【インタビュー】QUINTET出場の元ライト級KOP・徳留一樹が大会を振り返りリベンジを誓う!「もっと強くなって『極められるMMAファイター』になりたい」

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 元ライト級キング・オブ・パンクラシスト徳留一樹(パラエストラ八王子)が、6月9日、ディファ有明にて開催された「QUINTET FIGHT NIGHT in TOKYO〜Light Weight Team Championship〜」に出場、半年ぶりに元気な姿を見せた。

 徳留は2015年11月、第6代元ライト級キング・オブ・パンクラシストに。しかし2016年9月、初防衛戦で久米鷹介(ALIVE)に敗れ、ベルトを失ってしまう。1年3ヶ月後の2017年12月、王者となった久米に挑戦したが再び敗戦している。
 半年ぶりの試合はMMAではなくグラップリング、しかも個人戦ではなく団体戦だった。
 徳留のチームは様々なバックボーンを持つ選手たちが集結した「TEAM HALEO」。ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジリアン柔術)、小見川道大(柔道)、金原正徳(柔術)、宮田和幸(レスリング)とそうそうたるメンバーだ。
 TEAM HALEOは初戦でTEAM U-ZUKIDOと対戦。徳留は先鋒として闘い、佐藤光留、井上学を連続撃破する活躍を見せた。決勝ではTEAM CARPE DIEMの世羅智茂に1本負けを喫してしまったが、溢れる闘志で見る者の胸を熱くさせた。


 そんな徳留に話を聞いた。

――大活躍でしたね。
「決勝の相手が強くて、負けてしまって悔しいです。でも、全体を見るとすごく楽しかったです。チームっていいですね。初戦で1本取れたのも、1人で闘う時よりパワーが出ました。いい試合ができたのもチームだったからだと思います」

――遠目からも、闘志がみなぎっているのが伝わりました。
「とにかく、このチームのために1つでも多く勝ちたいと思っていました。相手も強かったですけど、初戦で1本取れてよかったです」

――この半年、どう過ごされていたのでしょうか。
「まずはしっかり休養を取りました。その間にQUINTETが始まって、面白いなと思って。それから、GEN(スポーツパレス)で今成(正和)さんたちと練習するようになりました。QUINTET、出てみたいと思いながら通っていましたね。そんな時にちょうど、出ないかと言われて『絶対出ます!』と」

――出場が決まってからは、どちらで練習されていたのでしょうか。
「1ヶ月前くらいからチームでHALEOの表参道のジムに集まって練習するようになりました。4回くらい集まって、ひたすらグラップリングの練習をしました」

――徳留さんといえば、やはり打撃のイメージが強いですよね。
「自分がMMAで1本極めたのって、1試合か2試合くらいしかないんですよ(笑)。(※2009年6月、ZST SWAT! の切田泰博戦、2012年4月、パンクラスのチョ・ジョンヒョン戦において腕ひしぎ十字固めで勝利している)自分がグラップリングできるなんて誰も思ってないと思います(笑)」

――改めてグラップリングに挑戦してみていかがでしたか。
「グラップリング、面白いです! でも、改善点がたくさんあって、もっと強くなったらもっと面白くなると思います。打撃も楽しいですけど、グラップリングを毎日やっているうちにすごく楽しくなってきました。さらに、みんなで集まって練習するのもすごく楽しかったです」

――MMAでは、団体で闘うことってないですもんね。
「はい。練習も楽しかったですし、試合ではHALEOを背負っているわけですから、本当にすごく集中しました。先鋒で出たのは年齢順だったんですけど、2連勝できて本当によかったです」

――初戦は10kg以上、体重差のある試合でした。
「はい。体重差があると試合時間が4分になっちゃうんですよね。でも、チームのみんなが『あとのことは考えなくていいから、フルで行け!』と言ってくれて。その言葉があったから思い切り行けました。安心して技をかけられましたね。本当に、チームの力ってすごいです」

――決勝では涙を見せていらっしゃったように見えました。
「1本取られてしまって悔しくて。試合で負けて泣くなんて初めてです。これまで、勝っても負けても試合で泣いたことってないんですよ。でも今回は、勝手に涙が出てきちゃって。チームで闘ったからそこまでできたし、負けて悔しかったですね。絶対リベンジしたいです」

――本当に集中されていたんですね。さて、今後についてはいかがでしょうか。
「QUINTETに集中していたので、先のことは考えていなかったです。ただ、今日終えてみて、まずはTEAM CARPE DIEMにリベンジしたいですね」

――これからは、グラップリングの面も磨いて、新たな強さや魅力が見られそうですね。
「そうなりたいですね。MMAがどうとかじゃなく、格闘技は続けて行きます。グラップリングでももっともっと強くなって、『極められるMMAファイター』になりたいですね」

 試合場では厳しい表情を見せていた徳留だが、実は心から試合を楽しんでいた。
 自分1人のためだけに闘うのでなく、チームのために闘う。誰かのために勝ちたいと思い、誰かを助けたいと思う。だから、喜びも悲しみも何倍にもなる。QUINTETの会場には、勝っても負けても温かい空気が流れるが、それはやはり、チーム戦というところが大きいのだろう。
 新しい経験を経て、徳留は心も技もまた一歩、成長したようだ。その姿は、グラップリングという刀を手に入れたサムライのように見えた。
 「男子三日会わざれば刮目して見よ」。徳留のさらなる成長に期待したい。

(写真・文/佐佐木 澪)

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