最後のFMW後楽園ではく離骨折の大仁田からタイガー軍が勝利しベルト流出!シャーク土屋が大ブーイングの中引退!

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 11月24日、現体制における超戦闘プロレスFMWの最後の東京・後楽園ホール大会が開催され、FMWの“至宝”世界ストリートファイト8人タッグ王座が黒虎軍に流出する波乱で幕を閉じた。

 同大会のメーンイベントで、大仁田厚&保坂秀樹&雷神矢口&Hi69の大仁田軍が、初代タイガーマスクの“刺客”である3代目タイガーマスク・ティグレ・エン・マスカラード&グレート・タイガー&5代目ブラック・タイガー&ブラック・タイガーⅦのタイガー軍と、FMW認定世界ストリートファイト8人タッグ王座を懸け激突。空位となっていた同王座は本来、“6人タッグ選手権”だったが、タイガー軍の無法要求により、8人タッグ選手権に変更させられた。

20161124fmw3 実は大仁田はZERO1の11・22大津大会で、左かかとをはく離骨折しており、ケガをおしての強行出場だった。それでも、大仁田はBタイガーVIIを、机上パイルドライバー、サンダーファイアーパワーボム連発で追い込むも、噴射した毒霧が矢口に誤爆し、流れが一変。グレートがHi69を捕獲し、ダイビング・ヘッドバットを見舞い3カウントを奪取。8人タッグ王座はタイガー軍の手に渡ってしまった。
 タイガー軍を代表して、グレートは「大仁田! ふざけんじゃねぇ! 寝言は寝て言え! いつでもどこでも防衛戦やってやるから」としてやったり。
 今回、初代タイガーから派遣されたのは、いわゆるリアルジャパン・プロレスのヒール部隊といってもいい。大仁田軍の矢口が、同団体の12・7後楽園大会で、初代タイガーとタッグ対決することが電撃決定し、今後、大仁田軍とタイガー軍本隊との全面戦争が勃発する雲行きとなってきた。遺恨深まった大仁田軍と黒虎軍の抗争も、このまま終わるはずはなく、新章を迎えるFMWマットが風雲急を告げてきた。

 控え室に戻った大仁田は、今後のFMWに触れ、「今後、大仁田興行として後楽園でやることはあるかもしれないけど、FMWは原点に返って、新木場(1stRING)からやっていった方がいいと思う。200人、300人のファンをガッチリつかんで。オレがマッチメークやって、若手を登用して、新しいFMWを作ってやろうかなと思ってる。オレがいなくなった後に、自力をつけて、本当のファンをつけて、後楽園に戻ってくるべき。高橋(英樹)新体制で基礎を作っていった方がいいと思います」と言及。
 今大会を区切りに、昨年3月に創設時のFMWプロモーション(高橋英樹代表)による運営に戻るFMWは、12・23高松大会より新たなスタートを切る。

 また、全日本プロレス11・27両国国技館で、同期生の渕正信と組み、青木篤志と佐藤光留が保持するアジアタッグ王座に挑む大仁田は「電流爆破バット(の使用)は引き下がらない。オレと渕さんで、第100代目のアジアのベルトを巻かせてもらう。全日本のファンの皆さま、お邪魔します、両国ではちゃんと痛み止めの薬を飲んで出ます。全日本のリングに上がれるのは感無量です」と、必勝を誓っていた。

20161124fmw1■悪の限りを尽くしたシャーク土屋がブーイングを浴び引退

 旧FMW1期生で、ヒールユニット猛毒隊のリーダーとして、FMWのみならず、女子プロマットを席巻し、悪の限りを尽くしたシャーク土屋が、ブーイングを浴びながら、リングに別れを告げた。
 昨年10月、第1型糖尿病から来る壊疽(えそ)のため、右ヒザから下を切断。今年5月には、乳がんのため、右乳房を全摘した土屋は、今大会で引退セレモニーを行った。
 会場にはFMW女子OGのクラッシャー前泊、里美和、バッドナース中村(RIE)、岩見敬子らを始め、イーグル沢井、遠藤美月、沖野小百合、キャロル美鳥、長嶋美智子らの現元LLPW勢、薮下めぐみ、小山亜矢の元Jd’勢らが来場。
 土屋がトレードマークの鎖ガマを持ってリングに上がると、かつてGAEA JAPANマットで血みどろの抗争を繰り広げた長与千種がコスチューム姿で現れた。土屋は有刺鉄線竹刀で、長与の腹を殴打し、カバーに入ると、Tommyレフェリーが3カウントを叩いた。その後、土屋と長与は抱き合い、過去の遺恨を水に流した。

 引退の10カウントゴングを聞いた土屋は、自身たっての希望で、観衆に“ブーイング”を求め、ヒールらしくリングを下りた。
「一区切りついた。仲間は知らないうちにいろいろ来てくれてすごいね。平成裁恐猛毒GUREN隊って、すごいのやってたけど、みんな来てくれて。大仁田さんがリングに上げてくれて、用意してくれて・・・。試合前なのに、田中(将斗)やキンタロー(W★ING金村)とか来てくれてうれしい。(長与が)来るとは思わなかった。ビックリした。私はあの人から何回も3カウント取ってるから。最後のは気持ちの3カウント。声援よりブーイングの方が懐かしい」(土屋)

<ダイジェスト>
 休憩明けに、山近義幸代表が、コスチューム姿のRayとともにリングに上がった。山近代表は「約1年間、オーナー兼代表を務めさせていただきましたが、本日をもって退任します。ダンプ(松本)さんが、『もう1度後楽園を!』と言われましたが、大仁田さん、高橋次期代表と3人で何回も話し合い、後楽園は凍結しようと決まりました、力が及ばず申し訳ありません。後楽園、新宿FACEと超満員を続けて参りましたが、本日はこのようなありさまで、最後を飾ることになりました。もう1度、しっかり高橋次期代表に立て直していただけると思います。私たち、ザメディアジョングループ、ダイヤモンド・ジャパン・ホールディングは本日をもって去らせていただきます。短い間でしたが、いろんな思いが正直あります。ネット上では爆弾を落とすと言ってしまいましたが、この1年間、大仁田さん、(ミス)モンゴルさん、保坂さん、ショッカー(1号)さん、いろんな方への恩義を感じると、ここでは、こういうあいさつにとどめさせていただきます。ありがとうございました」とあいさつ。
 レザーフェイス、ショッカーを蹴散らしたRayは「このリングに立つと、闘いたくなる気持ちも出てくるんですけど、まだ病気が治ってません。もう少し、治療していきたいと思います。皆さんの前でまた試合できるようにがんばっていますので、温かく見守ってください」と現状報告。

 12・27後楽園で引退する金村が、橋本友彦と組み、“終生のライバル”である田中、大家健とハードコアマッチで激突。場外に設置した机の上に、田中を乗せ、フライングボディプレスを見舞うなど、往年の名勝負が再現されたが、最後はスライディングDで、田中が橋本を仕留めた。

 新・極悪同盟を結成したモンゴル&ダンプは、渡辺智子&ミス・コハルと対戦。開始早々、ダンプがボディプレスを決めて、わずか16秒で、コハルをフォール。勝ったダンプ自ら延長戦を要求も、モンゴルがカンバヤCでコハルからギブアップを奪った。
 モンゴルが「コハル、一からやり直せ。一生懸命さが何も伝わってないよ、お客さんに! 私が恥ずかしい。渡辺さんにも申し訳ない。ダンプさんにも顔が立たない」と叱責すると、コハルは「一からじゃなく、ゼロから這い上がってやる!」と絶叫。
 ダンプは「モンゴル、オマエが面倒見いいから、ずっと面倒見てるけど、悲しくなる。代わりに、オレがオマエを目立つようにしてやるから。いつか、ZAP、モンゴル、ダンプで一緒に黄色の極悪のTシャツを着れるようにしてやるから、がんばれ!」と言って、リングを下りた。

 コミッショナー査定試合となった、万喜なつみ&中野たむvsブラックポテ子(安納サオリ)&日里麻美のアクトレスガールズ提供試合は、劣勢だった万喜が、ポテ子にバックラッシュを決めて逆転勝ち。飯泉薫コミッショナーは「FMWにふさわしい素晴らしい試合でした。これからもFMWに参戦してください」と合格点を与えた。
 オープニングでは、海外公演のため、来場できなかった演歌女子ルピナス組に代わり、妹分の民謡女子ハピネス組が、FMWのテーマ曲「ファイアー音頭」を歌った。

20161124fmw4超戦闘プロレスFMW『ダイヤモンドな日本道』
日程:11月24日(木)
会場:東京・後楽園ホール
開始:18:30
観衆:900人

▼バトルロイヤル 9人参加時間無制限
【退場順】佐瀬昌宏→ザ・ショッカー1号→雷電→田中稔→ワイルド・セブン→レザーフェイス→佐野直
○パンディータ
8分59秒 オーバー・ザ・トップロープ
●戸井克成

▼アクトレスガールズ提供試合 30分1本勝負
○万喜なつみ/中野たむ
10分20秒 バックラッシュ
●ブラックポテ子/日里麻美

▼タッグマッチ 30分1本勝負
菊タロー/○がばいじいちゃん
11分7秒 がばいトーンボム→体固め
●くいしんぼう仮面/リッキー・フジ

▼FMW女子プロレス 30分1本勝負
ミス・モンゴル/○ダンプ松本
16秒 ボディプレス→体固め
渡辺智子/●ミス・コハル

<延長戦>
○ミス・モンゴル/ダンプ松本
4分22秒 カンバヤC
渡辺智子/●ミス・コハル

▼シングルマッチ 45分1本勝負
○中野巽耀
3分32秒 裸絞め
●五所川原吾作

▼FMWハードコアタッグマッチ 45分1本勝負
○田中将斗/大家健
12分56秒 スライディングD→エビ固め
W★ING金村/●橋本友彦

▼FMW認定世界ストリートファイト8人タッグ王座決定戦~ストリートファイト8人タッグマッチ 60分1本勝負
3代目タイガーマスク・ティグレ・エン・マスカラード/○グレート・タイガー/5代目ブラック・タイガー/ブラック・タイガーVII
14分29秒 ダイビング・ヘッドバット→片エビ固め
大仁田厚/保坂秀樹/雷神矢口/●Hi69
※タイガー組が初代王者となる

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