日にやりたいけどRIZINの舞台には上がれないっていうことにもなってるわけだし。天心はRIZINの舞台でラストマッチ、RIZINのファンのいるところで最後の試合を見届けてもらえる形を取りたいって思うし。これは、いろんな……これ言うと長くなるんですけど、ケースを考えながら、いろんなパターンを考えながら、両選手の思いをどこに帰着させるかってところは、当然大晦日も1つのポイントとしてやったんですけどね。大晦日に2つの場所に分けて、大阪ドームとさいたまスーパーアリーナとか。RIZINと違う今回のイベントをやるとかっていういろんなパターンを考えて、放送局さんとか配信局さんとも調整しましたが、どんどんどんどん時間もなくなるし、天心にちょっとイヤミを言われましたけど、発想を変えて、年内のRIZINの契約下にある1試合ではなくて、『そもそも4月に引退しなくちゃいけないの?』ってことも含めてもう1回。これは天心側にはだいぶ無理を言って、人間関係がおかしくなる手前くらいまで行って、そこにみんなが理解を示してくれたってところではあるんです」