“ライオン道”クリス・ジェリコが冬木弘道&エディ・ゲレロの力を借りケニー・オメガと死闘!
2018年1月4日、新日本プロレス東京ドーム大会『ブシモ 5th ANNIVERSARY WRESTLE KINGDOM 12 in 東京ドーム』の第8試合で、ケニー・オメガとクリス・ジェリコによる『ダブルメインイベントⅠ IWGP USヘビー級選手権試合 ノーDQマッチ』が行われた。
ナックルの打ち合いからジェリコは早速ウォール・オブ・ジェリコ。ケニーは場外に叩き出し、実況席の机に叩き込んでの場外戦。ケニーはジェリコの上に机を乗せると、鉄塔に登っての4mダイビングフットスタンプを投下し場外へのスワンダイブエルボードロップ。だがジェリコはこれを避け、ケニーは実況席の机に突っ込み放送機材を巻き込んだ大自爆!ジェリコは場外でのウォール・オブ・ジェリコから、リングに戻るとライオンサルトを投下し踏みつけフォールから冬木弘道ばりのマッチョポーズを見せる。
1993年に冬木軍に加入し、邪道&外道とライオン道として闘っていたジェリコ。当時を思い出すムーブに会場から大歓声が起きるが、ジェリコはケニーのドラゴンスープレックスを冬木の技であるサムソンクラッチで切り返しウォール・オブ・ジェリコ。これをスプレー攻撃で逃れたケニーをイスで叩きつけていったジェリコは、コーナーで寝そべるエディ・ゲレロムーブで挑発。
ジェリコはイス攻撃も、ケニーは怒涛のVトリガーからリバースタイガードライバーでフォールも2。ケニーは片翼の天使を狙うが、ジェリコは切り替えしてウォール・オブ・ジェリコ。さらにライオンテイマーに移行するも、ケニーはなんとかロープを掴む。
ケニーはジェリコを担いでカミカゼからライオンサルトも、避けたジェリコがコードブレイカー。さらにライオンサルトを狙うが、ケニーはイスを投げとばして背中に当てると、そのまま肩に担いでイスへの片翼の天使でジェリコにトドメを刺した。
敗北したジェリコはイスや荷物を投げ捨てて大荒れでインタビュールームに現れると「日本でこれまでで最高の試合をしたかもしれないが、俺は負けて最低最悪の気分だ。ここはケニーのホームだ。観客も全くフェアではなく俺にブーイングをした。そして俺が負けたことを喜んでいた。注目の試合とかそんなものはどうでもいい。『これが日本か』というのが感想だ。今日この試合がレッスルキングダム史上最高の試合だったと思う。新日本プロレスを次のレベルまで押し上げ世界でのブレイクスルーになったはずだ。それをやったのが、ケニー・オメガ、そしてこのクリス・ジェリコだ。観客数もこれまでにない大きな数字を叩き出したと聞いている。それも、“アルファvsオメガ”がレッスルキングダム12で実現したからだと思う。今日の試合に負けたことで、そして日本のファンのリアクションを見たことで、もう日本に戻ってくることは二度と無いだろうね」と吐き捨てたが、記者から「試合中に冬木弘道選手のパフォーマンスが出ましたが?」と質問が飛ぶと「フユキさんこそが日本の真の戦士だと思っているからだ。彼こそが天才であり、マスコミや周囲の声に惑わされずに自分のやりたいことを成し遂げた人だった。彼を尊敬しているというその想いでの行動だ」とコメントを残し会場を後にした。
勝利したケニーは「この試合に対する全て、そしてジェリコにお礼がしたい。自分自身のホームが新日本プロレスであることが再確認できた。自分の仕事はまだ終わっていない。キャリア最大の試合が終わったが、これが新日本プロレスでの最後の試合にはならない。ウィニペグと言うのは本当に小さな町で、そういった小さな町で生まれると『大きな夢を持たないように』と言われながら育つものだ。そんな中で、ケニー・オメガとクリス・ジェリコは同じように戦い苦しんできた。何億という大金を動かす大国の中で、大金を生み出すロボットとして、ビンス・マクマホンの商品として育ったのがクリス・ジェリコだ。自分は持っているアイディアを、そしてオリジナリティを許してくれた新日本プロレスの中で自分自身の道筋を歩んできた。二人は同じように戦い抜き、それぞれ違った道を歩んできた。アメリカには何億というお金が転がっているが、それはアメリカが最高だからというわけではない。自分たちはここで世界を変え、自分たちの手で最高のプロレスをすることが出来る。今自分の中で大切だと思っていることは、新日本プロレスを世界最高の団体にすること。それが出来るのは自分しかいないと強く信じている。だから、新日本プロレスには言いたい。自分にこの大きな船を操縦させてもらえないだろうか?自分が素晴らしい未来にこの団体を連れて行こう」と、新日本プロレス愛を語る。
この日東京ドームに集まったファンは34,995人。新日本プロレスワールドもこの試合を見るために海外からの登録者数が激増し、間違いなく新日本プロレスの名をこの試合が世界に知らしめた。3月25日には、アメリカ・ロサンゼルス ロングビーチ大会が決定し、8月には15年ぶりの日本武道館大会も発表。
攻め続ける新日本プロレスで、ジェリコを倒したケニーがどのような舵取りを行うのか?ファンからの期待はかつてないほどに膨らんでいる。