三冠王者・宮原健斗が天龍源一郎以来の三冠王者によるCC制覇を18年ぶりに達成!「令和のエースは俺だろう」
29日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『2019 Champion Carnival[優勝決定戦]』が行われた。
全日本プロレスで春の風物詩として行われるチャンピオン・カーニバル(以下:CC)は、シングル最強の選手を決めるリーグ戦。他団体やフリーの選手、外国人選手も多数参戦するこの大会は新年度のシングル戦線を占う重要なシリーズとして位置付けられ、今年は過去6年間で最多の18選手が参戦していた。
Aブロック覇者の三冠王者・宮原健斗とBブロック覇者のジェイク・リーは両者ともに平成生まれ。平成最後のCCの決勝戦は、平成という時代が生んだ両雄の対決となった。
じっくりとしたレスリングから始まったこの試合は、ジェイクがミドルキック連打から必殺技のジャイアントキリングを叩き込んだことで瞬間沸騰。
宮原はヘッドバッド連打でジェイクを怯ませるとエプロンに出たジェイクをリングの下から奈落式ジャーマンで叩きつけ、ジェイクがリングに戻るとぶっこ抜きジャーマンからのブラックアウト。続けて必殺のシャットダウン・スープレックスを狙う宮原だったが、ジェイクはニーバッドを速射しドクターボムからジャイアントキリングからバックドロップ。
これを宮原に返されるとジェイクはもう一発ブラックアウトを放つが、宮原はブラックアウトでカウンターし、抵抗するジェイクを力づくでシャットダウン・スープレックス・ホールドで叩きつけカウント3を奪った。
2001年に天龍源一郎が達成した三冠王者によるCC制覇を18年ぶりに成し遂げた宮原は「全日本プロレスの歴史を動かしたぞ!そして今日、新たな出会いがあった。ジェイク・リー、お前は俺のライバルだ」とジェイクを讃えた。
そして、「令和のプロレス界のエースは俺だろう。2019CC覇者、そして三冠ヘビー級チャンピオンとして、全日本プロレス、5月からさらに、令和のエースが上にあがって行く!」と新時代の飛躍を宣言し、最後は恒例となっている「全日本プロレス、最高ッ!」のコールを観客とともに叫んだ。
バックステージに戻った宮原は、「あまり満足したこと無いんだけどね、今まで生きてきて。今日ちょっと満足した。歴史を動かすのが今日の最大の目標だったから。それを果たすことが出来た俺を今日は褒めてあげたいと思います。常に先を見てる俺だけど、今日だけは、今日の余韻に浸らせてもらおうと思う。それくらいの快挙だから」と激戦が続いたCCを振り返り、「ジェイク・リー。やっと出会った。ライバルに出会った。CC制覇と同じくらい大きい。今日が始まりだ」と今後の戦いへの覚悟を語った。
そして最後は、「この歴史を動かした男、背負ってるものは大きいぞ。“プロレスの神様”という言葉を俺はよく使うけど、なぜプロレスの神様と言うのかと言ったら、俺は“エース”だ。エースというものは、他のレスラーとプロレスの価値観について理解することは出来ない。一緒に共感することは出来ないのがエースなんだ。自分で道標を作っていくのがエースだからね。だから俺はプロレスの神様とのみ会話をして、今まで答えを探してきた。そしてそれを、ファンの皆さまが後押ししてくれて今があるんでね。そのファンの皆様に俺はもっと最高の景色を見せることになるしね。俺を見てれば自ずとその景色は見ざるを得ない状況になるんで。皆さんもこの2019CC覇者、歴史を変えた男、そして令和のエースから目を離さないでください」と熱い想いを語り、平成が生んだエースは令和の時代に向けて歩き出した。
例年はCCの覇者が三冠王者への挑戦権を得るというのが通例となっていたが、三冠王者の宮原が優勝を果たしたため次期挑戦者は現時点では不明。
今回のCCに於いて宮原が破れたのは石川修司、ゼウス、ギアニー・ヴァレッタの3名。これに対し、CCでゼウスに勝利し、この日の8人タッグマッチでヴァレッタから勝利した石川が「自分は三冠に挑戦する権利あると思ってるんで。俺に5月20日、令和一発目の後楽園、俺に行かせてほしい」と挑戦を熱望しており、今後の動向にも注目したい。