藤本つかさが前代未聞の連続王座戦を敢行し因縁の松本浩代から王座防衛!「感情移入されるプロレスラーが一番最強」
9日、神奈川県・横浜武道館にて『アイスリボン15周年記念大会』が開催され、藤本つかさがシングル&タッグの連続タイトルマッチに挑んだ。
15周年イヤーの2021年に入ってから藤本の活躍はめざましく、今年1月に鈴季すずからICE×∞王座を奪取して約半年で7度の防衛を果たすなど圧倒的な強さを見せ、今年7月には松本浩代とともにリボンタッグ王座を戴冠し二冠王に。
そして初進出となる横浜武道館での15周年記念大会では、セミファイナルで松本とともにリボンタッグの防衛戦、メインイベントで松本とのICE×∞の防衛戦を行うアイスリボンでは前代未聞の連続王座戦を行うことを発表し「二冠のまま大会を終えて伝説の女になります」と並々ならぬ覚悟を語っていた。
そして、藤本と松本には“松本浩代事件”と呼ばれる因縁がある。
2008年10月24日に千本桜ホールにて行われた松本浩代vs藤本つかさ&古賀祥子の試合にて、松本がデビュー間もない2人を完膚なきまでに叩き潰し、“試合中に泣きじゃくり、攻撃をすることも受けることも諦めて逃げるだけだった藤本つかさに言った言葉”として「お前らみたいなのがいるからプロレスがダメになるんだ!」と言い放った。
藤本は「あの人を見返してやろうと思ってプロレスを続ける選択をしたようなもの」と語っており、この2人が15周年記念大会のセミ&メインで王座戦を務めることは奇妙な運命のめぐり合わせと言える。
セミファイナルでは、奇跡の復活を遂げた“アジュールレボリューション”世羅りさ&雪妃真矢がリボンタッグ王座に挑戦。
雪妃はPCR検査陽性による自粛明けの復帰戦でありコンディションが心配されたが、アジュレボのタッグワークは健在であり、序盤からリング内外で息の合った連携を見せて猛攻。藤本が捕まる展開となるも松本の鼓舞を受けて奮闘し、得意とする多彩な蹴り技で逆転を狙うが、必殺のビーナスシュートが松本に誤爆。そこをアジュレボは見逃さずダブルチョークスラムを炸裂させると、世羅が羅紗鋏からダイビング・ダブルニードロップを投下して3カウントを奪った。
リボンタッグ王座は世羅&雪妃に渡るが、藤本と松本は引き続きメインでICE×∞王座戦へ。
メインでは、“スタミナお化け”の呼び名も高い藤本が得意のドロップキックを軸に攻勢をかけていくが、“破壊する女”松本は圧倒的なパワーで藤本を蹂躙。藤本のたいようちゃん☆ボムを変形リバースゴリースペシャルボムで切り返し、掟破りのジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックス・ホールドを見舞って逆転すると、必殺の雪崩式ロックドロップを狙っていくが、藤本が雪崩式たいようちゃん☆ボムで切り返してサッカーボールキック連発からツカドーラ。さらにたいようちゃん☆ボムと連撃して3カウント。
辛くも勝利した藤本は目に涙を浮かべながら「松本浩代がいなければ、自分はプロレスを続けてこれなかったかもしれない。辞めさせないでいてくれた人、松本浩代は、闘志の根源、闘志の源。私を女子プロレスラーにしてくれた人。ずっと大嫌いでいたかったのに・・・これからも、女子プロレスやりましょう。うちらがやらなきゃ誰がやるの!女子プロレス、紡いでいきましょう!」と松本に語りかける。
松本は満面の笑みで藤本の頭を撫で、「ここまで、全力でぶつかれて、化粧も剥がれて、そのままの姿を出せる女子プロレスが私は大好きです。こうしてつっかと闘えて本当によかった。つっか、プロレス続けてくれてありがとう」と返すと2人は固く抱き合った。
その後、ICE×∞王座への次期挑戦権を勝ち取った藤田あかねがリングに上がり、約5年前に藤本が王者であった頃に怪我で挑戦できなかった悔しさを語り「あの頃とは違います。今は頑丈さを売りにできるほどのレスラーになりました。だからこのベルト、わしが取って今度こそ藤本つかさに、藤本さんの期待に答えてみせます」と語ると2人はガッチリと握手を交わした。
バックステージに戻った藤本は「女子プロレスこそ感情のぶつかり合いが一番だと思うんです。喜怒哀楽全てを惜しみなくさらけ出す。それが女子プロレスの醍醐味だと思うし。よく、『なんで女子プロレスは“女子”って付けるんだ?男子と一緒じゃなくて、そんなの女子が見劣りしてるんじゃないか』って、そういう人もいるんですけど、私はもう違う!女子プロレスこそが、感情のぶつかり合いこそが、最高だし、感情移入されるプロレスラーが一番最強だと思ってます。女子プロレスが大好きです!」と女子プロレスへの愛を叫び、「ビッグマッチをどんどんやっていきたい!団体をもっともっとデカくしたい!負けたくないですね」と今後の展望を語った。