HEAT-UPパワフルタッグトーナメント2017開幕!個性豊かな各チームの戦力を分析しつつ、2月18日王子大会カードの見所を解説!!
1週間後の2月18日(土)に東京・王子BASEMENT MON☆STAR大会より始まる『パワフルタッグトーナメント2017』。同大会に於いて1回戦&準決勝、3月30日(木)神奈川・新百合トゥエンティワンホール大会に於いて決勝戦が行われ、優勝したチームには新設される『HEAT-UPユニバーサルタッグ選手権』のベルトが進呈され、初代王者となる。
過去2回の結果は2015年→田村和宏&アミーゴ鈴木、2016年→田村和宏&藤田峰雄で、いずれも田村が栄冠を勝ち取っている。新百合ヶ丘大会でユニバーサル王座を防衛し、トーナメントでも優勝してベルト総取りを狙う田村。その思惑は果たせるのか。
今回はこれまでの出場チームとガラリと変わった顔ぶれ。そこで、各チームの戦力分析を行いつつ、カードが決定した王子大会の注目点を挙げていきたい。
▼第1試合 パワフルタッグトーナメント2017 1回戦①(20分1本勝負)
新井健一郎(DRAGON GATE)/ヒデ久保田(フリー)
vs
藤田峰雄(フリー)/LEONA(ドラディション)
(アラケン&ヒデ組データ)
新百合大会で田村和宏に宣戦布告したアラケン&ヒデ久保田&ヤス久保田の『田村和宏被害者の会』。ヒデはHEAT-UP旗揚げから間もない2013年7月に本名の久保田英裕のリングネームで登場、田村率いる正規軍の助っ人として参戦。抗争が激化した無宿との激闘、特にCHANGOと行った2014年4月26日王子でのハードコアマッチでは死力を尽くして勝利。ヤスは2014年8月の名古屋大会にて田村の助っ人として一度組んでいる。以来約2年半の沈黙を破り2016年11月、クボブラはHEAT-UPマットに復活、しかもパートナーはどちらも敵対していた新井健一郎。無宿無き後の最凶ヒールユニットが誕生してしまった。トーナメントにはアラケン&ヒデのチームでエントリー、両者共に様々なリングで戦績を残してきただけに最も完成されたチームだと言えよう。加えて田村に対する憎しみで繋がっているため、誤爆を誘って仲間割れを狙うという戦法も難しいと考えられる。
(峰雄&LEONA組データ)
藤田峰雄&LEONAというコンビは恐らく初めてだと思われる。昨年田村と組んで優勝した峰雄、HEAT-UPマットで自分が直接取られたのは新百合での田村ととどろきアリーナでの藤原喜明以外皆無という戦績は脅威。HEAT-UPのタイトル戦線にLEONAが絡むのはこれが初めてとなるが、こちらも負け知らず。特に昨年末田村を破りベルト挑戦をぶち上げた石田慎也からタッグながら直接フォールを奪っているという実績もある。良い意味でも悪い意味でも鍵となってくるのは峰雄のちんちん攻撃。中でもアラケンとの対戦は「チンコプロレス」という新境地を開いた一戦であると言えよう。
昨年後半アラケンと組んだ経験もあるLEONAだが、ヒール全開のアラケン&ヒデが相手となると若干分が悪いと感じる。ここはパートナーである峰雄のちんちん攻撃を敢えて利用し、バイプレーヤーに徹して峰雄の技に繋いで勝利を得る流れに持っていきたい所。第1試合からとんでもないカードが組まれた感じがする。
<選手コメント>
藤田「パートナーはドラゴンのムスコ。間違いなく、このチームが優勝候補でしょう。タッグベルトよりも価値のあるもの、それはドラゴンのムスコの秘宝! 優勝して必ず手中に収めます!」
LEONA「今回、ヒートアップのタッグトーナメントに藤田峰雄選手とエントリーする事になりました! 今までヒートアップのリングに上がらせて頂きましたが、今回は毎回一発勝負のタッグトーナメント。緊張感と期待感がとても昂ぶっています! 優勝チームにはベルトが与えられるという事で、未知数の藤田選手と協力して優勝とベルトを狙います! 応援よろしくお願いします!」
アラケン「HEAT-UP設立当初、田村和宏(笑)の横には、いっとき、およそ正規軍というポジションが不釣り合いな男がいてね。なんとか正規軍っぽさを出そうとして、キャラに合ってないショートスパッツなんて穿いたりして頑張ってたんだけど、正直浮いてたんだよ。だってそのレスラーは誰がどう見ても絶対に、田村和宏(笑)の反対側に立つべき、というか田村和宏(笑)を苛めてる姿が最高に似合うレスラーなんだから。だから当然、オレは狙ってたよ。そのレスラーをいつ、どのタイミングでHEAT-UP正規軍を裏切らせて、こちら側に引き込めば良いかをね。だけどどういうわけだかそのレスラーは、特になにもないままHEAT-UPのリングからフェードアウトしちゃってさ。まぁ小さい身体にコンプレックスのある田村和宏(笑)のことだから、自分よりも明らかに身長が高くてスタイルも良くて、おまけに色気もあるそのレスラーに嫉妬して、呼ばなくなったってことなんだろうよ。はぁ…身体が小さければ、器も小さいんだよねぇ、田村和宏(笑)って男はさ。
というわけで無宿解散後のオレは、虎視眈々とその意中のレスラーと合流するタイミングを謀っていたわけだが、ついにその時が来たってもんだ。なんせようやくHEAT-UPにも、タッグのベルトが出来るってんだからな。ではここであらためてオレの新パートナーを紹介するとともに、決意表明といこうではないか。HEAT-UP初代タッグ王座を余裕で奪うためにも、今の俺にはもうこの男しかいない!と、いうわけでオレの新パートナーは、ヒデ久保田だ!田ぁぁぁ村~っ(怒)!てめぇこの野郎!オレの意中のレスラーを、わざわざ名古屋から呼んどいて使い捨てにしやがって…。貴様のことは、絶対に許さんからな…。というわけで、ヒデちゃ~ん♪今後とも、よろしく~♪♪」
ヒデ「初代タッグチャンピオンを決めるトーナメントに寄せ集めのクソが集まってどうするんだ!俺とアラケンの『田村和宏被害者の会』は技も、試合運びも、佇まいも違うんだよ!わかる?恨みがある人間は強いの!笑」
▼第2試合 パワフルタッグトーナメント2017 1回戦②(20分1本勝負)
渡辺宏志/梅沢菊次郎(プロレスリング・アライヴ)
vs.
高梨将弘(DDT)/井土徹也
(渡辺&梅沢組データ)
昨年は佐々木貴との「IWA格闘志塾コンビ」で準決勝まで進出した渡辺宏志、今年は何度も対戦した事もありその力強さを十分知っているアライヴの梅沢菊次郎とエントリー。梅沢は昨年最終戦で飯塚優とのシングルでHEAT-UPマット初登場を果たしたが、蹴りにも全く動じないその肉体をまざまざと見せつけている。そして渡辺と同じく日本全国を渡り歩いたキャリアは海外にも知れ渡っており、ネパール無差別級のベルトを戴冠した経緯も持つ。軽量の対戦相手ならまとめてなぎ倒すダイナマイトタックルやアライヴのリングで近藤を圧殺したダイビング・セントーンが爆発すれば確実に勝利を手中に収められるだろう。これにエントリー中最大のキャリアを誇る渡辺のテクニックが加われば、ベルト戴冠も十分に考えられる。
(高梨&井土組データ)
HEAT-UPに長く関わり、時には味方として、時には混沌を巻き起こすDDTの高梨将弘、実はトーナメントには初のエントリー。パートナーには昨年10月31日にデビューした井土徹也が就くが、ここは井土の頑張りが全て。ヘビー級の相手も苦労するほどのインサイドワークを誇る高梨、新人の井土を上手くリードして相手を分断し、一瞬で相手を手玉に取るような技を駆使して勝つか。一番怖いのはもしかするとこのチームなのかも知れない。
まず高梨組が梅沢のパワーをどう封じ、勝ちパターンに持っていけるか。逆に梅沢がまとめてなぎ倒すのか。久しぶりに対戦する渡辺宏志と高梨将弘のテクニック合戦にも期待したい。若い井土がベテラン3人の入るこの試合で如何に自分をアピールできるかにも着眼したい。
<選手コメント>
渡辺「タッグトーナメントも今年で3回目。“三度目の正直”を狙いに行く。梅沢菊次郎という頼れる相棒と組めば、優勝戦線に食い込める事間違いなし!タッグのベルトは貰ったぜ!!」
梅沢「HEAT-UPユニバーサルタッグ王者を決める。そのトーナメントに偉大なる渡辺宏志塾長と組んで挑む。目を閉じて想像してごらん。渡辺宏志と梅沢菊次郎がHEAT-UPユニバーサルタッグ王者ベルトを巻いてる!」
高梨『弱体チームには大会参加をご遠慮願おうか!ねえ高梨さんに井土さん!』
井土『弱体チームだと!?その言葉取り消せー!』
田村『気にするな2人とも』
高梨『はなしてくれ田村!これは僕たちのプロレスラーとしての名誉の問題だ!!』
渡辺『お前達に名誉なんてものがあったのか!?』
高梨&井土『許さん!!!』」
井土「タッグトーナメントでは高梨さんと組んで宏志さん、梅沢さんと戦います。優勝者にはタッグのベルトが貰えるらしいんですけど、自分は、まず一回戦の相手、宏志さん 梅沢さんから勝つことだけを考えてます。おもいっきり、ぶつかりにいきます!」
▼第3試合 パワフルタッグトーナメント2017 1回戦③(20分1本勝負)
近藤"ド根性"洋史/兼平大介
vs.
ロッキー川村(パンクラスイズム横浜)/飯塚優
(近藤&兼平組データ)
「僕と兼平でナンバーワンになってみせる」新百合大会で宣言した近藤。「僕と近藤さんでベルトを巻くのが夢」と語った兼平。HEAT-UP生え抜きコンビが二人きりのタッグを組むのは一昨年8月、福島でのイベント試合以来1年半ぶり。昨年のゲリラプロレスで何十回となく対戦した両者、エントリーしたチームの中で一番お互いをわかりあっているのはこのチーム。若手のチームだと思って侮るなかれ。まずどっしりと腰を据えた「純プロレス」的な戦いをする近藤だが跳躍力にも長けている。越中詩郎とのタッグで掴んだヒップアタックや、高い打点のドロップキックは見た目以上の破壊力を秘めている。これに兼平のサブミッションが加われば、立ってよし寝てよしという見えない連携に繋げられる。先輩レスラーたちも苦労する近藤の打たれ強さ、対ヘビー級を掲げておりウエートアップした兼平の爆発力も加わり、舐めてかかるととんでもないしっぺ返しを食らってしまう可能性もある。
(ロッキー&飯塚組データ)
惜しくも新百合で戴冠は果たせなかったものの、ロッキーの拳は健在。向かってくる敵をなぎ倒す右フック、連打を食らってしまうと半端なくスタミナを消耗する左右のボディブローはユニバーサル王者田村の王座陥落まであと一歩と攻め込んだのは記憶に新しいはず。パートナーはここの所身体が大きくなってきた感じがする飯塚優。キャリアこそ浅いものの、長いリーチから繰り出される左右のミドルキックでプレッシャーを与え、ひるんだ一瞬の隙に繰り出す足関節狙いのサブミッションで機動力を奪う。ロッキーのパンチと飯塚のキック、打撃を身上とするこのコンビも侮れない。飯塚のサブミッションでカットし、必殺のバルボアブローが炸裂すれば相手はノックアウト確実。パンクラシストが再びプロレスのベルトを巻く姿が見られるのか。
初対決となるロッキーと近藤、兼平。田村をも散々苦しめたロッキーの拳が生え抜きコンビを粉砕するのか、HEAT-UPの意地を懸けて近藤&兼平が鉄の拳を封じるのか。飯塚が早くも先輩越えを果たすのか。
近藤「いよいよタッグトーナメントが始まります! 一発勝負なので絶対に負けられないし油断も隙もみせてはいけない。それに今回優勝すればベルトが貰える。兼平とは去年とどろきアリーナに向けて共に行動してお互い成長したし強くなってるはず! 一戦必勝で頑張ります!」
兼平「今回のタッグトーナメントにエントリーしているチームで1番「タッグベルト」が似合うのは近藤・兼平組だと思います。数々のゲリラプロレス、市長室、バスケットコート、AbemaTV、ある意味タッグとしてやってきた濃さはどのチームにも負けていない。ボクたちもいつまでも若手じゃない。必ず優勝してベルトを獲ります!」
ロッキー「前回大会で負けてベルトが奪えなかったけどまたベルトを奪うチャンスが来たぜ!ん?タッグ?2人でやるのかい? よくわからないがバルボアブローでブッ飛ばせばいいんだろポーリー?あ!ポーリーじゃなくイイヅカと組むのか? よし!わかったぜ!イイヅカ暴れようぜポーリー!」
飯塚「初のパワフルタッグトーナメント出場となります。正直 デビュー以来、何回かタッグマッチをしてきましたが良い連携が取れた場面はあまりないので。とりあえず、勢いで!がんばろうと思います! パートナーはあのロッキーさんなのできっとカバーしていただけると思います!タッグの初代王座、狙います!」
▼第4試合 パワフルタッグトーナメント2017 1回戦④(20分1本勝負)
田村和宏/阿部史典(スポルティーバ)
vs.
石田慎也(スポルティーバ)/CHANGO(フリー)
(田村&阿部組データ)
ここ最近、数々のリングに上がり高い評価を受けている阿部史典。タッグトーナメント3連覇及び初代タッグ王者君臨を狙う田村にとって、阿部とのエントリーは自身で掲げている「挑戦」にもなるのであろう。一昨年の名古屋大会で初めてHEAT-UPに出場した阿部、以来レギュラー参戦を果たしているがここは大きなチャンス。まず両者の共通点は鋭いキックと素早いサブミッション。的確な田村の蹴りに対し、変則的な蹴りでヒットポイントを予測しにくい阿部。田村の腕十字には阿部のワキ固め、蓄積していけば相手の投げ技等を殺すことができる。ユニバーサル王者であり優勝を前提としている田村にとって、阿部というパートナーは適任なのか。一度の勝利が不思議なほど本人を乗せてしまう勢いがある田村、阿部がこの流れに乗ってベルトを手にするのか。
(石田&CHANGO組データ)
エントリーチーム中最も意外なコンビは石田&CHANGOだろう。無宿解散後同じ道を行くかと思われた両者だが、石田がこれを拒否し「無宿にできなかった事を僕がやる」と宣言。2016年暮れ、田村とのシングル戦に於いて勝利を奪った石田は「田村とロッキーの勝者に挑戦させてくれ」と王座への挑戦表明、田村もこれを受けたため事実上トップコンデンターの座に就いた。新百合大会で両者は直接対戦し、自爆からの丸め込みとはいえ石田がCHANGOから直接フォール勝ちを収める。その直後にこのチームでのエントリー、両者にとってまさに「寝耳に水」だったと思われる。しかし、過去の戦績から考えると最も厄介なチームになりそう。特にCHANGOにとって石田とのチームはおいしいものであり、石田もシングルのベルトに挑戦を表明したからにはここでタッグのベルトを手にするという田村にぐうの音も言わせない位の実績が欲しい。
1回戦で田村と石田の直接対決、最近組まれていなかった田村とCHANGOの対決に注目。いずれかのチームが残れば一気に準決勝を制する可能性は高くなる。田村組を破り、決勝でLEONAに借りを返してベルト挑戦、石田の青写真は実現するのか。また、名古屋勢である石田と阿部が関東で対戦するのも珍しい。
田村「HEAT-UPにタッグベルトが出来ます!制作中ですが、シングル同様良いベルトが出来ると思います。自分と阿部ちゃんは団体は違うけど、義兄弟並みの仲の良さ。悩み相談やくだらない話でいつも話してるからコンビネーションは抜群なはず!代表と煩悩で"代煩悩"タッグでベルト取るぜ!そして自分は二冠王になる!今年も田村の時代だぜ!」
阿部「今回のタッグトーナメントで田村さんと組ませていただくことになりました。田村さんとは巡業中に2人で銭湯に行き裸の付き合いをし、一緒にご飯を食べ、お酒を飲み、信頼関係はバッチリだと思います!自分もそろそろ結果が欲しいと思ってますので、田村さんと初代タッグチャンピオンに必ずなります。宜しくお願い致します!」
石田「今回のタッグパートナーはCHANGOさんか…ここ最近はシングルのベルトしか見据えてなかったからタッグトーナメントに対してあまり意識してなかったけど、これ優勝したらタッグチャンピオンになるって事ですよね!?って、おぉ!いつの間にベルトを!まぁいいや。とりあえずタッグのベルトとシングルのベルトの二冠を狙おう。」
CHANGO「オレが1人になって間もなく開催されるトーナメント。当てつけのような新タッグベルト。仲の悪い石田慎也と勝手に組まされたチーム…ヒートアップ、田村和宏っつーのは、つくづく性格の悪い男だねww石田を上手く使ってタッグベルト巻くのも面白そうだし、石田が持っているシングルベルトの挑戦権にも興味ある。どちらにしても楽しめそうだw」
▼第5試合 パワフルタッグトーナメント2017 準決勝①(30分1本勝負)
(第1試合 アラケン&ヒデ対峰雄&LEONAの勝利チーム)
vs.
(第2試合 渡辺&梅沢対高梨&井土の勝利チーム)
▼第6試合 パワフルタッグトーナメント2017 準決勝②(30分1本勝負)
(第3試合 近藤&兼平対ロッキー&飯塚の勝利チーム)
vs.
(第4試合 田村&阿部対石田&CHANGOの勝利チーム)
各チームが注意する点、それは「引き分けの場合両チームが失格になってしまう」という点である。昨年も1回戦、田村&峰雄は田中稔&岩本煌史に時間切れ寸前に勝利したという事実がある。20分という時間の中でいかに相手を仕留められるか、準決勝進出のためにどれだけスタミナを温存させられるか。今年のタッグトーナメントは例年にない過酷なものとなってくる。