RENAが予想外の大苦戦も、闘志に火が付いた!7・29RIZIN、浅倉カンナ戦へ「もっと練習して、 もっと『怖いRENA』を出してリベンジする!」
7月6日、東京・TDCホールで女子シュートボクシングのビッグイベント「Girls S-cup 2018」が開催された。10年目の記念大会のメインを飾ったのは、第1回大会からこの大会の中心となって女子の立ち技格闘技を引っ張ってきたRENA。7・29RIZINで昨年大みそかに敗れた浅倉カンナとのリベンジマッチを控えているが「あの試合からMMAで1試合もしていない」との浅倉の要求に応じて、今回はMMAマッチを敢行した。
対戦相手のエレイン“パンテラ”リアル(ブラジル)は、前日計量で52㎏。当初50㎏契約で、直前に51㎏契約に変更となったが、それもクリアできなかった。だが「試合のキャンセルは一切頭になかった」とのRENAの意向があり、イエローカード1枚で試合は実施された。
試合はRENAが大苦戦。エレインは体格差を利用してRENAをコーナーに押し込むと難なくテイクダウン。鉄槌を打ち込み、立ち上がろうとするRENAにギロチンチョーク。これを外されるとすぐさま三角絞めに。RENAが頭を抜き、立ち上がって踏みつけると足を掴んでアキレス腱固めへ。RENAもパウンドを打ち込むが、グラウンドでの展開はエレイン有利。
RENAは2Rに右のミドルを効かせてエレインをダウンさせ、1Rの劣勢を挽回したものの、ここからエレインの下からの足関節や、ブレイク後、スタンドからの展開ではエレインが組みついてコーナーに押し込み、バックを取り掛けるなど、なかなか「RENAペース」に持っていけない。
3Rになるとようやく本来のRENAのペース。ボディブローや三日月蹴りでエレインのボディを効かせると、サッカーボールキックや踏みつけで攻め込む。しかしエレインにコーナーに押し込まれる時間もあり、3-0の判定で勝利したものの、7・29RIZINでの浅倉カンナ戦を見据えて「タックル、テイクダウン、寝技の対応」で進化を見せたかったRENAにとっては課題の残る試合となった。
RENAはマイクを持つと「復帰戦、スカッと勝ちたかったですけど、初めて判定までいきました。浅倉選手にリベンジするのは不可能だと言われて、今日の試合で『不可能だ』と思いました。でも不可能を可能にするのは今からでも可能だと思います!(拍手) 明日から死に物狂いで練習して29日に向かっていきます!」と挨拶。
バックステージでは「とてもいい経験になりました」とRENA。
「危ない場面も2、3ありましたけど、防げたのは自信になりました。リングが狭い分(RIZINに比べると二回りぐらい小さい)押し込まれると思って対策はしてたんですけど、普段と全然違いましたね(苦笑)。いつもなら『これで終わってる』と思うパンチを当てても耐えられたし、三日月もボディストレートも感触があったんですけど。組んだ時にヒザ蹴りもしたかったのにその距離は潰されたし(苦笑)。課題が色々と見つかりました。でも、ここでスカ勝ちしたらまた調子に乗るので(苦笑)。(浅倉カンナとは)リング上で目も合って、私は挑戦者ですので、あと3週間、格闘技人生が終わってもいいぐらいの追い込みをしたい」
シーザー武志会長も「相手(エレイン)が強かったね。RENAはこれまで簡単に勝ってきたけど、今日は相手に上手くパンチを殺されたし、フルラウンドやっていいステップになったね。RENAはもっと伸びしろがあるから(ニヤリ)。いい経験になったと思うよ」
エレインとの体格差・体重差や狭いリング等、ハンデを背負って戦い、苦戦した分、RENAはMMAファイターとしてまた一つステップアップした。
ちなみに、この日の黒いコスチュームは「世間的にヒールになったので『黒RENA』ということで(笑)。躊躇なくサッカーボールキックを出して、人生で初めて四つん這いの人を蹴りました(笑)。多少、怖さは出せましたけど、こんなもんじゃないので。29日はもっと黒いRENAを出したいです」とRENA。7月29日のRIZIN(さいたまスーパーアリーナ)での浅倉カンナvsRENAがますます楽しみになった。
なお、48㎏世界トーナメントは、小林愛三、MISAKI、MIOを破ってイリアーナ・ヴァレンティーノ(イタリア)が初優勝。イリアーナはSBの継続参戦と、過去にMMAルールとSBルールで2連敗しているRENAとの「3度目の試合をMMAルールでやりたい」と希望した。
(スポーツライター茂田浩司)