【コラム】困難を未来への光に変え…全日本プロレスは6月26日に大田区決戦をいざ迎える!福田剛紀社長インタビュー

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コロナによる緊急事態宣言の影響を受け、当初は5月16日に予定されていた全日本プロレス大田区総合体育館大会だが、来週6月26日(土)にいよいよ開催される。延期となってしまった困難な時期を全日本の福田剛紀社長はどのように捉え、そして大田区の主要カードに対する期待、さらに大田区以降にどのような展望を思い描いているのか?話を聞いた。

――延期となっていた大田区大会がいよいよ26日に開催されます
福田「まず5月16日を楽しみにして下さっていたファンの皆様の期待に応えられず辛い思いで一杯でした。開催予定日直前に延期が決まり、申し訳ございませんでした。また延期により対戦カードを止むを得ず変更させて頂いた点にもご理解を頂ければと思います。経営の面で言うと緊急事態宣言発令からチケットの売上がピタリと止まってしまいましたが、しばらくしてだんだん再び売れ始めていきまして。当初は途方に暮れ、でも誰も助けてくれる訳でもなく、青く晴れている空も暗く見える日々でしたが、だんだんと光も見えてきております」

――延期となったこの事態を、いまはどのような気持ちで捉えていますか?
「全日本プロレスにとって久々のビッグマッチですので、中止ではなく延期という形で救われたと考え、6月26日に開催できる事に喜びを感じております」

――大田区の各試合について期待することや見どころを経営者的な視点から聞かせてください。まずは三冠戦について

▼三冠ヘビー級選手権試合
【王者/Evolution】諏訪魔
vs
【挑戦者/TOTAL ECLIPSE】ジェイク・リー

福田「諏訪魔選手の持ち味はアマレスの技術に裏打ちされた重厚で説得力のあるファイト。この混迷のコロナ期にも団体の象徴として長く三冠王者に君臨しております。一方、ジェイク選手のファイトはまだ未完成。格闘技の経験がある事は知られていますが、これからどう伸びてゆくのか見守って頂ければと思います。どちらが三冠王者に就いても今年の後半にはまた新たな挑戦者も現れて今まで以上に盛り上がってゆくと思います」

――エース宮原選手とパートナーの青柳選手には会社としてどのような活躍を期待するものでしょうか?

▼世界タッグ選手権試合
【王者組/NEXTREME】宮原健斗&青柳優馬
vs
【挑戦者組/TOTAL ECLIPSE】土肥こうじ&羆嵐

福田「宮原選手には若きエースとしてメインで活躍してもらうようになってから年月が経ちます。一方、青柳選手は最近になって陰湿という個性を出したり試合でも相手を食った挑発や死んだふり作戦などで面白くなってきたところです。完成された宮原選手と伸び盛りの青柳選手とのコンビは、組んで良し、戦って良し、の関係なのではないでしょうか」

――先日の2021 Jr.BATTLE OF GLORYを経て全日本ジュニアに新しい世代が台頭してきましたが

▼世界ジュニアヘビー級選手権試合
【王者】岩本煌史
vs
【挑戦者】フランシスコ・アキラ

福田「全日本プロレスの特徴と言えば、大型選手による迫力あるぶつかり合いと言われます。しかしジュニアはジュニアで、一度見て頂ければ満足度も高いものです。新人もベテランも、それぞれ人生を賭けてマットに上がっておりますので、各選手が個性を出して必死で競り合う姿をぜひ見て頂きたいと思います。懸命に戦う選手に対して、きっとファンの皆様も感情移入して手に汗握って観戦を楽しんで頂ける事でしょう」

――西島洋介選手は世間的に知名度がありますが、彼の参戦には経営者的にどのような期待がありますか?

▼異種格闘技戦
ヨシタツ
vs
西島洋介

福田「西島選手の現役時代を知っているのは恐らく一定年齢以上の世代でしょう。この世代は過去にテレビで毎週 全日本プロレスを見て下さっていた方々が多いと思いますので、6月26日のヨシタツ選手との異種格闘技戦には特にこの世代の方々に注目して頂けるのではないかと期待しています」

――大相撲出身の双子のハーフ、斎藤兄弟がデビューしました。今後彼らに何を期待しますか?

▼タッグマッチ
斎藤ジュン&斎藤レイ
vs
芦野祥太郎&本田竜輝

福田「斎藤兄弟には大きな期待をしております。今は相撲取り出身の礼儀正しさが個性になっていますが、いずれ『先輩後輩まとめて全員ブッ倒す!』くらいの荒々しさを見てみたいものです。国内ばかりでなく社会環境が許すようになれば海外マットでも大暴れしてもらうつもりです」

――ジャンボ鶴田メモリアルマッチには昭和の全日本で活躍した選手が多数参戦しますが

▼8人タッグマッチ
渕正信&越中詩郎&高杉政彦&土方隆司
vs
グレート小鹿&仲野信市&西村修&力

福田「故ジャンボ鶴田選手は既に伝説の人。全日マットの歴史では忘れる事の出来ない存在です。その鶴田選手の現役時代を良く知る選手達が、この機会に集まれるというのは意義があると感じます。今回マットに上がる選手達は皆『まだまだやれる!』という姿をファンに見せようと狙っているのではないでしょうか。一人だけ若い力選手がどれだけ存在感を見せられるかにも注目したいですね」

――大田区大会以降の展望を語れる範囲でお願いいたします
福田「『プロレスの良さ』を一言で語る事は難しいものです。人によっては『ビッグマッチの期待と興奮』だったり『会場でのファンの一体感』だったり『地方巡業でのレスラーとファンとの触れ合い』だったり・・・。このコロナ禍でプロレスの楽しみ方が半減していたとも言えます。しかし秋にはワクチンが普及して従来の生活に戻れると期待しています。一人でも多くのファンに全日本プロレスの伝統あるプロレスを見て頂いて喜んで頂く為には、やはりビッグマッチも開催してゆきたいですし、どんどん地方へも出てゆきたいと考えております。来年の創立50周年に向けてファンの皆様と一緒に全日マット隆盛への道を歩んでゆければと思います」

これまで幾度もの困難に直面してきても、そのつど形を進化させ必ず甦ってきた全日本プロレス。今回の困難も進化への原動力とし新たな展開を生み出すのか。6月26日(土)大田区総合体育館大会は目前に迫っている。

文…日々樹アキラ

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