【インタビュー】田村和宏がダイスケの引退に向けての想いを受けて覚悟を決める!王者として灼熱王リーグ決勝戦を語る!「逆に本当に叩き潰すことがアイツのためなんだなと思った」
11月5日、神奈川県を中心に活動するプロレス団体・HEAT-UPが行う東京・新木場1stRING大会で、シングルマッチ最強の選手を決める『灼熱王バトルリーグ☆2017』の決勝戦が行われる。
『灼熱王バトルリーグ☆2017』とは、田村和宏率いるHEAT-UPが初めて敢行したシングルマッチ最強の“灼熱王”を決めるリーグ戦であり、9月2日より予選リーグが行われていた。
田村和宏はユニバーサル王座を6度防衛しているHEAT-UP最強の選手だが、灼熱王予選リーグではまさかの敗退となり、リーグ戦の決勝を見守る立場となった。
しかし、田村にはもう一つのメインイベントが控えている。9月に突然の引退を発表した、長年のライバル・ダイスケとの最後の一騎打ちだ。
田村とダイスケは10年以上切磋琢磨してきたライバル同士であり、現在と立場は違えど昔から互いに互いの団体を背負って戦ってきた間柄。ダイスケの引退に対し、田村は納得しておらず、先日のインタビューでも『若い世代の壁としての役割を果たさないままプロレス界を去るのか』『勝ち逃げすんのか!』『まだまだ出来るだろ』と、ライバルの引退表明を寂しさを滲ませながら批判していた。
11月5日のHEAT-UP新木場大会での決戦を明日に控えたこの日、ダイスケのインタビュー記事を読んだ田村の心境を聞くため、緊急前日インタビューを実施した。
――兼平選手、ノリ選手、ダイスケ選手と各選手のインタビューが出揃ったわけですが、それぞれの選手の想いを受けて、田村選手のお気持ちは
「兼平の記事に対しては、多くを語らず本当にリング上の試合で勝負しにくるんだろうなという気持ちが僕には伝わったかなと。今の時代ってどうしても、『リング上のマイクが』とか言われますけど、僕もそうなんですけど、リング上の勝負で見せたいというか、その中にはすべての言葉が含まれていて。田村イズムじゃないけど、そういうのが兼平にもあるのかなというのは少し感じましたね。僕も昔からリング上の試合が全てだと思うので。そこは兼平の言葉は少ないですけど、その分、試合で兼平の想いを試合を通して見て欲しいなというのはありますね」
――それに対して、兼平選手の対戦相手となるノリ選手のインタビューは対照的に映りますか?
「逆にノリさんのインタビューは言葉に説得力があるというか、『まさにそうだ』と納得してしまうんですよね。ノリさんが、『ベルトへの次期挑戦者決定戦じゃない』と言うのも当たり前だし、自分は決勝に上がれなかったので……。まさにその通りだなと。なんも言えねぇなとは正直思いましたね」
――確かに、田村選手の予選リーグ敗退から、『誰がリーグ戦を優勝して田村和宏に挑戦するのか』という空気になっていたかもしれません
「自分が(灼熱王になれなかったのが)悔しくて、『俺は灼熱王とタイトルマッチをやる!』と言ったところを揚げ足獲られた感じがして、一本取られたなという感じはしました。ノリさんには」
――HEAT-UPには、ノリ・ダ・ファンキーシビレサス選手、ヒデ久保田選手、阿部史典選手、石田慎也選手といった名古屋勢が多く定期参戦しています。その中で名古屋勢を代表して名古屋を背負って決勝に挑むノリ選手の言葉を聞いて、改めてどう思われましたか?
「記事からも感じたんですけど、名古屋を大事にしているというか、もしかしたら今、名古屋愛が一番あるレスラーはノリさんなんんじゃないかとすごく感じましたね」
――改めて、"灼熱王"という称号についてお聞きしたいのですが、来年もリーグ戦をやるとしたら、優勝トロフィーが受け継がれていく形になるのでしょうか
「僕的には冠にしたいとは思ってるので、今回はトロフィーと賞金50万円というのを用意するんですけど、その内、『灼熱マント』とか、みんなが狙いたいと思うような冠とかにはしたいと思っています」
――ナイスガイガウンのように、"灼熱王"の称号を賭けての試合というのは行われるのでしょうか
「"灼熱王"を名乗れるだけで価値あるものという風にしたいですね。色々何かつけるとか、ナイスガイガウンみたいに付属のおまけが付いて来るみたいな感じではなくて、『灼熱王を名乗りたい!』と思わせるようなリーグ戦を今後も続けていきたいんです。G-1 CLIMAXみたいな感じですね。『今年の夏男は●●選手!』みたいな感じで、『今年の灼熱王は●●選手!』という感じで。その称号があれば、一年間は周りから『こいつが灼熱王だ!』と言われるというか、"灼熱王"を名乗れるという感じになっていって欲しいなと思いますね。この灼熱王リーグ戦は」
――灼熱王リーグ戦の決勝戦について、二人の想いを聞いた上で改めて見解をお聞かせください
「やっぱり、背負うものの差が勝利を呼び込むのかなって思うので、名古屋を背負うノリさんなのか、もしくは、自分自身をどこまで高めていけるのか挑戦している兼平なのかというところで勝敗が分かれてくると思います。この前も水プロ(10月25日の『水曜カレー&タロット占いプロレス(仮)』)で前哨戦をやったんですけど、本当にどっちが勝つか分からないです。実力的には兼平が勝つのかなと思うんですけど、名古屋という大きいものを背負っている今のノリさんからはもの凄いパワーを感じたので、ちょっとね、正直読めないですね……どっちが行くか……。選手も多分この勝敗は読めないと思います。水プロの前哨戦でも、本当に両者どっちも引かずという感じで、二人からすごく闘争心を感じましたね」
――では、改めて、先日のダイスケ選手のインタビューを読んでのご感想をお聞かせください。引退の理由やそれに至るまでの経緯、田村選手への想いなども語られていました
「アイツの気持ちもすげぇ分かるんですよね。すげぇ分かるし……なんでしょうね……。インタビュー読んで、アイツも多分、引退商法ですげぇ試合してて、身体も悪くて、最後の気力を振り絞って立ち向かってくるんだろうと思うんで、最後の力を出すダイスケと、これから登っていく田村との違いが見られる試合だと思います。悪いけど、アイツは腰が悪いだの膝が悪いだの言ってますけど、僕は全力で行きますんで。ホントに痛いところを揚げ足獲ってきやがってって思うんですけど……(笑)」
――ダイスケ選手は、田村選手の『まだ出来んじゃねぇか!』という言葉に対して、『そう思うなら見事に騙されているだけ』と言っていましたが、田村選手は騙されているのでしょうか?
「騙されてはないですよ(笑) アイツのね、そういう弱いところを出して同情を誘うみたいな、そんな汚いやり方……。(インタビューを)読んで、ホントに決断するのにすごい悩んだんだろうなって感じましたね。だからこそ、最後なんで、悔いの残らないように思い切り叩き潰してやりたいという気持ちに変わりましたね。『まだやれる』って思わせてやろうと思ったんですけど、違うなって。逆に本当に叩き潰すことがアイツのためなんだなと思ったんで、本当に叩き潰してやろうと思ってます」
――この田村vsダイスケのラストマッチ、どのような試合になると思いますか?
「田村vsダイスケも、終わりがどうなるかは俺にもわからないです、ホントに。ノリさんと兼平もどっちが勝つか分からないというのもあるし、俺とダイスケの試合も終わった後どういう雰囲気になるのかって全然読めないんです。俺はこの試合を終わって、『この言葉を残そう』とか、全然想像つかないので、その時の感情で話すと思います」
――最後になりますが、明日の試合に向けて、ダイスケ選手に一言
「ホントに今までの試合の数々シングルやってきたけど、一番読めない試合だと思うので、ダイスケがどんな気持ちで来るのか、お客さんがどういう気持ちで見ているのか、ちょっとわからないんですけど、自分は自分を貫き通してダイスケに向かっていきたいと思います」
『灼熱王バトルリーグ☆2017決勝戦』
日程:2017年11月5日(日)
会場:東京・新木場1stRING
開始:18:00
▼第1試合 HEAT-UP対ガッツワールド・1~ヤングフレッシュWAR~ シングルマッチ 15分1本勝負
井土徹也
vs
大谷譲二(ガッツワールド)
▼第2試合 煙に巻くX タッグマッチ 20分1本勝負
渡辺宏志/伊東優作(DEP)
vs
梅沢菊次郎(アライヴ)/政宗(フリー)
▼第3試合 HEAT-UP対ガッツワールド・2~皮肉な師弟対決~ タッグマッチ 20分1本勝負
藤田峰雄(チンコ)/磐城利樹(フリー)
vs
ミスター雁之助(ガッツワールド)/ガッツ石島(ガッツワールド)
▼第4試合 さよならスライディングD~その魂燃え尽きるまで~ シングルマッチ 15分1本勝負
田村和宏
vs
ダイスケ(ガッツワールド)
▼セミファイナル 灼熱王特別試合~Aブロック対Bブロック~ 6人タッグマッチ 60分1本勝負
ヒデ久保田(フリー)/近藤“ド根性”洋史/CHANGO(フリー)
vs
新井健一郎(DRAGON GATE)/SUSHI(フリー)/阿部史典(スポルティーバ)
▼メインイベント 灼熱王バトルリーグ☆2017 決勝戦 シングルマッチ 時間無制限1本勝負
[Aブロック代表]ノリ・ダ・ファンキーシビレサス(今池プロレス)
vs
[Bブロック代表]兼平大介