【会見全文】大晦日格闘技『RIZIN.14』は初の年越しイベント!“RIZIN王座”創設で世界進出を宣言!

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 29日、東京都・恵比寿にて12月31日にさいたまスーパーアリーナで行われる『RIZIN.14』についての記者会見が行われた。


 まずは、RIZINで女子初のタイトルマッチとなるRIZIN女子スーパーアトム級の初代王座を争う浅倉カンナと浜崎朱加が登場し、調印式行った。

 続けて、RIZIN初参戦となる大尊信光、佐々木憂流迦が登場。さらに宮田和幸、元谷友貴、矢地祐介、RENAの計6名が合流した後、榊原信行RIZIN実行委員長より挨拶。

榊原「11月の最終週となってですね、ファンの皆さんからも『カードの発表がおせーよ』と色々お叱りを受けながら。天心vsメイウェザー、世紀の一戦ということで、平成最後の立ち技による異種格闘技戦を発表させていただいた後、全体の作業が少し遅れておりましたが、今日、こうして一か月強を前に。天心メイウェザーも皆さんに注目してほしいですけど、RIZINとして3年間積み上げてきた選手たちの生き様を見ていただけるカードを自信を持って発表させていただきたいと思います。対戦カードの発表の前にいくつかここまで決まってきたことを私からお伝えさせていただきたいと思います。 
 まずこの大晦日、平成最後ということで、格闘技界だけじゃなくて一つの時代が変わる節目になりますが、その最後のトリとして我々が格闘技としてサブタイトルで『ザ・ラストオブ・平成 軌跡』これをRIZIN14のサブタイトルとしてつけさせていただいて、ここから一か月強走っていきたいと思います。そして、RIZINが2015年にスタートしてはや三年、大晦日は4回目になるんですけど、これまで22時位ですかね、大会終わって年越しを帰りの電車とか車の中で。『せっかくなんで皆で年越してーよ』と言う声を頂いておりましたので、一つの節目をみんなで迎えようということで、今年はカウントダウンをさせていただきます。平成の時代が終わる、一つの年号が切り替わるその瞬間を皆で体感したいと思いますので、今年は大晦日を超えてニューイヤーを皆で過ごせるようにイベントにしたいとそう思っております。
 大変ありがたいことなんですけど、チケットは既にソールドアウト、完売状態で、中々チケットが手に入らないと聞いておりますが、このあと一部演出席の変更などを取り決めをしまして、フジテレビさんとも中継のスペースとかを調整させていただいて追加席の発売をいたします。まずファンクラブの方々に先行でチケットの抽選先行予約を12月3日から12月5日にさせていただきます。今RIZINのファンクラブに入ってもまだ間に合いますので。大量に追加席ができたわけでは無いんですけど、歴史的な格闘技いイベントをライブで行きたいという人のラストチャンスになると思いますので、チケットの購入の機会をお見逃し無くいただけたらと思います。
 そして例年は格闘技EXPOとして12月の29日、30日、31日と、大会は30日、31日と2日間開催していて、3日間格闘技EXPOと銘打ってアマチュアの選手たちの試合だとか、格闘技関連の色んな展示会をやらせていただいておりましたが、今年は30日、31日の両日、格闘技EXPO、今年も開催します。アマチュアのキックボクシングの大会もありますし、柔術の大会もありますし、レフリーの講習会だとか、日頃見るだけじゃなくて日頃アマチュアとして鍛錬を積んでいるアマチュアの選手たちもプロの選手達ともにさいたまスーパーアリーナで競技者として共に過ごしてもらいたいと思います。もちろん色んな飲食ブースが出たりとか、ラウンドガールたちの撮影会なども行いますので、こちらの格闘技EXPOの方も楽しみにしていただけたらと思います」

 続いて、高田延彦統括本部長より11試合のカードが発表された。


高田「私の唯一の大きな仕事 非常に喉の調子がいいので地声で!(笑)既にカード発表しているものも含めて改めて発表させていただきます。待ちに待った、実行委員長からもありましたが、結構多いんですよ。これだけまだゆとりがある中でも、今現状ではメイウェザーと天心戦で券売も含めてソールドアウトという状況が生まれています。一見そのカードに特化して皆集まってくるのかと思いきや、そんな甘いもんじゃなくて、長い間RIZINを応援してくださったファンの中には『このワンマッチで我々は満足しないよ』と。私はアンダーカードって言い方好きじゃなんです。今発表している世界が注目する天心、メイウェザー。この他のカードに相当ファンの方は注目しています。だからこそ、あのカードに負けないようなMMAの、それも世界に発信できるような非常に引きの強いラインナップを総力を挙げてマッチメイクを整えました」

榊原「まず今回発表した中で一番のトピックスとしては、RIZINとしてベルト、階級を分けてのベルトを初めて今回制定することを決めました。ここまでグランプリというフェデレーションという形式でやってきましたけども、改めて、今回三年間経った中で全階級が選手たち含めて色んなことが磨き上げてこれたわけではないんですけど、きちんとしたベルトを設定して、その中でベルトを巡る戦いをRIZINシリーズの中で進めていきたいと思っています。普通のプロモーション、団体の中で契約した選手の中での順位決定戦、UFC筆頭にすべてがそうだと思うんですね。RIZINってのはフェデレーションですので、あらゆる世界中のプロモーションの中の世界中のチャンピオンクラスの選手にRIZINのベルトを賭けて戦ってもらう。今回それを具現化した形でベラトールの現役の王者をですね。これは本当にスコット・コーカーはじめ、ベラトールに心から感謝したいと思いますけども、我々の意志・意図、そして総合格闘技界、MMAのさらなる進化を考えて、自分たちのプロモーションの契約で縛るのではなくて、積極的に合流しようと。
 現役王者がRIZINのベルトを賭けて堀口恭司と戦って、万が一負けたときに当然ベラトールの中では物議を醸すわけですよね。ただもうそんなちっちゃなことを言っている時代でもないし、積極的に合流しようということで、これは2015年にスタートする頃からスコットと話をしてきたことなんですけも、今回現役王者が初めて外の、RIZINという舞台に出てきてRIZINのベルトを巡ってタイトルマッチに挑んでもらう。我々としてはRIZINを主戦場にして、去年のRIZINでのグランプリの王者の堀口恭司が迎え撃つと。当然、堀口恭司が負けたときにはRIZINのベルトは流出すると言うか、ベラトールのダリオン選手が持ってベラトールに帰ります。それはもう、しばらく取り返せないわけですね。ダリオンはまた然るべきタイミングでRIZINの舞台に来て、RIZINのタイトルマッチを。堀口は勝っても負けてもということでスコットと話してますけど、割と早いタイミングでベラトールに参戦します。ダリオンともう一回リマッチをするのか、そのときにベラトールのベルトを賭けて闘うのか、RIZINを主戦場にする選手たちに、僕らとしては新しい提案と言うか、RIZINの中だけじゃなくて海外で、それもアメリカという。格闘技のマーケットはアメリカにしかほぼ無いんですね。日本のマーケットも大きなマーケットですけど、格闘技、ボクシング、MMA、すべてアメリカがリードする市場ですから、そこで積極的に選手が闘う機会を、RIZINの中で結果を出してくれば得られるということにも繋がりますので、今回のベルトが一つ、色んな意味でフェデレーションとして、RIZINというプラットホームで各世界中のプロモーションのトップアスリートたちが合流する機会になると、そう思っています。日本人の選手たちにRIZINという舞台を一つの機会というか、ここでキャリアを積んでいくことで、積極的に本場アメリカ、当面ベラトールという舞台に出場する機会を得られますので、そこに挑んでほしいなと。そう思っています。
 浅倉カンナ選手と浜崎朱加選手の試合も、浜崎朱加選手は現状、インビクタの王者に輝いた実績も含め、浅倉選手はグランプリの女王。いずれにしてもタイトルホルダーたちがRIZINというフェデレーションのベルトを巡って戦ってもらえるような立て付けを各階級でしていきたいと、そういう風に思っています。これが我々の新しいチャレンジの一つ、トピックスです。
 そしてもう一つ、今日発表させていただいた中で、ダロン・クルックシャンクvsダミアン・ブラウン、矢地祐介vsジョニー・ケース、大尊信光vsトフィック・ムサエフ。この3試合はライト級に特化した試合です。来年RIZINは、ライト級のグランプリを開催します。ライト級グランプリの出場権を賭けて、早速この大晦日からサバイバルマッチを繰り広げていきたいと思います。世界中のプロモーションのライト級のトップアスリートたちにRIZINのライト級グランプリに出場することを呼びかけたいと思いますし、日本人のライト級選手たちには奮起して欲しいなと。外国人選手だけのトーナメントって、日本で開催するのは僕ら主催者としても結構しんどいと思いますんで、矢地祐介以下、RIZINで既に活躍しているライト級の選手、世代としては川尻にしても北岡にしても五味にしてもチャンスはあると思うんですね。ただ、名前があるから、実績があるから出れるっていう安易なものにはしたくないんで、まずはファンの方の支持、実績、RIZINの戦績含めて、来年の夏以降の開催を考えておりますライト級グランプリに向けて猛烈にアピールしてもらいたいと思います。今日発表したカード以外にも後1つ2つ、ライト級グランプリのサバイバルマッチとしてマッチアップを考えていますので、これも決まり次第発表させていただこうと思います。
 今回、ベラトールのスコット・コーカーと本当にしっかり話をさせてもらって、多分MMA業界としてはかなりアカデミックなベラトールとRIZINの全面的なアライアンスを組んでの発表会見という意味合いもあって、同時にベラトールからも世界中に伝えてますけども、垣根を超えて、ファンが本当に誰が強いのかを見たいわけですから、出来ればUFCのバンタム級もいい選手揃ってるんでね、将来的にはUFCにも出てきてほしいし、世界で階級ごとに垣根を超えて、まずトッププロモーション同士が選手を送り合うという、こういう発表をさせていただけることを、心から感謝したいと思いますし、スコットからもコメントが届いていると思うんで読み上げていただけたらと思います」

スコット・コーカー(代読)
「私にとって過去に日本の格闘技業界で働けたことは素晴らしい経験だった。色々とあったが私は常に“日出づる国”の格闘技業界が再び立ち上がると信じていた。榊原さんがRIZINの3年間でしてきたことは、賞賛に値することだと思う。今回私のチャンピオンを出して欲しいと言うオファーがあった時、ダリオンと相談して快く話に乗らせてもらった。大晦日大会にベラトールのチャンピオンを出すことでRIZINをサポートしてきたいと思うし、これをきっかけに来年はもっと色々と協力していきたいと思っている。ダリオンには是非ともこの試合に勝って、自分が135ポンド世界最強だということを証明してもらいたい」

 続いて、会見に出席した選手と、その対戦相手のコメントが発表された。

▼RIZIN MMAルール  5分3R(70.0kg)
大尊伸光(総合格闘技津田沼道場)
vs
トフィック・ムサエフ(ORION FIGHT CLUB)

トフィック・ムサエフ(代読)
「日本は素晴らしい歴史と文化と人間を備えた国だ。そんな国で一番の RIZIN で試合が出来ることは、全ての格闘家にとって夢のような機会だと思う。ヒョードルやミルコが戦ったリングで試合ができることを心より光栄に思う。対戦相手の試合映像を見たが、なかなか良い選手だと思う。戦い方も似ているし、間違いなくお客さんの喜ぶ素晴らしい試合内容になるだろう」


大尊伸光
「はじめまして。修斗の大尊伸光です。僕も相手の動画を見たんですけど、中々恐ロシアって感じなんで(笑)でも僕のパンチもそれ以上にヤバいと思うんで。絶対殴り合いになると思うんで。名前なんでしたけ?ムサイさんには大晦日、僕のパンチで寝正月にして年越しさせてあげるんで、楽しみに日本に来てください」

▼RIZIN MMAルール: 5分3R(59.0kg) ※肘あり
佐々木憂流迦(フリー)
vs
マネル・ケイプ(AKA Thailand)

マネル・ケイプ(代読)
「ウルカの試合を見たが大したことはない。強い相手には全て負けている。そして俺は強い相手だ。俺は頭も良いし、俺のレベルには対応できないだろう。2ラウンドでKOしてやる。はっきり言ってRIZINでの今までの試合で一番楽な相手だ。RIZIN は俺に良い正月を迎えてもらいたいらしい。ありがたいことだ。RIZINは俺のホームであってウルカがビジターだってことを分からせてやる」


佐々木憂流迦
「憂流迦です。ここにいるRIZINファイターの皆様と、今までリングに上ったすべてのRIZINファイター、スタッフ、そして何よりお客さんが連れてきたメンツ、その中に飛び込めることは心から幸せに思います。メチャクチャ挑発してきてますけど、マネルはホントに強いファイターなんで、チームで作戦を練って、しっかり2018年大晦日、いい勝ち方をして来年もいい形で始まりたいと思っています。試合で証明していきます。自分の実力は。楽しみにしていてください」

▼宮田和幸引退試合&山本“KID”徳郁メモリアルマッチ RIZIN MMAルール 5分3R(65.0kg)※肘あり
宮田和幸(BRAVE)
vs
山本アーセン(KRAZY BEE/SPIKE22)

山本アーセン(代読)
「どうもお久しぶりです、山本アーセンです。今回、宮田選手の引退試合の対戦相手に自分を選んでいただいて、本当に光栄に思っています。やっぱり、宮田選手は大先輩なので、胸を借りるつもりで勝ちに行きますので宜しくお願い致します。押忍!」


宮田和幸
「KIDとは試合したり、中学の時から戦友というか、試合やってきて、今回引退試合で縁があるのかなと思っています。自分も弱くなったから引退するとか、体力の限界とか、そういうことではなくて、うちの選手、BRAVEジムの若手も育ってきてて、 今の所現役も含め5人チャンピオンになっているので、彼らのサポートをしたいと思います。大晦日、いい試合します」

▼RIZIN MMAルール  5分3R(59.0kg) ※肘あり
元谷友貴(フリー)
vs
ジャスティン・スコッギンス(REVOLUTION MIXED MARTIAL ARTS)

ジャスティン・スコッギンス (代読)
「日本の文化は武道と常に深く関わっている。俺の“アメリカン空手”スタイルを日本のファンに披露できることを心待ちにしている。間違いなくみんなに喜んでもらえるファイトスタイルだと思っている。世界中の強豪を迎え撃つ挑戦もしたいし、色々なルールにも挑戦したい。RIZINはそれができる世界最高峰の舞台だと思っている」


元谷友貴
「相手は元UFCファイターで強い相手ですが、しっかりフィニッシュしていい年にしたいと思います。頑張ります」

▼RIZIN MMAルール 5分3R(70.0kg)
矢地祐介(KRAZY BEE)
vs
ジョニー・ケース(MMA LAB)

ジョニー・ケース(代読)
「再び日本で試合ができる機会をもらえて非常に嬉しい。PRIDEの生まれた国で、僕をこの世界に導いてくれた国でもある。世界一のファンと文化を持ったMMAの聖地だ。矢地はワールドクラスのファイターで、どんな状況でも常に危険な選手だ。彼は地元でたくさんの声援があるだろうが、試合が終わったらその声援は僕に向けられることになるだろう」


矢地祐介
「前回ちょっと8月大会で派手に負けて、しっかり今回大晦日は勝って、良い再スタートを切りたいなっていうのと、相手のジョニー・ケース選手っていうのはUFCファイターでそれなりに実績も残してて、世界の標準選手というか世界を知れる対戦相手なのかなと思うので、来年ライト級グランプリが開催されるということも含めて、今回勝って、来年グランプリ出場して世界の強豪たちと戦っていきたいなと思います。やっぱ大晦日は日本で一番大きな格闘技の祭典なんで、お祭り男らしく、平成最後の大祭りって感じで、楽しい皆が笑顔になる試合をしたいと思います」

▼スペシャルワンマッチ RIZIN 女子MMA ルール 5分3R(49.0kg)]
RENA(シーザージム)
vs
サマンサ・ジャン=フランソワ(SAUSSET FIGHT TEAM)

サマンサ・ジャン=フランソワ(代読)
「私の格闘技人生の基盤を作ってくれた PRIDEの後継イベントであるRIZINの大晦日大会で試合ができる事を非常に嬉しく思います。RENAは非常に有名で強いチャンピオンなので、私にとってとても良いチャレンジになると思います。何が何でも勝ちに行く試合をします」


RENA
「ずっと、2015年から始まり、今回が4回目の大晦日になります。もうすごく濃厚な4回目の大晦日。もうずっとチャレンジャーなのに、挑戦の身なのに、たくさん期待していただき、ポスターも真ん中にしていただいたり、色んな方に応援していただきました。ですが、みなさんが期待するRENAに私はどこまで近づいていけるのか。追いつきたい、追い越せない。何なら遠のいて行っているんじゃないかと、色んな思いがありました。ですが、7月大会でホッとした自分がいて、少しお休みの期間をいただきました。そして考えた結果、平成最後ということもあり、『大晦日私がいないのは違うだろう』という気持ちもあり、この度リングに戻ることを決意いたしました。もっともっと強くなって、みなさんの期待を上回るような選手になりますので、これからも応援よろしくお願いします!」

▼RIZIN女子スーパーアトム級タイトルマッチ RIZIN 女子MMA ルール 5分3R(49.0kg) ※肘あり
浅倉カンナ(パラエストラ松戸)
vs
浜崎朱加(AACC)


浜崎朱加
「平成最後の大晦日というすごく最高の舞台でベルトを賭けて戦えることを本当に嬉しく思っています。浅倉選手はトーナメント優勝して強い選手だと思っています。若いし、まだ伸び盛りだと思っていますが、まだまだ追いつかせないぞという気持ちも持っています。大晦日、一緒に盛り上げましょう!」

浅倉カンナ
「年末にRIZINのベルトを賭けて浜崎さんと試合できることを本当に嬉しく思います。去年も不利なんじゃないかと言われる中でベルトを巻くことが出来たので、そういうときこそ自分はいつも以上の力を出せると思っています。今年も勝ってしっかりベルトを巻きたいと思います。応援よろしくお願いします!」

▼RIZINバンタム級タイトルマッチ RIZIN MMAルール 5分3R(61.0kg)
堀口恭司(アメリカン・トップチーム)
vs
ダリオン・コールドウェル(ALLIANCE MMA)

ダリオン・コールドウェル(代読)
「俺は自分が世界一のバンタム級選手だと信じている。ベラトールを代表して、それを日本で証明できる機会を与えられて非常に光栄だ。俺はベラトールで相手がいない。国外に出てRIZINのタイトルも獲得してやる。スコットのいるベラトールを主戦場にしてから、俺は世界最強への道を目指して歩んでいる。この試合はその過程だ。堀口よ、ウルフが来るぜ!」

堀口恭司(代読)
「2017年の4月にRIZINに初参戦し、はや1年半。今回、RIZIN初のタイトルマッチに選
定されたことを、誇りに思います。対戦相手のコールドウェル選手はベラトールのチャンピオンですが、今から拳を交えることにワクワクしています。日本の格闘技を盛り上げるためにも、僕が初代王者にならなくてはダメだと思っています。最高の試合を見せて、最高の大晦日にしますので、みなさん期待していてください」

 続いて、高田延彦統括本部長が見どころを語った。

高田「まず皆さんの後ろ側にいる、全国のファン、あるいは世界中のRIZINファン、格闘技ファン、MMAファンの方々に対して、丸三年、年末のイベントはこれで4回目です。石の上にも三年と言いますけど、平成最後の集大成の大晦日のイベントで、今も言いましたようにファンの絶大なるバックアップ、そして素晴らしいファイターの頑張り、我々イベンターは全身全霊ファンのことを思い、そしてファイターが気持ちよくベストパフォーマンスを出せるような環境を作るべく日夜、この三年間頑張ってきました。その証がこの2018年、平成最後の大晦日のイベント。これだけ素晴らしい、生命線のラインナップですから、カードは。これが揃ったということにすべての方、そして格闘技の神様にここで感謝の思いを祈り、伝えたいと思います。
 スタート当初は実行委員長、それから中枢の方々の話の中で、RIZINのコンセプトとしてはフェデレーションである以上、『フェデレーションからはチャンピオンを輩出しない』と。ある意味中立的な立場のリングとして、世界各国のチャンピオン、或いはそれに準ずる力を持った人たちを集めてグランプリ、トーナメントを開催して、その中で各階級のナンバーワンを決めていこうというのが当初のメインコンセプトだったんですね。
 これが1年経ち、2年経ち、3年経ち、世界の潮流を眺めながら、そしてRIZINの中を見てみても、堀口恭司、浜崎朱加、浅倉カンナ、RENAの活躍、その他若い選手の台頭。これを見ていると、明らかに世界水準。ここにチャンピオンもいらっしゃいますけど、ここでやっぱりベルトが無いっていうのはちょっと寂しいなと。
 寂しいなっていうのは情緒的なものはなくて、やっぱりシンボルじゃないですか!UFCもそうです。ボクシング然り、キックボクシングもそうです。選手にとってはベルトってのは大きなモチベーションになりますよね。今現在私が強いという勲章でもあるし、これは非常に大きなことです。そして、ファンから見ても非常にわかりやすい象徴でもあるんですね。
 毎年毎年同じ階級でグランプリを開催するってことは、不可能です。となると、その階級で一番強い選手は、グランプリを勝ち抜いてナンバーワンになった選手と、或いは国外のベルトを持ったチャンピオン、そしてそれに準ずる力を持ったファイターとの防衛戦、あるいはダブルタイトルマッチ。こういう方向に一つ選択肢として方向転換するというのも、選択肢としてアリなのではないかと。
 先程実行委員長も、ライト級戦線って言いましたよね?ライト級のグランプリを開幕して、そこからナンバーワンを決める。ひょっとするとライト級の世界チャンピオン、RIZIN世界チャンピオンが生まれると。各階級のRIZINの世界チャンピオンが自然の流れで、それなりの世界に通用する選手が集結することによって、そういう空気・状況が生まれてくるということになってると思うんです。立ち上げた2015年から、私はずっと言ってます。イベントは生き物ですから、凝り固まった頑固に真っ直ぐ、周りの情報を一切遮断して、アンテナを折りたたんで前に進んでいくというのはナンセンスです。ですから常に我々はアンテナを張り巡らせて世界の状況を見ながら、RIZINの中を見ながら、マイナーチェンジ、あるいはフルモデルチェンジをしながらですね、これからも一層、ファイターの力を借りて、そして多くのファンのご意見や叱咤激励を参考しながら新しい進化し続けるRIZINをこれからも作っていきたいと思っています。
 長くなりましたけど、先程も言いましたように、メイウェザーと天心のこのカードで今現状は、牽引してる、大晦日を引っ張っているという状況ではありますけど、先程も言いましたように、それじゃあファンは納得しません。こっから何を出すんだとなったときに、一つのジョーカーが今回二枚出たということは非常に大きいと思います。それは男女2人のRIZINの世界チャンピオンが誕生する機会を得たということです。これはどっちが勝っても誰もが認める素晴らしい結果になるというふうに皆さんに認めていただけるのではないかと思っています。
 そしてね、私の個人的な注目選手なんですけど、RENA選手!RENA選手はね、キャンディーズのように『普通の女の子に戻りたい』なんてことをおっしゃいましたけど……キャンディーズ分かんない?じゃあ、都はるみ!(笑)まあ、そういう時期ってあるんですよ、人間って。私は何回もありましたから。RENA選手がここに帰ってきてくれる。よほど内面で葛藤あったと思いますよ。まだ半年しか経ってないのに、大晦日に帰ってきたその目の前で、2連敗した浅倉カンナが世界チャンピオンに挑戦する。それを見て、帰ってきたRENA選手が何を感じ、何を思い、気合が入っていくのか、入りづらい状況が続くのか。僕もね、試合を通してRENA選手のモチベーションをしっかり見させていただきたいと思います。
 あと私、佐々木憂流迦。これが相当楽しみですね。ましてこの相手があの聞かん坊、マネル・ケイプなんですよ。これもタイトルマッチと匹敵するようなね、非常にアグレッシブで、恐らく期待を遥かに上回るような戦いになるんじゃないかと思ってます。
 そして宮田選手の“最後の初陣”ですよね。二度と引退試合はありませんから、敢えて“初陣”という表現を使わせていただきますが、どんな締めくくりを見せてくれるのか。私が心からリスペクトするファイターの一人です。本当に素晴らしい闘いと夢を今まで見せてくれた宮田選手が、最後に生きのいい山本アーセン相手にどんな闘いを見せてくれるのか。
 あとは大尊選手、期待してますし、元谷選手、強くなって帰ってきたね!元谷選手!元谷選手~?聞こえてる?」
元谷「あっ、はい!聞こえてます」
高田「次への抱負をですね、もうちょっと長めに聞かせていただきます。なぜかって言うと、シュートボクセ行ってガラっと変わったじゃないですか。あの後の試合もずいぶん、グラウンド系かと思ったけど、立ち技でずいぶんね、変化を見せてくれましたよね!こわ~い元谷選手を。もうちょっと、一言じゃなくて」
元谷「10ヶ月試合して無くて、その間にシュートボクセ行ってたくさん練習して、フジマール会長には気持ちの面とか色々教えてもらって。それで今年は去年よりもうちょっと真面目に練習してるんで、しっかり」
高田「去年より真面目に?」
元谷「更に自分に厳しく出来てるんで、結果もついてきてるんで、次もしっかりKO取って勝ちたいと思ってます」
高田「沢山の人が期待してますからね!あの堀口恭司とフルラウンド戦った男ですからね!最高のパフォーマンスを見せてください!」
元谷「はい。そうですね」
高田「最後に一言だけいいですか!矢地祐介!これだけの才能豊富な、まだまだこれから強くなる、進化する矢地祐介選手。人気も急上昇ですよ。ただ、五味隆典から勝利を奪ったあの日をピークにして欲しくない。これからもっともっとですね、RIZIN、あるいは世界の格闘技を支えていくような、引っ張っていくような、そんな才能を持ったファイターなんだから、もっともっと光り輝く矢地祐介を見せてもらいたいです。そのためには、スタンドで打撃で打ち合ってるときの、髪をかきあげるあの間がちょっとね、矢地選手にとってハンデになってないかなってみんな心配してるんですよ。パンチ打つと髪かきあげるから。あれは矢地選手、どうなんすか? 」
矢地「その点は色んな方にご指摘いただいてまして。ちょっと大晦日に向けてどうしようかなって考えてるところなんで、そこ含めて楽しみにしていただければと思います(笑)」
高田「もしかしたらヘアスタイル変えるかも知れないんだ」
矢地「変えるかも知れないし、またあの感じかもしれないし……まあ大晦日になれば分かる」
高田「なるほど!もしカットするときは私がバリカン持っていくから呼んでね!」
谷地「坊主はイヤなんすけど、オシャレに刈ってください(笑)」

――佐々木憂流迦選手、RIZINを新しい戦場に選んだ経緯
佐々木「世界中から闘いたいと言われている堀口恭司選手。僕もそのひとりで、彼とやりたいっていう気持ちはものすごく強くてここを選んだというのもあるんですけど、それよりもやっぱり試合で証明していって、それに足りうる選手であるってことをファンのみんなに納得してもらいたいって思ってます。やっぱり、RIZINは日本で盛り上がってるんで、すごい僕の中でも楽しみにしてここにいるので、年末ワクワクしながら練習したいと思います」

――今回は59kgですが、堀口選手とやるときには階級も61kgに上げていく?
佐々木「はい。今後は135でやるつもりです」

――拠点はアメリカのまま?
佐々木「ずっとアメリカで練習するつもりでいます」

――浅倉選手と浜崎選手、実際に決まってからの感想は
浅倉「浜崎さんがベルトを返上してRIZINに上がってきた時から『いずれ試合はするんだろうな』っていうのはずっとあったんですけど、中々心の準備は出来なくて。でもまあ、『いよいよ来たんだなぁ』という感じでした」
浜崎「私も同じ階級でRIZINでやらせてもらってて、トーナメント優勝した浅倉選手とはいつかやるのかなという気持ちはありました。私はいつでもやるつもりではいたんですけど、この大晦日という大きな舞台・タイミングでベルトを賭けて戦えることは本当に嬉しく思っています」

――RENA選手、女子のタイトルが出来たことについてのご感想と、両者と闘いたい気持ちは
RENA「悔しい気持ちがないというわけにはいかないけど、それは仕方ないのかなという気持ちも両方あって。ただ、単純に浜崎さんと浅倉選手、どっちが勝つのかなっていう気持ちはあるんですけど、勝負の世界は何が起こるか分からないので。でも9割は浜崎さんが勝つと私は思ってます。浜崎さんが獲った場合、この世界の中で浜崎朱加を倒せるのが私しか居ないと思っているので。練習で毎回、毎日、毎ラウンド、浜崎さんを追い込んでいけたらなと思います。私は今回リスタートという気持ちが強いので、2015年と同じ第1試合で試合をさせていただけたらなと思っています」

――浅倉選手、RENA選手の発言を受けて
浅倉「自分は挑戦する気持ちでがんばります」

――宮田選手、かつてレスリングで山本アーセン選手と一緒に練習したことは
宮田「世代が違いすぎて全然無いですね(笑)」

――KID選手の面影は感じるか
宮田「全然経験が違うと思うんで、そういう感じではないです」

――元谷選手、大尊選手、矢地選手、次の試合は決まっているが、今後誰と闘いたいか
元谷「そうですね。バンタム居ないですけど、佐々木憂流迦選手来てくれたんで。盛り上がると思うんで、どうですか?やりたいです」
大尊「クルックシャンクですね!なんか、ぶっ飛ばして髭剃りたいなって(笑)」
矢地「僕はぺーぺーなんで大きなことは言えないんですけど、やっぱりベラトールとかのランカーだったりとか、あっちで現在進行系で強い選手と拳を交えてみたいかなっていうのは気持ちとしてはあります」 

――8月のグスタボ選手はどうですか
矢地「あっちもリベンジはしたいですね、すぐにでも。やりたい気持ちはすごくあったんですけど、時が来れば交わることもあると思うんで、そのときにしっかり借りを返したいと思います」

――RENA選手、今回決まったサマンサ選手について
RENA「今回は対戦相手と言うより自分自身、年末から7月にかけて短期間で成長した部分は見せられたと思うので、今回もまたシュートボクサーながらMMAファイターとしてどれだけの成長を見せられるかっていうところを見ていただきたいと思います。倒せる打撃はもうあるので、一本取れるところもお見せしたいなと思います」

――佐々木、先程元谷選手から闘いたいという言葉が出ていました
佐々木「名前出していただけるのは光栄ですね。今回恭司くんがコールドウェルと闘うということで、ベラトールの選手ともやる機会があるかも知れないと思うと僕もスゴイわくわくしてますね。ベラトールにはいい選手がメチャクチャいるのでウキウキしますね」

<会見後囲み取材>


榊原信行RIZIN実行委員長
――初の年またぎになりますが、大会の時間は
「変わらないですね。13時開場、15時開始。年またぎになりますから、すごくロングランになると思いますね。最終試合はかなり遅い時間になると思いますね。まだ最終確定はしてないですけど」

――テレビでの放送時間は
「これもフジテレビさんからの発表を待っていただいてってことになると思うんですけど、例年と同じ方向ではあると思いますね。来月月初には発表になると思います」

――全何試合になりますか
「どうだろ。15~16は最低あるんじゃない?一日だけにした弊害が相当あってですね。例を見ないような試合数と企画になるんじゃないかなと」

――憂流迦選手はどういう経緯でRIZIN参戦が決まった?
「前から僕がすごく興味のある選手のひとりだったんですね。あまり選手に興味ないんですけど、憂流迦は魅せるというか、フォトジェニックな部分というかね。ビジュアル的なものも含めて、闘うスタイルも好きだったし、前からDEEPの会場だったりJEWELSの会場とかでもコミュニケーション取ってましたんで。当然UFCに在籍してるときからラブコールを送ってました。今回、前回のUFCに負けてすぐリリースってことだったんで、場所を変えることで憂流迦は再生するし、もっと光るし、是非おいでよって話をさせていただいて、向こうも『待ってました』って感じだったんで」

――試合順や試合間の空き時間など、生放送への時間対応などはこれから?
「今日もRENAが第1試合でとかっていうことも言ってたんでね、そういうのも含めて、15~16試合をテーマ無くラインナップするのってつらいと思うんですね。ライト級のグランプリに向けたサバイバルマッチみたいなテーマがあったり、当然その中でリベンジもあったり、引退試合もあったり、それぞれ色んなテーマがあると思うんですけど、それを皆さんに見やすく上手くラインナップして日本での放送局との生放送の調整があるんですけど、アメリカでもライブで放送しますから そういうことの兼ね合いで喧々諤々とやっているところなんで、もう少しお時間いただいて」

――メイウェザー選手と天心選手のルールについては
「まだこれから最終調整ですね。アメリカのどのフレームにはめられるかですよね。まあ第1試合とかそういうことは無いと思いますけど。イベント進行上で言うとね、そんなわけにもいかないんで。でも会場に来てくれる人ファーストでラインナップしようと思ってますよ。上に行くほどメインになっていく形にはしたいと思ってます。もう一週間くらい時間を頂いて、最終の対戦カードのラインナップと試合順、放送環境、周辺で年またぎのイベントをどうやってまとめていくか発表できたらなと」

――その後の海外反響
「相変わらずいいんじゃないですか。正式にメイウェザーがフェアウェアに戻ってきたっていうことも含めて、今日も向こうのワイドショー的なゴシップ的なチャンネルでも天心の映像が上がってましたし、那須川天心っていう選手への注目度がべらぼうに増してますね これがエキシビジョンマッチとかは別として3分3Rになるけど、メイウェザーが真剣勝負で闘うわけですから、それは去年コナー・マクレガーとの8月以来久々のリング。それはみんな見たい。それは海外のファンもそういう感じではありますね」

――天心選手をアメリカに連れて行くというプランについて
「11月の10日前のタイミングで、正確な日付はまだアレですけど、ヒトケタのところで天心がアメリカに行って、アメリカで会見なり公開練習、公開スパーリングっていうものを多分メイウェザーのジムでやることになると思います。日程は12月の6日、7日あたりになるのかなといったところです」

――昨日アップされた動画の「ノット・リアルファイト」という言葉が出たことについて
「兎に角中身を見てもらって。ノットリアルファイトっていうと、フェイクファイト、フィックスファイトなの?って話ですから。そんな試合を組むわけもないんで、いろいろな意味で楽しみにしててください。結果は大晦日に出ますし、少なからずKO決着になると僕は予想しています。なぜなら天心が3分間全速力で倒しに行くわけですから、パンチだけだとしてすべて避けきって3分3Rをムーブアラウンドして、一撃ももらわずにメイウェザーも逃げ切れはしないと思いますから。その中でメイウェザーのスイッチを押せれば、メイウェザーを本気モードにさせられれば、逆に天心がメイウェザーにノックアウトされることもあるでしょうし。まあ、みんなが好きな感じの試合になりますよ。異種格闘技、ボクシングの決められたオフィシャルな試合じゃなくて、変な試合になると思いますよ。異種格闘技戦独特の熱が付いた、臨場感のあるヒリヒリとした試合になると思いますから。色んな答えは31日に見ていただけたら結果は出る」

――ライト級グランプリは何名の選手が参戦するか
「16人くらい集めたいと思ってますね。ベラトールのスコット・コーカーとガッチリ組んで、出来ればベラトールのいい選手を送ってもらうし、ライト級のトップも出てきてもらう。こちらからもイリー・プロハースカでもRENAでもベラトールにチャレンジすることも出来るわけですよ。させていきたいと思いますし。その先にベラトール選抜vsRIZIN選抜の5vs5とかね。チャンピオンズカーニバルなのか、“RIZINvsベラトール”の全面対抗戦みたいなことが、来年の年末とかに向けて、2つのブランドが闘い合う。UFCに僕らがPRIDEの営業権を譲渡したときも、PRIDEとUFCという二大ブランドを磨いて、二年に一回か年に一回か、それをメガファイトとして、アメリカンフットボールで言うスーパーボウル的なものを、シーズンピークを作りたいんで、そういう話もしたんですけど、結果的にそれは叶わなかったんですよね。現役の王者がそのベルトを持ったまま他団体にベルトをかけるタイトルマッチに挑むという新たなチャレンジになりますので、化学反応が起きてですね、RIZINの舞台でKSWのバンタム級のチャンピオンと、ベラトールのバンタム級の王者が、RIZINのバンタム級の王座をかけて闘うとか、そんなふうにRIZINのベルトが昇華していったらいいなあと思いますね。ライト級グランプリもそういう意味では期待できる外国のプロモーションを代表する選手がリストアップできると思います」

――大尊選手の参戦は修斗の推薦?
「推薦っていうより、僕が本当に好きなんで、ああいうファイトスタイルが。RIZINはプロの舞台なんで、自分が何のために闘うかアピールできる、闘うことで何かを伝えたり、テンションが取れたりっていう力がないと、特に地上波のテレビの中で地味に競技を突き詰められても僕はそれに食指が伸びないですよ。僕と言うより、ファンもそうだと思うんですよね。僕らはファンの代弁者なので、ファンの見たいものが勝っても負けても出来る選手なんで、修斗の坂本さんとも話をしてサバイバルマッチにチャレンジさせようということになったんですね」

――ライト級グランプリは今までどおり純粋に階級最強を決めるだけなのか、初代王者決定トーナメントにするのか
「いや、グランプリはグランプリですよ。グランプリ当然最終的なところで言うと、一日2試合とかワンナイトで最低でも2マッチ闘うということで、階級別のタイトルはその一試合だけに準備して挑んでもらうと、そこは切り分けたほうが。PRIDEの時代も両方成立してたことなんで、それぞれの役割がRIZINというフェデレーションの中で機能していけばいいなあと」

――タイトルマッチにクォ5分3Rにしたのは世界標準に合わせた結果?
「5分5Rで、RIZINのジャッジの結果は全試合、ラウンド・バイ・ラウンドで取ってないんですよね。5Rのトータルでジャッジしてたんで、ジャッジする人って最後の後半のラウンドのイメージが強いんですよ。だから、前半の部分、後半の部分で、後半のスタミナが落ちてきた場面でのパフォーマンスとかの評価も必要だと思うけど、5Rやるんだったらラウンド・バイ・ラウンドでジャッジすべきだと僕は思いますね。3分3Rであれば、それをトータルで判断する公平なジャッジメントが働くと思うけど、そこは世界的には5分5Rが多いかも知れないけど、5分5Rだらだらやられるのもしんどいなという時代なんで。地上波向きでもないし。『5分3Rで決着付けてよ』っていう、そんな感じですね。いろんな団体の人がアジャストして出てきやすいラウンド数にしておくべきかなと。10分、5分というのはRIZINのアイデンティティではあるんですけど、当面は5分3Rでいいかなと。それを本部長ではないんですけど、世の中のファンの人の意見、マスコミ、選手の意向によってアジャストしていきます。まずは5分3Rでやらせていただくということで。随時、逐次状況によって変更ありということで」

――もし、RIZINのベルトがコールドウェル選手に流出したらアメリカに取り戻しに行くことはあり得る?
「あります。勝っても負けても堀口は早いタイミングでベラトールに来年の上期には出させたいと思ってますし、堀口だけが行くわけじゃなくて、矢地も結果出してね、例えばイリー・プロハースカがベラトールに上がってキング・モーとやるとかね、そういうこともあるだろうし、その逆もあるだろうし。ミルコにとってもそうだった。去年もロイ・ネルソンとやらせようと思ってたけど上手く行かなかった、怪我しちゃったけど、それの実現をなるべく早いタイミングでベラトールでするとか。とにかくホントに今の世の中、日本の格闘技の選手たちは、世界で戦うってのを勘違いしてるけど、世界=アメリカですから。格闘技の世界はね。アメリカで戦わない以上、『世界で戦った』とは言えないです。残念ながら。日本で戦ってる選手が世界で戦うのを目指すならアメリカしか無い。アメリカのマーケットに届かなったら、知名度も上がらないしギャラも上がらないですよ。堀口がベラトールで活躍してその先UFCに行くってことが来るならそれはそれでいいことだと思うし、同じようにアメリカで評価をされて天心がアメリカのボクシング界に殴り込む切っ掛けがメイウェザー戦であってもいいと思うし。そこを目指さない限りプロモーションにとっても未来はないし、マーケットがないわけですから。他の国々にはない、アメリカにはべらぼうに肥沃なマーケットがあるので、当然その分競争もライバルもいっぱいいますけど、それはプロモーターの立場も選手も。そこでナンバーワンになれるかどうか、存在感を示せるかどうかっていうチャレンジは選手とともにプロモーション、団体のトップとしてもしたいなあと思いますね」

――ONEのライト級グランプリとの競争になります
「でもいいんじゃないですか、比較するものがあって。ONEの人たちも頑張るだろうし、僕らも僕らなりのプロモーションの中で頑張って、切磋琢磨、競争があってマーケットは大きくなると常々思っているので、その方が僕もやりがいがありますから。負けないような大会になるように頑張ります」

――メイウェザーの来日スケジュールは
「クリスマス終わってからですよ。のんびり来るんじゃないですか。『エキシビジョンマッチだぁ~』と思って(笑)」

――那須川天心選手はアメリカで本格的にボクシングのトレーニングを本格的にやりたいという意向がありますが、大会後もアメリカに残ることは
「その可能性もあるんじゃないですか。そこは那須川とチームのTEPPEN GYMの中で決められてることだと思うんで、前からいってもアメリカで合宿張るのかとかいろいろ考えているということは聞いてます」

――サバイバルマッチに勝敗も重要だと思うが、内容重視?
「勝敗ももちろんですけど、来年スタートするグランプリにキャスティングする上で、このへんで負けてるようでは当然ダメだし、結果も中身も問われるという危機感を持って挑んでもらえる機会にしたいなと思います。結果は当然求めますね。今回矢地の相手のジョニー・ケースも本当にいい選手ですし、元谷の相手のUFCのフライ級からピックアップしてきた選手も、皆さん名前は初めて聞いたりね、知らないなあって選手だと思うけど、まあRIZINとしてどんなスタイルのMMAの格闘家にこだわっているのかっていうのは分かってもらえるようなピックアップ、セレクションだと思いますんで外国人選手にも興味を持ってもらえるといいなあと思います」

――UFCフライ級の余波としては憂流迦選手もそうですし、RIZIN的には成果アリと
「我々もそうだし、日本人の選手が闘いやすい階級ではあったし、日本人が世界に通用しやすい階級の一つでもあったんですけど、残念ながら海外ではフライ級っていう階級が認知度が低いと言うか、人気がないんですよ。単純にアメリカの中で。それはデメトリアス・ジョンソンっていうアメリカの選手が君臨したUFCに於いても、そこに見たいっていうアテンションがないんだもん。それなんだったら女子の選手の試合のほうがUFCの中でも見たい。人気のない階級の選手が切り捨てられたってだけですよね。ただ日本とかアジアに目を移せば、そこには逆に熱があるわけですから、僕らとしては憂流迦選手も含め、日本人でUFCで戦ってる選手の中で、すごくRIZINに来てほしいなって思う選手の一人が、気持ちよくRIZINに参戦してくれることになったんで、そういうことでは成果がありますね」

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