全日本プロレスがDRAGON GATEに土下座外交も陰謀を巡らせベルトを死守?!

18日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『スーパーパワーシリーズ2025』が開催。宮原健斗&青柳優馬がDRAGON GATEからの刺客を相手に世界タッグ王座の2度目の防衛に成功した。
宮原と青柳は、大量離脱の余波が残り窮地が続いてきた全日本プロレスを立て直した救世主。2人の約10年に渡る奮戦なくして現在の満員続きの光景は見られなかったと言える。
しかし、全日本の新陳代謝は早い。ここ数年で続々と期待の新人・若手が急成長を見せていき、宮原&青柳は若くして世代交代を阻止するベテラン側の立ち位置になっていった。
世界タッグ王座は双子の元大相撲レスラー・斉藤ジュン&斉藤レイが不動の地位を築き、ジャンボ鶴田&谷津嘉章が持っていた最多防衛記録を約35年ぶりに更新するなど歴史に名を刻んだ。
デビュー4年にも満たない2人がこのまま新たな時代の旗手となっていくのかと思われたが、今年3月にさらなる記録更新を阻止して王座を奪還したのは宮原&青柳。ビジネスタッグがまだまだ世代交代はさせないという意地を見せていた。
今回ビジネスタッグの2度目の防衛戦の相手となったのは、菊田円&KAI。
菊田はDRAGON GATEの次期エースの期待を集めるベビーフェイスであったが、今年のチャンピオン・カーニバル参戦中にヒールターン。DRAGON GATEで悪の限りを尽くす【Z-Brats】へと加入し、全日本マットでもラフファイトを見せるようになっていた。
青柳は闇落ち前の菊田にチャンピオン・カーニバル初戦で敗れていることもあり、菊田に世界タッグをかけてのリベンジを土下座で懇願。菊田は自身と同じくDRAGON GATEの至宝・ドリームゲート王座の戴冠歴もあり全日本の闘いを深く知る存在でもあるKAIをパートナーとして用意したが、青柳が下手に出たことをいいことに2人は世界タッグへの挑戦を拒否して挑発を重ねていく。
これに慌てた青柳はさらに土下座を重ねた上に、負けたら宮原が丸刈りになるという条件を本人の意志を無視して勝手に約束。この様子を全日本の公式YouTubeで自ら“土下座外交”と題した動画をアップするなど、ファンの間では物議が醸されていた。

入場時には、青柳がバリカンを持ち込んで宮原に向けてカチカチ鳴らす。宮原もこれでペースを乱されたのか、序盤から青柳にフロント・ハイキックを誤爆した上にKAIのインサイドワークに翻弄されて場外戦で痛めつけられたり、菊田にパラダイスロックで固められて恥辱を与えられたり、その状態で青柳からドロップキックを尻へ誤爆されたりと散々な目にあう。
青柳も挽回すべく奮戦し、菊田の前でジャンピング土下座で意表を突いてからのヘッドシザース・ホイップなどのトリッキーな動きでリングを支配。KAIがイス攻撃で強引に流れを断ち切って菊田とともにパワーファイトで攻め込んでいくも、青柳がKAIをイスにセットしたうえで宮原のフロント・ハイキック+青柳のトラースキックの合体攻撃がついに成功。最後は宮原がKAIをシャットダウン・スープレックス・ホールドで叩きつけて試合を決めた。

理不尽な思いさせられ続けてフラストレーションが溜まっていたのか、宮原はバリカンをカチカチ鳴らしながらKAIの髪を刈ろうとする。KAIが命乞いをすると宮原は土下座を要求する“ミヤハラ”を行うも、KAIは土下座するフリからの急所打ち。宮原はとことん酷い目にあい続けた。
その後は、現在の全日本マットで“明るく楽しく激しい”をすべて持ち合わせて人気を博す【北斗軍】の大森北斗&タロースが登場しビジネスタッグに挑戦表明。両組の世界タッグ戦は7月17日の後楽園ホール大会で行われる。

そんなやり取りがリング上で行われているさなか、バックステージに戻った菊田&KAIは怒り心頭。
KAIは「おいおいおいおい全日本プロレス!ふざけんじゃねーよ俺ら今日何連戦目だと思ってんだコノヤロー。俺らよ、京都で始まって、博多2試合して、佐世保でやって鹿児島でやって、今日来てんの。無茶苦茶な日程組んでんじゃねーよ!これ全日本プロレスの陰謀で俺ら負けたな。ふざっけんじゃねーぞコノヤロー。全てはお前らのスケジュール管理の無さのせいだ。俺らあんな奴らに負けたと思ってねーよ。俺らはよ、昨日までの疲れで負けたんだ。ふざけんじゃねーよコノヤローオイ。全日本プロレス、俺らは一生恨むからな。このままで終わると思うなよ!」と怒りを大爆発。菊田も「一生恨むよ」とボソリと呟いた。
現在、全日本プロレスとDRAGON GATEは積極的に交流する関係にある。
DRAGON GATEの他花師(旧名:吉田隆司)は全日本プロレスTV認定6人タッグ王座&GAORA TV王座の二冠王に君臨しており、DRAGON GATE年間最大のビッグマッチである神戸ワールド記念ホール大会でGAORA TV王座の防衛戦を行うことがほぼ決定。PWFが認定する王座戦がDRAGON GATEマットで行われることになる。
全日本勢がDRAGON GATEへ上陸していく展開もあり得るのか、はたまたZ-Bratsの面々が本格的に全日本マットへ侵攻を始めるのか。今後の両団体の動きにも注目したい。