【インタビュー】カズが9・2横浜文体を総括し、W-1の未来と展望を語る!「去年と今年の文体のメインイベンターで、新たな1年の幕開けを飾ってほしい」

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 芦野祥太郎と黒潮“イケメン”二郎がW-1の歴史に残るような激闘を繰り広げて締めくくられた、9.2『2017プロレスLOVE in YOKOHAMA』。新体制となって初めて年間最大のビッグマッチに挑んだカズ・ハヤシ社長に同大会を総括してもらうと共に、すでに全カード発表となっている9.18後楽園大会、そして次の1年への展望を語ってもらった。

──社長となって初めてのW-1年間最大のビッグマッチ、横浜文化体育館大会を終えてどのような心境でしょうか?
「正直に言うと挑んで良かったっていう心境ですね。試合前にリングに上がって、お客様にご挨拶させていただきましたけど、今回は武藤さんの試合以外はほぼ現在のW-1のレスラーだけで年間最大のビッグマッチに挑んだんですよ。他団体のレスラーやフリーのレスラーはあまり呼ばなかった。あくまでも現在の僕らの力で挑んでみたいっていう気持ちがあったんでね。ウチらの現在の力も知りたかったし、そういう意味では選手が本当にがんばってくれましたよね。各選手があらん限りの力で最高の試合をしてくれましたし、あとで聞いたらお客様の満足度も高かったと。そういうふうな声を聞くとね、『ああ、挑んで良かったなあ』って気持ちになりましたね。僕らの闘いを応援してくれた皆様に感謝しかないですね」

──最高の試合という言葉が出ましたけど、特に評価が高いのがメインイベントの芦野vsイケメンのW-1チャンピオンシップでした。新世代同士によるメインイベントでしたけど、どのような感想をお持ちになったんですか?
「芦野選手とイケメン選手の試合は、『W-1のメインイベントとはこれだ!』っていうのを僕も観ていて、ビンビンに感じましたね。やっぱり世代どうこうじゃなくて、プロレスは最終的には個人闘争ですから。個人の闘いになっていくわけですよ。自分の世界をしっかりと作って、それをぶつけ合う。世界と世界のぶつかり合いなんですよね。芦野選手とイケメン選手はまだ若いし、キャリアも短いけど、2人ともそういうふうな世界をしっかりと作れていましたよね」

──しかも、36分を超えるロングバトルでしたよね。
「その長い時間の中で自分たちの世界をぶつけ合って、せめぎ合っていた。もちろん試合なんで勝った負けたっていうのはあるんですけど、お互いに相手を認めていたじゃないですか? 芦野選手は普段は相手に厳しいことを言ったりするけど、あの試合はやったものにしかわからない何かがあると思うんですよね。そういう部分ではイケメン選手のことも認めていたし、イケメン選手も芦野選手のことを認めていたような感じだったから、観ていて気持ちが良かったですよ。最高の空間を2人で作ってくれましたね」

──2人にメインを託してよかったと。
「本当にそう思いましたね。ただ、彼らだけじゃなくてね、他の選手たちも本当にがんばってくれたんで。僕らと闘った土肥熊しかり、クルーザーのチャンピオンシップの吉岡選手とアンディ選手もしかりでね。本当にどの選手も、どの試合も素晴らしかったんですよ。W-1の選手って、よく若いって言われるんですけど、若いことによる良さっていうのもあるし、若いからこそできない経験っていうのもね、あるんですよ」

──そこは一長一短ですよね。
「ただ、経験ってさせようと思えばできることなんで。僕らは若い彼らにその経験をさせてしまう。もしかしたら、芦野選手とイケメン選手にしても、団体の年間最大のビッグマッチのメインをやらせるにはキャリア的に言ったら早かったかもしれない。でも、僕はそこを経験させたかった。ああいう大舞台に立つことって、プレッシャーってもの凄くかかるんですよ。僕らみたいに20年以上キャリアを積んだ人間でもプレッシャーってありますからね。それをキャリアの早い段階で経験させることによって、そこをなんとか務めようと必死になる。だから、成長が早いんですよね」

──実際、そうやって見事に彼らは与えられた場所で力を発揮していますよね。
「うん。そうやって成長して、そしてさらに次のステージに行こうという努力をするんですよ。今回の大会ではそういうこれまで積んできた経験をちゃんと活かした若い力の風っていうのかな、そういうふうなものを感じましたね」

──なるほど。でも、文体がこの1年の集大成であるとしたら、スタートの大会でもあったと思うんですよ。文体から始まった物語が、これから進んでいく。ビッグマッチを終えて、次の1年はどのようにW-1を進めていこうと思っているんですか?
「先は見据えていますけど、とにかく僕らは目の前にあるものに対して必死になることが重要だと思うんですよね。そういう意味では次の18日の後楽園ホール大会はいろいろ注目されると思うんですよ」

──内容的に素晴らしかったので、次もまた素晴らしい試合を期待するファンも多いでしょうからね。
「そうなんですよね。だから、それこそ後楽園の第1試合は、あの素晴らしかった芦野vsイケメンの次の試合っていうことになりますからね。第1試合も重要だし、これは全選手にプレッシャーがのしかかっていると思いますよ。僕だってタイトルマッチが組まれてるし、土肥熊とやった文体以上の試合を見せなきゃって思っているぐらいなんで。だから、そう考えるとやっぱり芦野選手に稲葉選手が挑戦するタイトルマッチってもの凄く重要ですよね」

──その稲葉選手は文体のメイン終了後にリングに上がって名乗りを上げたじゃないですか? あの行動には賛否両論がありましたが、その挑戦を認めた理由を教えてください。
「稲葉選手って普段はおとなしい性格をしているんですよ。それなのにへたをするとメインの余韻をぶち壊しかねないような行動を取った。あれはねえ、彼にしかわからないと思います。セコンドで観てたんでしょ?」

──イケメン選手のセコンドについてましたね。
「ぶっちゃけレスラーってそういうところがありますからね。人の試合を観ていて、居ても立ってもいられなくなっちゃうっていう。自分もそういうふうなことがありますから。あの熱意は買いたいですよね。それが会社として挑戦を認め、タイトルマッチを組んだ理由ですかね。チャンピオンもOKしましたしね」

──伊藤選手がタッグ王座への挑戦表明をコメントブースでしてきましたけど、そういう気持ちのある人間にはチャンスは与えると。
「そういうことですね。稲葉選手は去年の文体で急遽メインに立ったじゃないですか? KAI選手とタイトルマッチをやったあの時の気持ち、そしてチャンピオンになってからの苦悩や、周りからのプレッシャー。こういうのって本人以外は誰にもわからないし、非常に孤独な部分なんですよね。でも、彼はそういう孤独に闘っているところとかを人に見せないし、凄くひたむきにプロレスに取り組んでるんですよ」

──お人好しなんて言われてますけど、そういう孤独な部分を見せずにみんなと接していたわけですね。
「うん。でも、ひたむきな姿勢って大事ですよね、何をするにも。ZERO1の大谷さんが彼のことを絶賛してくれて、『火祭り』にも推薦選手として出してくれたんですけど、そういう部分を買ってくれてるんじゃないかなと思いますね。グランプリが1回戦負けだったんで実績どうのこうのってあるのかもしれないけど、ぶっちゃけ児玉選手の邪魔がなきゃ、僕は結果は違ったんじゃないかなと思うんですよ」

──本人もあのグランプリは納得いかない部分はあるでしょうしね。
「この1年の彼の闘いを見ていてそう思います。あれがなければ、彼が文体のメインに立っていた可能性はありますからね。去年の文体のメインイベンターと今年の文体のメインイベンターで、新たな1年の幕開けを飾ってほしい。そういう意味では今回の後楽園大会に関して、稲葉選手は挑戦者として最も相応しいと思いますね」

──社長としても期待値の高いカードだということですね。
「はい。まあ、文体のメインを務めた芦野選手とイケメン選手が頭一つ抜けたような印象はありますけど、じゃあ誰がそこに続くのかと言ったら、やっぱり昨年の文体のメインイベンターである稲葉選手を思い浮かべますよね。若手の中では誰よりも早くW-1チャンピオンシップを手に入れた人間だし、本来そこに並んでなきゃおかしい選手なんで。まあ、芦野vsイケメンというカードがW-1として一つの商品となったので、今度は芦野vs稲葉で商品になるような試合をしてほしいという気持ちもあります」

──わかりました。それでは9.18後楽園大会も期待しております!

『WRESTLE-1 TOURR 2017 4th ANNIVERSARY』
日時:2017年9月18日(月・祝)
開始:18:30
会場:東京・後楽園ホール大会

▼WRESTLE-1チャンピオンシップ 60分1本勝負
【第11代王者】芦野祥太郎
vs
【挑戦者】稲葉大樹
※第11代王者、5度目の防衛戦。

▼WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ 60分1本勝負
【第11代王者組】カズ・ハヤシ/近藤修司
vs
【挑戦者組】河野真幸/伊藤貴則(ACE)
※第11代王者組、初の防衛戦。

▼UWA世界6人タッグ選手権試合 60分1本勝負
【第58代王者組】征矢学/NOSAWA論外(東京愚連隊)/タナカ岩石(ACE)
vs
【挑戦者組】黒潮“イケメン”二郎/土肥孝司/熊ゴロー
※第58代王者組、5度目の防衛戦。

▼6人タッグマッチ
吉岡世起/MAZADA/仲川翔大(ASUKA PROJECT)
Vs
アンディ・ウー/MIKAMI(フリー)/頓所隼(ACE)

▼タッグマッチ
児玉裕輔/立花誠吾(ACE)
vs
火野裕士(フリー)/ジェイク・オーメン

▼タッグマッチ
一(ACE)/皇壮馬(ACE)
vs
三富政行(愛媛)/藤原ライオン

▼シングルマッチ
佐藤嗣崇
vs
牙城(和志組~闘真~)

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