15周年を迎えた田村和宏が引退前の愛弟子に最後の熱血指導!世界を意識し“TAMURA”に改名!

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 18日、神奈川県・新百合トゥエンティワンホールにてHEAT-UP『田村和宏デビュー15周年記念大会』が行われた。

 田村和宏は、第2次UWF、UWFインターナショナル等で活躍した田村潔司が立ち上げた格闘技ジム・U-FILE CAMPにかつて所属し、同ジムが主催していたプロレス団体・STYLE-Eで頭角を現した選手であり、UWF直系の遺伝子を受け継いでいる。
 STYLE-Eの活動休止に伴い、2013年に自らのプロレス団体・プロレスリングHEAT-UPを旗揚げ。同団体はプロレスの興行だけでなく、神奈川県川崎市の地域密着団体として、障害者支援・福祉活動・警備活動・子供達への支援など社会貢献活動をプロレスを通じて行っている。

 そんな田村の15周年記念試合の相手は、近藤“ド根性”洋史。
 近藤は、HEAT-UPの生え抜き選手1号であり、創成期から今日に至るまでのHEAT-UPを作り上げてきた団体の屋台骨とも言える選手。28歳でプロレスラーデビューした遅咲きの苦労人であり、メニエール病という厚生労働省で難病指定されている耳の病気と戦いながら約5年間選手活動を続けてきた。
 しかし、近藤の病状は悪化の一途をたどり、何もしていないときに鼻血が出るようになるなどの症状に見舞われ、信条である全力ファイトが難しくなったことから「ちゃんとした形で自分の最期を決めたい」と今年6月に10月31日のとどろきアリーナ大会での引退を表明していた。

 この師弟のラストマッチとなる試合が始まると、二人はお互いが歩んできた歴史を確かめ合うようにリング中央でエルボーを打ち合う。永遠に続くかと思われた打ち合いで近藤が怯むと、田村はサッカーボールを連発し近藤の腕にミドルキックを集中、さらに腕十字と全力で勝ちを狙いに行くことで最後の熱血指導を行う。
 しかし、近藤もド根性で立ち上がり、ヒップアタック、場外ホームラン(投げっぱなしバックフリップ)、ド根性デスロック(サソリ固め)と、教わってきた技を一つ一つ田村に見舞い、初公開となるトペ・コンヒーロも見せ田村に成長した姿を示す。
 近藤はスピアーやフルネルソンバスターからのピョン吉スプラッシュと大技を畳み掛け吼えるが、これを真っ向から受け止めた田村は、滅多に見せない奥の手のムーンサルト・プレスで愛弟子を沈めた。
 
 試合後、田村は「自分を変えたい」と言って入門してきたという近藤へ、「はっきり言うよ、お前変わったよ。人として確実に、プロレス業界に入ってお前はでかくなった。それは俺が認めてやるから次の世界でも自信持って、そのド根性でやっていけよ」と激励。
 これに対し近藤は「言いたいことはたくさんあるけど、僕はプロレスが好きになりました。大好きです。HEAT-UPも大好きで……自分で決めた道なので後は振り返らないですけど、でもいつか他の道に行って、自分が成長してHEAT-UPに恩を返します!」と田村への感謝の気持ちを叫んだ。

 ここで田村は、「近藤が一歩先の道に進んだように、僕も一歩前に踏み出そうかと思います」と言い、唐突に改名を発表。世界進出を視野に入れ、国外のプロレスファンにも分かりやすいよう漢字ではなくアルファベット表記で“TAMURA”とリングネームを改めた。

 バックステージに戻った田村は、改名について「やっぱ一つ話題を提供しないとプロレス界で生きていけないと思うので、自分の名前を覚えてもらえるように“TAMURA”にしました。世界にはばたけ、TAMURA!世界に羽ばたこう、HEAT-UP!」と笑顔を見せた。
 観客席から戸惑いの声やざわめきが上がっていたことについて聞かれると、「僕の中では一大決心なんです。15年やってきた“田村和宏”という名前で覚えてもらった人もいると思うんでね、これからエゴサーチが大変になってくると思うんで、これから世界で“TAMURA”って名前がサーチされるようにやっていきたいと思います」と今後の抱負を語った。

 愛弟子・近藤との一戦については「最初のときは『ホントにプロレスか?』ってくらいどうしようもなくてしょうもなかったんですけど、自分がド根性という名前をつけてからアイツはすごく成長して変わったので、僕のプロレスの目的としては、誰かにいい影響を与えたいというのがあるんで、いなくなるのは寂しいですけど、近藤洋史という人間の人生に影響を与えられたかなと思っています」と語った。
 近藤は、「僕はホントにプロレスが、HEAT-UPが好きなので、引退はしますけどHEAT-UPの生え抜き1号として成長して帰ってきて何らかの形で恩返ししたいと思います。今日は強敵・田村和宏を倒せなかったですけど、これからもとにかく人生をド根性で駆け抜けたいと思います」と笑顔で語り、深々と頭を下げた。

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