【試合結果】12・7 原点回帰プロレス後楽園ホール大会 【レジェンド選手権】スーパー・タイガーvsHGZ 納谷幸男vs雷神矢口 船木誠勝vs松本崇寿
- 2017-12-7
- 試合
- リアルジャパンプロレス
新間寿プロデュース 初代タイガーマスク佐山聡認定『原点回帰プロレス』
日程:2017年12月7日
開始:18:30
会場:後楽園ホール
観衆:1465人・満員
▼“ストロングスタイルの神髄”デモンストレーション
指導・解説:初代タイガーマスク佐山サトル総監
スーパー・ライダー/間下隼人/タカ・クノウ/倉島信行
▼シングルマッチ60分1本勝負
○船木誠勝(フリー)
6分29秒 ハイブリッドブラスター→体固め
●松本崇寿(リバーサルジム立川ALPHA)
▼特別試合 シングルマッチ60分1本勝負
○納谷幸男
1分26秒 バックドロップ→体固め
●雷神矢口(フリー)
▼レジェンド選手権試合 60分1本勝負
【王者】○スーパー・タイガー
7分24秒 ジャーマンスープレックスホールド
【挑戦者】●HGZ(フリー)
※第13代王者が初防衛に成功
初代タイガーマスクがストロングスタイルとプロレスの神髄を解説!納谷幸男が再デビュー戦で速攻勝利!スーパー・タイガーが謎の選手HGZに勝利しストロングスタイルを魅せる!
オープニング
まずは新間寿が登場し挨拶。
新間「坂口征二、藤波辰爾、長州力、タイガーマスク、多くの人々がこのリングから巣立ちました。私はプロレスが大好きで、そして、今日テーマミュージックにしたアリボンバイエがモハメド・アリから譲り受けてイノキボンバイエに変えて猪木の入場テーマにしたものであります。しかしこの頃、佐山聡と話す機会が多く、この6m40のリングの中を語る時、私は新日本プロレスにいてUWFを作り、UWAの会長をやったりWWFの会長をやった時もリングの中を知ろうは思いませんでした。しかし今公然の人の中で間違った形で語り継がれております。つい先日佐山聡の体を直し、日本一の整体師のもとへ参りました。翌日東京に戻らなくてはならず、小倉のステーションホテルに止まっておりました。テレビでなんでも鑑定団が始まった所でありました。その時にタイガーマスクのマスクが、なんでも鑑定団の画面に映し出されました。すぐ佐山聡が泊まっている別府のホテルに電話を入れました。彼は映らないから結果をきかせてくれと、1000万という金額を言った途端、新間さん所2,3枚残ってないかと。引っ越しを4回しました。どっかにタイガーマスクが眠っているはずでございます。それが出て参りましたらこの原点回帰プロレスを何回も続けていく中で、出てきた場合には抽選でそれを贈りたいと考えております。プロレスというのは、見て楽しいもの、自分ができないこと、自分たちの夢をレスラーたちが身体で表現してもらう、それがプロレスであります。佐山聡が言いました。新間さん、今のプロレスを、1000万のマスクを機会になんかしようではないかと。前々からなんかしようという話はしてありました。原点回帰という名前を作ったのも佐山聡でございます。試合は3試合のみでございます。私とタイガーで、タイガーが何をこのリング上で表現するかというのを是非お目にかけたい。そしてつい2日前、私の可愛い孫が、5歳の孫が私にこう言いました。じいじ、できないということは絶対ないんだよ、いつかは必ず出来るんだ。5歳の子供が言う言葉ではありませんでした。できないことはないんだ、原点復帰で、昔の新日本プロレスのリングを、今一度私達のこの手で、このリングでお見せする、そういう喜びを私どもは持っております。よく平井が言うように、選ばれし者達が闘うリング、それがリアルジャパンでありますというのは一時封印しました。この原点回帰の6m40の中に佐山聡が提唱する原点回帰のプロレスをお見せできると確信しております。何が起きるか、どういうスケジュールで進むのか楽しみにしていただいて、タイガーマスク佐山聡はこのリングに必ず立ちます。彼の身体は別府に行きまして、80%回復しました。来年はカムバックするそうです。みなさんそれを期待してリングをお楽しみくださいませ」
挨拶が終わると、力道山とボボ・ブラジルの試合が流れ始める。続いて1974年3月19日の蔵前国技館『NWF世界ヘビー級』アントニオ猪木対ストロング小林の試合へ。
さらに1981年4月23日の蔵前国技館で行われたタイガーマスク対ダイナマイト・キッドのタイガーマスクデビュー戦へ。
最後に1982年11月4日、蔵前国技館のタイガーマスク対小林邦昭の試合が流された。
VTRが終わると、佐山聡総監が登場し挨拶。
佐山「ご来場いただきまして誠にありがとうございます。本日は今までの試合とは全く違います。プロレスを救いたい。プロレスのOBとして、プロレスを救いたい。この低迷期を救いたい。前回の試合で、新間寿が怒りまくりました。何だこの試合は!怒りまくりました。試合場から帰っちゃった。平井は慌ててわなわなしてどうしようどうしよう。はっきり言って、僕は、喜びました。嬉しくなりました。新間が立ち上がる。あの実行力のある新間さんなら何かしてくれる。この状況を変えてくれる。そういう風に思ったからです。今昭和のプロレスが流れました。みなさんに一番重要なことを伝えなくてはならないです。プロレスの秘密を今日伝えなくてはならないです。今日プロレスの秘密をみんなに伝えます。プロレスの秘密は何か、この、デモンストレーションの中で伝えていきたいと思いますが、ある選手がある団体に行って、バスの中で力道山先生の試合を見てました。その時選手からこういう話が流れたそうです。なんだ、昔の試合は全然面白くなくて動かなくて良いんだなと。そしてその選手は思ったそうです。この団体はすぐなくなるなと。あの一見シンプルな技である技術においても、一つ一つが違うんです。何か今のプロレスと昭和のプロレスが違うと思いませんか?これを十分に皆さんに今日伝えたいと思います。違うんです。練習量、選手の質、そういうのも違うんですけど違うんです。そのいちばん重要な事を伝えたいと思います。じっくり見て感じて、プロレスを皆さんとともに作っていければ幸せだと思ってますよろしくお願いします」
続いて榛葉賀津也議員が登場。
椎葉コミッショナー「リアルジャパンプロレスコミッショナーの榛葉賀津也でございます。もう何も言うことはございません。今佐山先生がすべてを語ってくださいました。前回の納屋のデビュー戦、私のプロレスの師である新間会長が激怒しました。コミッショナーがたるんでるからこういう試合になるんだと言わんばかりでした。あの試合を止めればよかった。コミッショナーとリングに上がってこのプロレスをとめればよかった。やった事の後悔よりもやらなかった後悔のほうが何十倍も辛い、もう一回原点回帰をしようとおっしゃいました、1981年4月23日、タイガーマスクが誕生し、私も画面に釘付けになりました。もう一度皆さんと一緒に、初代タイガーマスク佐山聡先生を中心に、原点回帰、ストロングスタイルをこの後楽園から取り戻してまいりたいと思います。どうかよろしくお願いします」
昭和のプロレス・レジェンド挨拶&ドン荒川追悼10カウントゴング
挨拶が終わると、レジェンドの挨拶ということで新日本プロレス初代リングアナウンサーの大塚直樹氏が司会へ。
大塚氏「私は、昭和47年、1972年3月に新日本プロレスが旗揚げした時の初代のリングアナウンサーをさせていただいておりました大塚直樹でございます。応援の拍手ありがとうございます。51年の8月から、私の直属の上司でございました新日本プロレス営業本部長専務取締役新間寿より指名を頂いて営業の方に転出させていただいた大塚直樹でございます。今ご紹介いただきました新日本プロレスから昭和のレジェンドと紹介いただいたんですけどそんな恥ずかしい、素晴らしい言葉をいただくと、ご紹介しづらくなってしまうんですが紹介させていただきます。議事進行は下手なんで、一人30秒ぐらいで紹介していきたいと思います。先程ご挨拶はされたんですが、新間寿さんがスカウトしました、初代タイガーマスクこと佐山聡さんでございます。また、余分なこと言うなといいますが、私は彼が新日本プロレス時代にハワイのパールハーバ0CCというところでゴルフを初めて行いました、ハーフ54で回りました。クラブも振ったことがない。クラブのオーナがボールを片目で見て片手でふりゃいいと。後半56。なんと110で上がったんです。いかに運動神経がいいか。私はごまかしながら90ぐらいで上がったのを覚えております。そのような佐山聡氏でございます。
続きまして昭和37年、北沢幹之さんという名前でスタートしたんですが、その後魁勝司と名前を改めまして今現在は名レフェリーとして各団体に呼ばれて、今日もこれからレフェリーをしてくださる魁勝司レフェリーでございます。ここで、えって言う方がいらっしゃるんじゃないかと思いましたが、アントニオ猪木元社長の実弟であります、設立メンバーであり営業責任者でありました、特に大阪沖縄の担当をしていただいておりました猪木啓介氏でございます。よく似てますでしょう。私が昭和54年だったと思うんですが、新日本プロレス大阪事務所長の紹介で面接をいたしました、最終的には執行役員をされていたという上井文彦です。彼も新日本プロレスを作り上げた一人だと疑っておりません。事務方の、ほんとに事務方でございます。新日本プロレス管理部長で新日本プロレスを最後退職し、全日本プロレスで、武藤選手と一緒に移籍しました管理部長だった青木謙治。いわずとれた、こよなく新日本プロレスを愛し、世界一アントニオ猪木を敬愛し続けておられる新日本プロレス元専務取締役営業部長の新間寿です。タイガーポリスと呼ばれておられる、警察大学校教授であられる、竹内警視様でございます。只今登壇しましたさいたま選挙区の三ッ林裕巳衆議院議員がお見えになりました」
三林議員「みなさんこんばんは!リアルジャパンプロレス、全力で応援している衆議院議員の三ッ林裕巳でございます。あの新間寿先生、初代タイガーマスク佐山聡先生、東日本大震災から被災地の応援に入りました。多くのみなさんがこのリアルジャパンプロレスを愛して応援していただいている、国でもやはりプロレスを、議員がしっかりと熱心に応援すること、このことが大事だと思っております。皆さんこれからもよろしくお願いします!」
大塚氏「本日この場をお借りしまして、ご協力いただきまして、先月亡くなりました、荒川真選手の追悼の10カウントゴングをさせていただきたいと思います。これで終わりですので皆様黙祷でご協力お願いしたいと思います。もう一人、私の友人でありました、倍賞鉄夫が8月9日に亡くなりました。どこのリングでもカウントされておりません(実際は新日本プロレスで8・11両国国技館にて行われている)ので、本日誰の許しも得てないんですが、この場をお借りしまして荒川真選手と新日本プロレス二代目リングアナウンサー倍賞鉄夫の10カウントゴングをしたいと思います」
10カウントゴング後、後援者からの花束贈呈などがあった後、納谷幸男のデビュー前の合宿がTVに取り上げられた映像が流れる。
すると日蓮宗妙成寺の住職による、成功祈願の祈祷がリング上で行われた。
“ストロングスタイルの神髄”デモンストレーション
タカ・クノウ、スーパー・ライダー、間下隼人、倉島信行、初代タイガーマスクがリングへ登場。
初代タイガー「プロレスファンの皆さんありがとうございます。今日プロレスをお伝えします。先日杉並区の松ノ木中学校で講演しまして、中学生に約束しちゃったんですよね。来年3月カムバックするから見においでと。相当しぼんなきゃまずいです。プロレス、力道山先生から猪木さん長州さん藤波さん、僕らに受け継いできたものという一番大切なものがあります。技術、技、作戦、魅せる、これは当たり前です。でもそのことはあまりよく言われません。ほんとに強く言われるのは攻撃性とか、受ける美学とかね、プロレスは受けるのがすごいんだとか、全くそういうのは言われたことがありません。受けるのは当たり前。どう攻撃していくかが重要になります。例えばロックアップをしてみましょう、二人(スーパーと間下)でロックアップしてお見合いしてリング回って。これがロックアップというやつですねプロレスの。ただ、これではダメなんですね。もうちょっと気合い入れてやってみて(間下とスーパーが回って組み合う)ちょっと待った、試合というイメージがあるから、試合じゃなくて闘いというイメージで(荒々しくリングを回って組み合う)ちょっと待て、お前俺が闘いつってんだからこの野郎!(間下とスーパーにビンタ)戦えこの野郎!(しっかり組み合い間下がコーナーに押し込む)はいOK、分かります僕が怒ったの?実は控室で話し合ってます。これが1番大切だ。試合の中で、こうやって魅せられるものをするのかショーみたいな感じで魅せられるものを持っていくのか、闘いを持っていくのか、街の喧嘩のほうが面白くないですか?藤原敏男が街で喧嘩してる時、おかあちゃんと喧嘩してる時のが面白いわけですよ。やるかやられるか。そっちのほうが面白いです。
じゃあね、普段のタカ選手、東洋の関節技、寝技のスパーリングでやってみて、これガチンコでいいです。これガチンコで。真剣勝負。(タカと倉島がグラウンドのスパー)はいOK。今の一本ですねタカ選手はグラップリング世界チャンピオンです。今のは技術。技術。じゃあ今度は二人(スーパーと間下)で関節技の練習してみて。今度はプロレスで。でも真剣勝負でガチンコで、さっきの気持ちを大切にしながら(スーパーと間下がグラウンドの攻防)はいOK。これも勝負がかかると、プロレスってストロングスタイルになるんです。勝負かかってなくて例えば何が違うかというと、お客さんに見せよう、大きな派手な技をやろう、次に身体チョップ入れてロープに飛ばしてフライングクロスチョップいこう、もう最初から決まっているようなコースをどんどんどんどんやってもお客さんはプロレスが面白くないんです。そのことを僕は徹底的にやらされました、なので空中技僕ほとんど練習したことないです。タイガーマスクは空中戦じゃないです。技優先ではありません。バックキックにしても、普通の間合いの中で、間合いの中で入れるかどうか、もしこれがショーの選手であるならば、間合いの中でガチンコで入れないですよ。入れないんです、ほんとに出来るかどうか、これが1番大切なこと。昔ね、タイガーマスクが1番全盛を誇っていた頃1番怖かったのは猪木さん山本さん。変なことやったらぶん殴られてました。そのくらい厳しい時代がありました。じゃないとプロレスやっちゃダメです。真似事でやって、控室で全部喋って、これやってくれこれやってくれじゃダメなんです。全部ナチュラルでガチンコでいかなければ、ただけれど真剣勝負と言うつもりはありません、僕は格闘技の人間ですからね。格闘技も背負うし、タイガーマスクとしてプロレスも背負わないといけないし、全国にファンもいて可愛い後輩もいて背負わなきゃいけない。格闘技とプロレスは違います。でも闘いがいちばん大事な部分。これを形だけしたり、蹴るにしても形通りに蹴るんじゃなく、ほんとにちゃんと蹴れるかどうか、これがいちばん大切なんです、皆さんもわかってほしいです。それと理屈の合わない動き、リアルジャパンプロレスの
ファンの方々は色々ウケてくれて笑って見ててくれるんですけど、僕らにとっては地獄です。理屈に合わない動きのある試合とか控室で見ないです。タイガーマスクがリング外に飛んだ、これは理屈に合いますよね?技術なんです技なんです、プロレスの見世物の中の曲芸ではないんです。でも曲芸で動いてる人がいっぱいいる。誰かとは言いません。それはわかるはずです皆さん。それを許してたらプロレスの発展はありません。プロレスは芸術です。ガチンコやってプロレスを発展させていく、これがリアルジャパンプロレスの姿です。違う試合もいっぱいあります。諦めてました控室で見る気もしない。でも新間さんが怒ってくれたせいで何かが変わるというきっかけになるかと思って今日ここに上がるんです。試合をもう一回やってもらいたい。二人が出来るのをやって、プロレスの試合で(スーパーと間下が蹴り合い)はいOK。もし、これが下手なプロレスのやり方やって(二人が困惑)できる?できないよね?下手なプロレスは他所で見てください。冗談です。いかにもわかりやすいやつ、いかにもわかってるやつ(スーパーと間下が組み合ってヘッドシザースから睨み合う)ストロングスタイルと全然違うんですこれは。彼らはガチンコの実戦もやらないです。藤原敏男が相撲が話題になってて藤原先生が話題にならないのが不思議でしょうがないんですが、ガチンコの経験がリングに現れるのが闘いなんです。リング上なんですこれをわかってもらえましたでしょうか?あと大事なことで、ガチンコだけやってればお客さんにウケるかといったらウケません。ただのガチンコだけやってても、それをスペクタクルなものに加味する、もっと動きを素晴らしいものにしていく、私が昭和の時代からやっていたプロレスです。今のプロレスと中身が全く違います。大きく言いたいのは今の選手達にはガチンコでやれよ言うしかない。でもそんな事は言えない。こういう状況が続いている時代です。総合格闘技を作りました、強さを作ってきました。全ての技術を作ってきました、プロレスにもガチンコにも差があります。文化が違うんです、プロレスの文化は今説明したようなちょっと難しいことかもしれませんが、果たしていきたいんですね。リアルジャパンの選手ガチンコ練習してスペクタクルな試合を展開していきますのでよろしくお願いします」
<佐山サトル総監コメント>
佐山サトル
――リング上でプロレスの解説という形でデモンストレーションを行われたわけですが、ご感想を
「お客さんの感想は不思議なくらい良かったですね。最初分かんないかなと思って心配してたんだけど、よく分かって頂けたみたいで安心しました」
――あの中で佐山選手が一番伝えたかったことは何でしょうか
「やっぱり魂というか、それを僕らが一番山本さんも猪木さんもずっと言ってこられたことで、プロレスという文化の中ではそれが一番大切なんだということを伝えたかった。魂というものは動きによって変わってきます。ただやってればいいというものではないです」
――来年3月に復帰するというお言葉がありましたが
「これは松ノ木中学校で言っちゃったんですよね。『生徒みんな招待するから。復活するからね』って。3月の前に2月12日にイベントがあるのでそれに向けて復活しようかなと思ってます」
――2月12日のイベントというのはリアルジャパンのものでしょうか
「いや、平井の結婚式なんですよ(笑)襲ってくるやつがいるかもしれないから」
――3月の試合はどのようなものを想定していますか
「もう一回お客さんにストロングスタイルというものを説明しなきゃいけないんですけど、お客さんは分かってくれた気がします。もう一回してもいいんですけどね」
――復帰された場合は試合を通してストロングスタイルというものを伝えていく?
「もちろんもちろん。やっていきたいと思います。ストロングスタイルというものは、技術じゃなくて魂なんでね。一番大切なもの。山本さんにも死んだ荒川さんも殴られたことあるんじゃないかな。ホントにぶん殴られて、いい加減な試合したときとかですね、魂がこもってない試合、ストロングスタイルじゃない試合をしたときにですね。ただダイビングしたって理屈に合わないダイビングだと殴られるし、ちゃんときちんとしたガチンコの中でのダイビングというかガチンコのように飛ぶダイビングであればいいということです。そういうのがはっきりしてましたね。そういう魂を伝えるにはナチュラルで試合をやるしか無いんですよね。これは書けないですけど、今の1から10まで決めててやってるっていうのじゃ出来ないことなんですよね」
――他団体はどうあれ、リアルジャパンはそれを追究していくということですか
「せっかく新間さんが怒ってくれたわけですからそれをやりたいですね。だから選手も厳選しなきゃいけない。かと言って、ジャンプしない飛ばないということじゃないんで、スペクタクルなものを加味してやるということですね」
――試合の方は3試合という形ですが、来年以降もこうした厳選した形でやっていくということですか
「もう1試合くらいやるか、ある程度きっちり説明していく。なぜ3試合かというと、選手がいないんですよ。説明があったりイベントがあったりビデオ見せたりして『ストロングスタイルってこうですね』という話をして、繰り返して切り替えていこうというのが新間さんのアイディアじゃないですかね」
第1試合
リングを周り、松本がローで牽制も船木は避けミドルで牽制。お互いローの打ち合いから松本がタックルも船木はこれをかわす。船木のミドルをキャッチした松本が足を刈って倒すとサイドポジションから腕を取ろうとするが、船木はその腕に足を絡ませていくも松本は抜けてガードポジション。腕の取り合いから船木がバックからマウントへ移行するも、亀になった松本へ船木はスリーパーを狙うが松本は回転して逃れると腕ひしぎを狙う。腕を引き抜いた船木は後頭部を押さえ潰そうとするが、松本は猪木アリ状態で睨み合いスタンドへ。
船木のローからのミドルをキャッチした松本が足を刈って倒し腕ひしぎ。船木は足をロープにかけてブレイクも松本はストンピング連打。
立ち上がった船木がロー連打から掌底を叩き込んで浴びせ蹴り。松本はダウン。
船木はミドルから左右の掌底。さらに首投げからPKも、避けた松本が掌底をガードし引き込み腕ひしぎ。これは船木がロープへ足を伸ばす。
松本が左右の掌底も、船木はローからミドル。松本はバックを取りスリーパーも、船木はバックドロップで叩きつける。船木はハイブリッド・ブラスターを叩き込んで3カウント。
<試合後コメント>
船木誠勝
――試合を終えられていかがですか
「いい緊張感で試合してましたね。無我夢中で試合してました。あっという間に5分経過が聞こえたんで、そういう意味ではすごい集中してましたね。相手の選手もホントに、いつもあんな感じじゃないと思うんですよね。多分ですけど。一緒に緊張してるのがね。第1試合なんで、一番初っ端ですから。1口みたいなもんですからね。原点回帰で新しいシリーズになって、初めての第1戦なんで。もう48で、キャリア32年ですけど、未だにこういう気持ちになるんだなと。タイガーマスクに憧れて入った人間としては、タイガーマスクがリングにいる、そして目の前で見てますからね。その状況で試合するのは一番嬉しいことなんですけど、逆に一番怖い瞬間なんで、そういう意味では1分1秒気が抜けないというか、常に気を張りながら次の展開を頭に入れて試合をしている……そんな感じで終わりました。無駄のない1試合だったと思います」
第2試合
矢口が納屋のミドルを受けながら挑発。納屋はハイキックを叩き込んで倒す。矢口が突進しがっぷりと組みロープに押し込みクリーンブレイク。納屋はミドルからエルボー。さらに膝蹴りを叩き込むと、膝立ちになった矢口にランニングニー。これで矢口はダウン。そこへ納屋がランニングエルボーも、矢口は避けると髪を掴んで納屋を起こしヘッドロック。納屋はそのままバックドロップで叩きつけフォールし3カウント。
<試合後コメント>
納谷幸男
(セコンドに抱えられながら無言のまま控室へ)
第3試合
HGZがロープに押し込みブレイク。スーパーがローを叩き込み、HGZが足を引きずりながらリングを回るが、タックルで倒しグラウンドへ。これをスーパーが回転して逃れ距離を取る。
スーパーがタックルから足を取っていくが、HGZがフロントネックで捕らえ絞っていくも、頭を抜いたスーパーにHGZはアンクルホールド。スーパーはロープへ這ってブレイク。
HGZはタックルからヘッドロック。スーパーはこれを抜けるとフェイスロックもHGZはロープへ足を伸ばす。
スーパーはローキック連打からソバットを叩き込み、ロープに振るとフライングクロスチョップ。さらにブレーンバスターからエルボードロップを投下し腕固め。これはHGZはロープへ。
スーパーはミドルキック連打も、HGZはタックルから担ぎ上げて水車落とし。HGZは胴締めスリーパーもスーパーはロープへ。
スーパーはロー連打も、HGZはスピアーからロープに振ってチョークスラム。HGZはジャイアントスイングからジャーマンスプレックスホールドも2。タイガーはフランケンで投げてサッカーボールキックも両者ダウン。
スーパーは浴びせ蹴りからタイガースープレックスの体勢も、耐えたHGZへハイキック。さらに飛び膝蹴りも、HGZはバックを取って強引に投げようとする。だがスーパーは足を取って倒しアンクルホールド。HGZはロープへ。
スーパーはロー連打から胴回し回転蹴りを叩き込んでからバックドロップホールドも2。スーパーはジャーマンスープレックスホールドで3カウント。
<試合後コメント>
スーパー・タイガー
「なんとかこの、ストロングスタイル、原点回帰。対戦相手よりもその言葉の重みをもってこのリングに立って、大会を締める。この10年色んなスタイルと戦ってきましたけど、今年10年、来年にかけてまたストロングスタイル、これが今の源流として今のプロレス界に蘇ってくると僕はこれからも証明していきます!」
――次の防衛戦に向けて考えている選手は
「このベルトもあるし、また来年3月。その前にまだ持ってる4つのベルトの内、年内にもう一回防衛戦控えてますし、また来年残りの二つも、そしてまだ狙っていかなきゃいけないベルトもある。ただ、ベルトの数じゃなくてこのストロングスタイルのリングでいかに証明していくか、そちらのことの方が僕にとってより一層大事な戦いになってくると思います」
――船木選手から奪ったそのベルトに重みは感じますか
「船木選手だけじゃないです。大谷選手にも、そしてタイトルマッチとは別でやりましたけどロッキー川村、色んな他団体の選手たちからタイトル守ってきて、船木さんもその中のひとりですけど船木さんだけじゃないです。まだまだ、『後のストロングスタイルを頼んだよ』とバトンタッチしてくれる先輩たちに出会えましたんで、これからも僕が後輩たちに、そして今のプロレス界、お客さんに教えていかないといけないと思ってます」
佐山サトル総監大会総括
佐山サトル
――大会を終えられたご感想は
「すごく満足しています。狙った通りの試合になったんじゃないかなと思います」
――3試合ともご覧になられていましたか
「3試合とも見てました。やっぱりみんなよく分かってくれて、平井さんが付けたHGZという名前の選手も素晴らしかったです。『普段とぜんぜん違うじゃねぇか』ってさっき激励してきたんですけど、すごく良かったです。これでクオリティの高いプロレスがこれから展開されるんじゃないかと思います」
――2017年最後の大会になりましたが、2018年もこの流れを続けていく?
「もう一回これやってみようかなって思ってますんで、3月29日の前に2月12日のイベントがあるんで、それを頑張らないといけないなと思います」
――納谷選手の再デビュー戦ということでしたが
「ああ、いいんじゃないですか。ちょっとバックドロップは浅かったですけど、聞いたら『一回も練習したこと無い』って言うんで。大したもんだなと思いました。背が高いからあれでいいのかもしれないけど。あと、蹴りが船木さんのあとだったんで、目立たなかったというかお客さんは湧かなかったですけど、一発一発の威力とかスピードとか僕は満足しています。いい試合だったと思います」
――佐山選手から見て、納谷選手の今後の課題は
「やっぱり力全てです。まだまだこれからです。今は体力で勝ってるような状態だから。あの体力にしては器用によく動く選手ですよね。スピードがあって、柔らかくて。でも本当の体力はこれから付けていかないと見えてしまうということがありますね。体力がこれからの課題ですね」
――今後、佐山選手と組むことも考えていますか
「いやいや、僕は考えてないですね」
――来年3月に復帰をされるということですが
「自分自身では体の調子は悪いんですけど、中学生に約束してしまった手前があるから復活しなくてはならないんじゃないかなと思ってますね。いつでも出来るんですけどね、やる気に慣ればって感じです。僕の場合は。そしてやるからには『カムバックしてきたけど動きが落ちたな』とかそういうことを言われたくないので、それはタイガーマスクではなくなるので。動きが衰えない状態で復帰ができればいいと思いますね」
――今回『原点回帰』ということでストロングスタイルの回帰を目指して行われた大会ですが、その第1段階としてこの大会に点数をつけるとしたらどうでしょう
「90点ですね」
――残りの10点はなんでしょうか
「あと10点は、伝えきれたかなぁということですね。まだまだ言いたいことはいっぱいあるんですけどね」