北岡悟がHOOTERS渋谷店で公開練習!「勝てば強い、負ければ弱い。そういうこと」

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 9月30日夕、都内渋谷区の「HOOTERS 渋谷店」にて、北岡悟(Lotus世田谷/パンクラスイズム横浜)が公開練習をおこなった。北岡は「PANCRASE 281」(10月2日、ディファ有明)で、元UFCファイター、レオナルド・マフラ(KINGS MMA)と対戦する。
 HOOTERS店内には、昨日から大会当日まで特設ケージが設置されている。北岡は、同大会第1試合で闘う木村一成(パンクラスイズム横浜)をパートナーに、このケージ内で4分間、シャドーやスパーリングを披露した。一般公開されていたため、店内には既に客が入っていたが、北岡のリフティングなどの動きに驚いている様子だった。
 北岡はこの公開練習について「はしゃぐ感じでもないです。長くやっているれば、いろんなことを経験しますし、海外ではよくあることでしょう。ま、こういうこともあるな、と思うだけです。持ち上げタックルとかやってみましたが、相手が試合前でなければ、もっとガンガンやってもよかったかな」とクールだった。

2016-09-30pancrase_kitaoka1
——コンディションはいかがですか
北岡「整えてきたので、(試合当日には)整っていると思います。今現在、100%でも仕方ないですし。コンディションは悪くはないけど、絶好調でもないという感じですね。試合の時には更に良くなっていると思います。体重は余裕ですね。ほぼ毎日、風呂(銭湯、スーパー銭湯など)に入っているので。代謝はすごく良くなっています。自分で決めている入り方があるんですが、それをすると、少なくとも2kg近く落ちます」

——相手の印象はいかがでしょうか
北岡「あまり相手の印象を語るのは好きじゃないです。(考えて)…まあ、打撃の選手なんでしょうね。簡単に言っちゃうとそうなりますけど。でも、MMAはあらゆる局面のある競技なので、「打撃の選手」というだけで片付けるのは失礼だと思います。僕の格闘技も、レスリングなんてひと言で片付けるものじゃない。そんなに簡単なものじゃないです。だから、彼のことを打撃の選手と片付けてしまうのは、彼に対しても、自分のやってきたことに対しても失礼だと思うんです。マフラ選手の印象は、試合ごとに違いますね。成績は残しているので実力はあると思いますが、思ったよりキャリアはない。20戦やってないですよね。まだ、これから変わっていく選手なんじゃないでしょうか」

——前回はDEEP(DEEP 76 IMPACT、DEEPライト級タイトルマッチにて下石康太を破り王座防衛)でリングでした。ケージでの試合は約11ヵ月ぶりになります
北岡「自分のジムにもケージがありますし、ケージの方がやりやすいです。自分はケージでの方が強いとも思います。でも、改めてやってみないとわからないですね」

——今大会から、TOKYO MX TVでの生中継が始まり、北岡選手の試合も放送されます
北岡「思いはありますけど…。得意の『言いたくない』。ですね」

——どんな姿を見せてくれるか、楽しみにしている人も多いと思います
北岡「テレビは、僕がやってきたことや、今の自分が勝手に映されるものだと思います。だから、今の僕を会場で見せるだけです。それを、撮る人が流し伝えてくれるもの。それが彼らの仕事ですし。僕は、今の自分を見せるだけです」

——前大会で、ライト級王者が交代しました
北岡「今。そのことはどうでもいいことです。もちろん、パンクラスのベルトが巻きたくて格闘技を続けている部分はありますよ。そこを見ていないわけではないです。ですが、今そのことを話せというのは、明後日に向けてやってきた僕に失礼だと思います。あとのことは、明後日の試合が終わってから考えます」

——DEEPでの勝利は、練習環境が変わって初めての勝利でした。新しい環境で、良くなったことはどんなことでしょうか
北岡「より格闘技の中に絶えずいる状況になりましたね。あと、意識の高い選手や技量の高い選手が集まってくれているので、自分の格闘技の密度がより高くなっていくように思います。それがいいのかどうかは分からないですけど。濃くても重くなったらダメだし。動けないとダメですからね。でも、それも自分次第です。重かろうと足を動かせばいいんですから。摩耗して終わったら意味がないということです

——以前は、ご自分のことだけに没頭できたと思うのですが、今はそうはいかないのでは?
北岡「でも、今までも僕は、自分に関わる人たちのことを、自分なりに思ってやってきたので。今は、それが少し明確になっただけですね。僕なりにうまく環境を作ってやってきましたから。多くの選手が仕事を持って格闘技をやっています。そういう選手に負けたこともあります。勝てば強い、負ければ弱い。そういうことです。人間としては確実に強くなったと思いますけど、でも僕は、人として強くなりたいわけじゃない。明後日勝てば、強いということになるんです。明後日勝つ、それだけです」

 人前で試合をするということは、人前に自分の姿をさらけ出すということ。それは決して甘いものではない。勝ったね、よかったね、すごいね、だけで終わるのではなく、見た者の心に何か取れない引っかかりを作ったり、そこから何かを考えさせるような試合をできる選手は、そう多くはない。
 格闘技に対する北岡の思いはまるで、ドロドロと燃えたぎるマグマのようだ。この人を見よ。試合を通したその向こうに見える、北岡悟という人間の生きる証を。

(写真・文/佐佐木 澪)

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