ターザン後藤の直系レスラーが“インディープロレス統一”を掲げた新団体『TTT』の旗揚げに成功!会場使用料であわや解散の危機もギリギリで回避!
25日、東京都・新木場1stRINGにて『TTTプロレスリング旗揚げ戦 SCRAMBLE!新しい伝説をつくれ!』が開催された。
ガッツ石島はターザン後藤に薫陶を受け、ミスター雁之助を師に持つ黎明期インディープロレスの後継者的存在であり、TTT(TOTAL TRIUMPH TEAM)とは旗揚げから13年4ヶ月続けたガッツワールドプロレスリングを解散した後にHEAT-UPに合流して別ブランドであるGOING-UPを13ヶ月運営した後に再独立し “インディープロレス統一”を掲げて組織したユニット“真GUTS軍”を団体化したもの。
昨年12月にガッツが自身のデビュー15周年記念大会で新団体旗揚げと、TTTの団体名および中央に稲妻マークが入ったロゴを発表すると、インディープロレスの歴史をよく知る観客からは悲鳴とともに団体旗揚げ自体の成否を危惧する声が上がっていたがこの日は無事に旗揚げに成功。
ガッツは「レスラーの待遇・環境」を最重要視し、これを整備することで全国から良い選手が集まってくることが“インディー統一”であると語っている。その理想の通り、今大会では北海道(北都プロレス)から沖縄(琉球ドラゴンプロレスリング)までの各インディー団体に声がかかり、今回はその他に大阪、名古屋、鳥取から選手が参戦。今後も全国のインディー団体から参戦選手を募っていくという。
旗揚げ戦はガッツ石島&マスクドミステリーvsTORU&佐山駿介という所属4人によるタッグマッチで始まり、それぞれが持ち味を生かした攻防を見せ大会を盛り上げる。
そして、メインイベントではガッツから「まだ無色透明なTTTを2人の闘いで『これがTTTだ』という色を見せて欲しい」という期待を受けたTORUと佐山がシングルマッチで対戦。2018年ではTORUが、2019年では佐山が最も多くの団体に参戦したレスラーと言われているが、両者が対角線に立つのはこれが初めてのことであるという。
TORUはレスリングをバックボーンに持ち、佐山はパンクラス道場出身と確かな実力を持つ二人の試合は、佐山が強烈なキックで攻め立てるのに対しTORUは非情な足攻めで対抗し、佐山が痛む足で放ったPKをキャッチしてのドラゴンスクリューで佐山が立ち上がれなくなるほどの大ダメージを負い、TORUが足4の字固めに入り試合は決定的になるかと思われた。
しかし佐山は下からTORUの腕を取って起死回生の腕ひしぎ十字固め。絶対に離すまいという執念の腕十字でTORUは右手の力を失い試合は一瞬にしてイーブンに。佐山はハイキックや右ストレートを叩き込み、反撃を狙うTORUをキドクラッチで抑え込むなど試合を決めにかかるが、TORUが投げっぱなしのドラゴンスープレックス。さらにシャイニングウィザード、垂直落下式ブレーンバスターと最後のラッシュをかけて試合を決めた。
試合後、TORUは「入団を発表してから2ヶ月弱、俺も佐山も業界の人・ファンの人から『なんでTTTなんか選んだの?訳のわからない団体じゃなくてもっといいとこあったでしょ?』って死ぬほど言われてきましたよ。でもね、佐山がどう思ってるか知らんけど、俺から言わせれば……うるせぇんじゃボケ!プロレス人生、いや、人間・松永透としての人生、一回しか無いんですよ。何を決めようが俺の勝手でしょう。そして、決めたからにはこのTTTを俺たちで一番にしようぜ!俺たちはどっかの団体に所属して組まれたカードをただこなすだけのレスラーになりたくないからこの団体を選んだんや。そうだろ佐山!今日は最高に楽しかった。次は、後楽園ホールでシングルやろう」とガッチリと握手。
佐山もTTTに入団を決めた決意を語り、「TORUさんと団体を引っ張ってTTTの名をこの業界に広めてみせますよ!だから期待して見ててください!」と魂の叫びを上げた。
そして、ガッツが次回大会となる2月25日の新木場大会で「連絡してみたらなんか話が決まっちゃった」とTORUと#STRONGHEARTSのCIMAの対戦を発表。初対戦だというTORUは「ホントに子供の頃からずっと一線でやってたスーパースターなんで、気後れせずにTORUのプロレスでCIMAさんに立ち向かいたいと思います。その日は誕生日なんで、最高の誕生日プレゼントを自分自身に贈りたいと思います」と自身の29歳の誕生日での勝利を誓った。
旗揚げを無事に終えたガッツはバックステージで「『旗揚げできない旗揚げできない』とか『旗揚げできない方が美味しい』とかみんなに言われてたけど、ホントに今日は旗揚げできて良かった!」と心底安堵した様子で叫ぶが、この時点で会場の完全撤収時間まであと10分を切っていることを知らされ、TORUに「(会場使用の)延長料金のせいで旗揚げ戦で終わってしまうかもしれない!」と急き立てられながら慌てて帰っていくなど“インディーらしさ”をしっかりと見せつけた。