豊田真奈美の後継者対決は大田区総合体育館大会へ!ICE×∞王者・藤本つかさにIW19王者・春輝つくしが挑戦決定!
18日、東京都・後楽園ホールにてアイスリボン『リボンの騎士たち2021』が行われ、春輝つくしが星ハム子からIW19王座を奪還した。
IW19王座(Internet Wrestling 19王座)とは、2010年にアイスリボンの姉妹団体として誕生した『19時女子プロレス』のベルト。当時はUSTREAM配信での無観客興行を中心に、クラウドファンディングもまだ主流でなかった時代に個人協賛を集めて王座戦を行うなど画期的な試みを数多く行っていたベルト。
2013年に同団体の活動休止とともに長らく封印されてきたが、新型コロナウイルスの影響で有観客試合が行えなくなった時期に“配信のある大会でのみで王座戦が実施出来る”というルールを持つこのベルトが注目され約7年ぶりに復活。プロレスの大会が軒並み中止となる中、無観客試合の配信シリーズで約1ヶ月に渡る王者決定トーナメントを行った。
IW19は、昨年春の新型コロナに対する明確な対抗策も無く「もうプロレスの大会は出来なくなるのではないか」という不安に包まれた時期にプロレスの火を灯し続けた希望の象徴たるベルトとなっていった。
復活後の新王者トーナメントでは、時間切れ引き分けの場合は視聴者投票で勝敗が決まる形式で実施され、2回戦でハム子がつくしに視聴者投票で勝利。その際からつくしはハム子を強く意識してIW19王座戦線で激闘を続けており、今年1月につくしが王座を奪取するものの8月には再びハム子が奪い返すなどデッドヒートが展開されている。
この日は第4試合でハム子とつくしの因縁戦が実施。公私ともに仲が良いという2人は互いの攻め口を知り尽くしており、相手のパターンに持ち込ませないよう立ち回るばかりか、ハム子がつくしの得意とするドロップキックやフットスタンプを、つくしがハム子の得意とするラリアットを見せるなど互いを強く意識したファイトを展開。
ハム子がシャイニング腹ザードやえびす落としといったパワーファイトで優勢を掴むが、つくしは身軽さを生かしたコルバタやヘデックなどで翻弄していき、ハム子の女の執念(※腕を巻き込んでの丸め込み)も先読みして土蜘蛛で切り返す。そして最後はハルカゼ・空(※飛びつき式フランケンシュタイナーからのエビ固め)で3カウントを奪った。
試合後、つくしは「24歳になってここが大勝負だと思ってるので。動きを見せたいなと思ってますし、やっとメキシコ遠征も決まりましたし、P's Party代表としてこのベルトを持って行けることが本当に嬉しいです」と語り、この日のメインイベントで行われる予定の藤本つかさvs星いぶきのICE×∞王座の勝者へ挑戦を表明。
メインイベントで藤本がいぶきを制してICE×∞王座を防衛すると、つくしはミサイルキックで藤本を奇襲し、「8度目の正直、そのベルトに挑戦させてください」と宣言通りに王座挑戦表明。藤本もこれを快諾し、11月13日の大田区総合体育館大会で両者のICE×∞王座戦が行われることになった。
両者は豊田真奈美さんの教えを受けており、豊田さんの引退時に藤本はジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックス・ホールドを、つくしはジャパニーズ・オーシャン・スープレックス・ホールドを継承している“豊田真奈美の後継者”と呼ばれる選手たち。
連綿と受け継がれる女子プロレスの魂が大田区大会でどのような輝きを見せるのか、シングル王者同士で争われる現代の女子プロレス頂上対決の行方に期待したい。