2AWの進垣リナが引退し約3年半のレスラー人生に幕!「進垣に会いたくなったら2AWスクエアに来れば会えます」
23日、千葉・2AWスクエアで『進垣リナ引退興行』が行われた。
2AWは千葉県の地域密着団体として2002年に設立されたKAIENTAI DOJOの後継団体。
進垣はブラジリアン柔術のバックボーンを持ち、2018年4月にKAIENTAI DOJOでデビュー。若手離れした寝技の技術を武器に、現在は2AWの女子選手の中核を担う存在にまで成長。アイスリボンやOZアカデミー、プロレスリングWAVEなど数多くの女子団体に出場しており、今年1月にはW.W.W.D認定世界タッグ王座&BBW女子王座&BBW世界スーパーボディ級王座の女子三冠王を達成するなどキャリア4年目ながら実力派の選手として女子プロレス界で名を上げていた。
しかし、4月29日の『GRAND SLAM in 2AWスクエア』での笹村あやめとのシングルマッチの後、進垣は自身の誕生日である11月23日に引退することを発表した。
突然の発表だったが、進垣にはどのような思いがあったのか。
2019年末に引退した元アイスリボンのテキーラ沙弥の引退前に色々話を聞き、そこで自身の引退について考えるようになったようだ。
沙弥は最初から現役を3年と決めていて、10年やそれ以上続ける選手がいるなか、進垣はそれだけ続けるのは無理だと思い、期限を決めることにした。そうすれば1つ目標を持っていけるとも思った。練習生の頃はプロになる為、人間の感情を無くし、厳しい練習に耐え抜いた。
その結果、デビュー戦が終着点のようになってしまい、その次に何をすべきかわからなかった。そして、プロレスの楽しさがわからない期間が続いた。
その後は、プロレスを楽しむ余裕もでき3年半レスラー人生を続けた。
同期の笹村が先にデビューしたが、進垣は焦らなかった。笹村と自分では吸収スピードが違うとわかっており、リッキー・フジに言われた「成長スピードは人それぞれ、あせってケガするよりも、今やってることを大切にしてデビューを目指せ」という言葉に救われた。
また、十枝会長からは「始まりがあれば終わりがある、その終わりがまた始まりとなる」との前説があった。
そして、引退試合は進垣のデビュー戦と同じカード、進垣と笹村のシングルマッチで行われた。
試合は序盤から後半まで2人が歩んできた歴史を確かめ合うように1つ1つの技に気迫が込められたぶつかり合いを見せた。コーナーにいる進垣に、所属選手やゆかりのある女子選手が矢継ぎ早に、引退祝いを込めてアタックしていく場面もあった。
そして2人はお互い持っている技を出し切り、そして受けきった。最後は笹村のタイガースップレックスホールドで進垣が3カウントを取られ、現役最後の試合は終わった。
試合後には引退セレモニーが行われた。進垣が参戦していた女子団体の選手やスポンサー、2AW代表である十枝会長、そして花見達也と笹村あやめの同期の2人から花束が贈られた。
そして、進垣はリングから「笹村のエルボーが喉に入って声が出ないんですけど...。聞こえにくいとは思いますがお願いします。進垣リナ、3年とちょっとの短いレスラー人生だったんですけど、すごい濃い時間を過ごしました。3日前に膝をケガしてしまい、引退試合できるか不安でしたが、今こうやってここに立ててることを嬉しく思います。ありがとうございます。プロレスラー人生に悔いがないかといえば、全部が全部ないとは言い切れないんですけど、今日試合終わってみて本当に清々しい気持ちで今ここにいます。進垣リナのプロレス人生とっても楽しかったです。プロレスラーになれてこうやって皆さんと出会えたので、とても幸せでした。今日でプロレスラー進垣リナは終わりになりますが、ここで皆様に報告があります。結婚とかではないんですけど。私、進垣リナは2AWの社員として残ることになりました、よろしくお願い致します。進垣に会いたくなったら2AWスクエアに来れば会えますので、皆様お待ちしています」と最後の挨拶を行い、最後の10カウントゴング。進垣リナの3年半によるレスラー人生が幕を閉じた。
そしてそれは、2AWでの社員としての新しい幕開けともなった。2AWにとどまらず、様々な女子団体に参戦し、レスラーとして輝き続けた進垣。新たな形で2AWを支えるなかで、新たな目標が見つかるだろう。