三沢光晴さんの命日に女子絶対王者がタイガー・ドライバーで王座防衛!

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 13日、神奈川県・ラジアントホールにて、アイスリボン『横浜リボン2020・June』が行われ、雪妃真矢が鈴季すずからICE×∞王座(アイスリボンシングル王座)を防衛した。

 新型コロナウイルス感染拡大による興行自粛の中、アイスリボンでは4月25日から無観客試合をニコニコ生放送やYoutubeで配信。
 2010年にアイスリボンの姉妹団体として誕生し、当時はUSTREAMで無観客試合を配信していた『19時女子プロレス』のベルトであるIW19王座を復活させて新王者決定トーナメントを行うなど、観客を入れた大会が開催できない時期も途切れること無く試合の模様を配信してきた。
 そして先月25日に緊急事態宣言が解除されてからは、ソーシャル・ディスタンス確保のために客席数を大幅に減らすという制限付きながらプロレスの有観客試合が徐々に行われるようになってきた。

 この日の大会のメインイベントでは、アイスリボンが先月4日に行う予定だった横浜文化体育館でのメインカードである雪妃真矢vs鈴季すずのICE×∞王座戦が行われた。

 現王者の雪妃真矢はフェリス女学院大学英文科を卒業し、女優としても活動している文武両道の女子プロレスラー。現エースである雪妃はかつて弱気な性格であったが、伸び悩む中堅選手に発破をかけるべく反体制側に回って厳しい態度で所属選手たちと対峙するという責任感に目覚めた。
 対するすずは中学卒業後にアイスリボンに入団し2018年の大晦日にデビュー。その負けん気の強さと運動神経ですぐに頭角を現し、デビュー11ヶ月で雪妃の持つICE×∞王座に挑戦。「アイスリボンを引っ張る選手になりたい」という覚悟を叫び、現在17歳の若さながら早くもエース候補として期待を集めている選手だ。

 無観客試合開催期間の約1ヶ月間でさらに因縁を深めてきた両者は、序盤こそ互いの口調やムーブを真似ながら蹴り合うという大人げない意地の張り合いを見せるものの、中盤からは雪妃が腰攻め、すずは必殺のジャーマン・スープレックスへの布石としての首攻めに加えて隙あらば丸め込んでやろうという貪欲に勝利を狙う姿勢を見せると試合は白熱。


 雪妃は猪突猛進のすずをいなして多彩なバックブリーカーで対応していくも、すずの勢いは止まらずスピアーや旋風脚で猛攻。しかし攻め急ぎの焦りが出たか、グラン・マエストロ・デ・テキーラ(変形キドクラッチ)を狙ったところで片腕のクラッチが外れてしまい、この隙を見逃さずに雪妃が猛反撃。

 PK、ハイキック、紫閃光と足技で攻め立て、最後はタイガー・ドライバーで決着。結果だけで見ればすずのフェイバリットであるジャーマン・スープレックスを出させず、自らのフェイバリットであるスノウトーンボムを出さずに勝利したという雪妃の完勝となった。

 試合後、マイクを取った雪妃はすずの「団体を背負う」「自分は変わらなければいけない」という責任感が枷になっていると指摘し、「それに縛られてちゃベルトは負けないんですよ!」と厳しくも愛ある檄。これに対し、すずはこれを認めつつ負けを認めて号泣するも、「これからもどんどん変化してそのシングルのベルトを自分のものにしてやる!」と折れない闘志を見せた。

 そしてこの後、無観客試合でのトーナメントを制してIW19王者となった星ハム子が現れ、雪妃のICE×∞王座への挑戦を示唆。8月9日に予定されている横浜文化体育館大会のメインに立つため、雪妃は改めて防衛への覚悟を叫んだ。

 バックステージに戻った雪妃はすずの実力と成長を認めつつ、「グラン・マエストロ・デ・テキーラが決まっていたらマジで危なかった」と接戦であったことを明かし、「もっと変わっていく自分を楽しめるようになったら、また成敗しに来て欲しい。近い将来になるかも知れないですね」とすずの今後に期待を寄せた。

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