エル・デスペラードがBOSJで因縁の高橋ヒロムからギブアップ勝ち!「これでまた俺に興味持ってくれたぁ?」
18日、東京都・後楽園ホールにて新日本プロレス『WORLD TAG LEAGUE 2020 & BEST OF THE SUPER Jr.27』が行われ、エル・デスペラードが因縁深い高橋ヒロムから勝利を挙げた。
今年は、例年11月頃から開催されるヘビー級のタッグリーグ『WORLD TAG LEAGUE』と、例年6月頃から開催されるもコロナ禍による大会自粛で流れてしまっていたジュニアヘビー級のシングルリーグ戦『BEST OF THE SUPER Jr.』が史上初の同時開催。
この日の大会では、BOSJの公式戦5試合が行われた。
BUSHIvs上村優也の試合は、上村がゴングとともに突っ込んでいってエルボーやショルダータックルで猛攻をかけるが、BUSHIが余裕で受け止めて上村も顔面を執拗に踏みつけるなど格の違いを見せつける展開に。それでも上村は折れずに執念の逆エビ固めでBUSHIの余裕を奪うとかんぬきスープレックスを狙うが、振り払ったBUSHIがラッシュをかけ旋回式コードブレイカーで沈めた。
マスター・ワトvsロビー・イーグルスの試合は、序盤はじっくりとした腕の取り合いから両者得意とする蹴り技の応酬となり、ロビーのトペ・スイシーダ、ワトのトルニージョなど空中技も飛び出していく。中盤からはロビーがロン・ミラースペシャルなどの足攻めで主導権を握り、ワープ4.5(450°スプラッシュ)で決着を狙うが、ワトが剣山で迎撃し、天山広吉直伝のTTDからRPP(錐揉み式セントーン)で開幕2連勝。
田口隆祐vs石森太二の試合は、田口がゴングが鳴るなり『キープオンジャーニー』を踊る精神攻撃を見せ、げんなりする石森へ獣神サンダー・ライガー直伝ではなく勝手にやっているという掌底を放ち、自らの手首にダメージを負う。
絶好調の田口は三角跳びプランチャやスワンダイブ式のミサイルヒップ、ケツイェなどを畳み掛けてオーマイ・アンド・ガーアンクルからどどんでの決着を狙うが、石森が回転エビ固めで切り返し、両者エビ固めのシーソーゲーム。そのさなかで石森が田口のタイツを引き下げて尻を出しながらのエビ固めで捕らえると田口も対応が遅れ、これで3カウント。
高橋ヒロムvsエル・デスペラードの因縁戦は、序盤から場外乱闘を含む激しい殴り合いでスタートするも、デスペラードがトペ・コンヒーロで優勢と取ると徹底した足攻めを展開。デスペラードはコーナーマットを外した金具むき出しのコーナーを使ったラフ攻撃も交えて攻め込んでいくが、ヒロムもそのコーナーへの串刺しデスバレーボムなどを見舞い、正面からの打ち合いに。
デスペラードはヒロムのラリアットをレフリーに誤爆させると、ヒロムにローブローを叩き込み、リングの下から取り出したイスで膝を何度も殴打。イスをしまってからレフリーをリングに放り込む。そしてグロッキー状態のヒロムをヌメロ・ドスで絞め上げると、ヒロムがギブアップを叫んだ。
満面の笑みで「よし!」と両拳を突き上げて喜ぶデスペラードは、「どうだよ、あぁ?3カウントってさぁ、やられた方は覚えてねぇけどさ、ギブアップって自分で言ったろ?お前自分でギブアップって言ったんだ。アハハハァ……どうだ?お前、俺のこと昔『大嫌いだ』って言ってたろ?俺は昔から大好きだったって言ってんのにさぁ?それが終わったと思ったら今度は『別に』かぁ?『別に』ってのはよ、好きでも嫌いでも、興味がねえってことだ。これで、また俺に興味持ってくれたぁ?その足でお前はスーパージュニア優勝できるもんならしてみろ。俺はスーパージュニア優勝するぜぇ?お前はどうするぅ?」と勝ち誇った。
試合後、デスペラードは「8試合中7試合がメインイベントだぜ? あいつ(ヒロム)、チャンピオンじゃねぇんだぞ?(IWGPジュニア王者の)石森がしゃべんねぇから、そういうことになってんのか?」とBOSJの試合順に注文をつけ、「俺は別に新日本ジュニアの顔になろうなんてこれっぽちも思ってねぇが、あいつが光れば光るほど、輝けば輝くほど、あいつの光が強くなれば強くなるほど、その影でゴチャゴチャやっている俺たちの影も強くなる。がんばってくれ、ヒロム。まあ、でもこの『SUPER Jr.』、優勝すんのは間違いなく俺だ。なんでかって? 顔をもう潰しちゃったからよ。公式戦、あいつはちゃんと出られるんだろうな? 出れなかったら、申し訳ないな。俺は謝るだけ謝ってやるよ。ごめんね」と笑って引き上げていった。
一方、大ダメージを負ったヒロムは「人の性格はなかなか変わんねえなぁ……」と一言だけ漏らして去っていった。