明日開催!全日本プロレス・チャンピオンカーニバルで実現する令和の『大巨人VSテクニシャン』対決を徹底分析!
明日、後楽園ホールにて行われる全日本プロレス『2020ChampionCarnival』にて、令和における『大巨人対テクニシャン』とも言える好カードが実現する。
石川修司対芦野祥太郎の一戦である。
今年のチャンピオンカーニバル(以下、CC)は十人参加の2ブロック制。
石川と芦野は、宮原健斗、青柳優馬、ヨシタツと共にBブロックにエントリーされている。
今回のリーグ戦は少数精鋭となっており、公式戦の数が例年に比べ少ない。
つまり一つ一つの勝敗が、ズッシリと重みを増す。
石川は既に公式戦を二戦消化しており、初戦の青柳優馬に勝利、二戦目のヨシタツは腰の負傷により不戦勝となり、勝ち点4で芦野戦を迎える。
ここで勝てば、10月5日に同所で行われる優勝決定戦進出に大きく近づくことになる。
対する芦野は、宮原、青柳に白星を献上し、すでに二敗。
もう後がない状態だ。
ここまでの星取りもそうだが、二人の体格は対称的な程に違う。
石川のプロフィールは、195cm123.5kg。(体重は9月17日に本人がTwitter上で公開。)
芦野のプロフィールは、174cm98kg。
数字だけを見れば圧倒的に石川有利とみられるが、そこに関して芦野はどう考えるのか?
本人に聞いてみた。
「正直、そんなに気にならないですね。WRESTLE-1(以下、W-1)でも身長が192cmある河野さんに何度も勝っているし、体重で言えば征矢さんだって同じかそれ以上なんじゃないですか?本田多聞さんと戦った時は胴回りがすごく太くて手が回らないくらいでしたからね(笑い)」
芦野は日本体育大学レスリング部出身で、アマチュアレスリングをバックボーンとする。
W-1時代からTボーン・スープレックスを得意とし、『マスター・オブ・スープレックス』を異名を持っていたが、フィニッシュに関してはアンクルロックを重用していた。
今年4月の全日本プロレス登場以降の試合結果を見ても、その点に変わりはない。
Tボーン・スープレックスは投げ技であるから、当然相手を持ち上げ、投げなければいけない。
しかし、アンクルロックは相手を寝かせて足関節を極めてしまえばいい。
そこに体格は関係なくなる。
ヘビー級としては小兵ゆえに、自分より体格に勝る選手との戦い方は十二分に熟知している。
もちろん、その点に関しては石川も織り込み済みだ。
石川にも芦野の印象を聞いてみた。
「いつも考えてプロレスをしていて、どこか一点というよりもトータルで優れている印象ですね。彼の得意のアンクルロックを狙ってくるのはわかっているので、体格差で圧倒しますよ。」
石川にとって、今まで対戦してきた相手のほとんどが自分よりも小さい相手ということになる。
だからこそ懐に飛び込まれる怖さを誰よりも知っている。
そういった意味では芦野の作戦もお見通しといったところだろう。
先述したように石川はTwitter上で体重を公開している。
『#100日で10キロ落とす巨人エクストラステージ』というハッシュタグを付けて減量の経過をファンに報告し、この100日間で15kg以上の減量に成功した。
CC開幕からの動きを見ても、その減量は今まで以上の恐るべき機動力を生んでいる。
もう一点気になるのは、芦野率いる『EnfantsTerribles(アンファンテリブル)』の面々だ。
9月15日に行われた宮原健斗との公式戦ではメンバーである土肥、児玉、北斗の介入があった。
芦野が敗れたものの、ユニットメンバーの介入が宮原のリズムを崩していたことは間違いない。
試合後には宮原に対して
「次は一対一で。」
と話していた芦野からは、ユニット関係なしのいちレスラーとしての意地も感じられた。
果たして石川戦ではセコンドを投入するのか?
その辺りも見どころの一つだ。
お互いの意地と戦略が交差する『大巨人VSテクニシャン』対決は、9月21日後楽園ホールで闘いのゴングが鳴る。
文・鈴木みたらし