三崎和雄の指導のもとパンクラスライト級王者徳留一樹が金原正徳や小見川道大らと公開練習!

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 8月24日、都内渋谷区のReebok CrossFit DAIKANYAMAにて、徳留一樹(パラエストラ八王子)が公開練習をおこなった。徳留は「PANCRASE 280」(9月11日、ディファ有明)において、ライト級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチで久米鷹介(ALIVE)の挑戦を受ける。

 4年ほど前からこのジムでトレーニングを行なってきた徳留。今回も、三崎和雄の指導のもと、金原正徳、小見川道大ら数人の選手たちと共にサーキットトレーニングに打ち込んだ。
 メニューはランニング、ローイング、サンドバッグ打ち、ミット打ち、ロープ振り、バーベル、腕立てなど、負荷の重い動ばかりだ。これらをほとんどインターバルなく次々とこなしていく。シンプルな動きばかりだが、妥協せず最大の力を使って行なうため、徳留の顔はみるみる歪んでゆく。しかし、三崎が厳しくも温かく見守る中、激しいトレーニングを終えた。

 徳留は、吹き出す汗を押さえながら「試合が終わって少し休むと落ちるんですけど、試合に向けてこのトレーニングを始めると心肺機能が上がってきます。そうすると、スパーリングで、最後の最後にもう駄目だ、動けないというところで動けないということがなくなるんです」と話した。
 よく見ると、身体も以前よりしなやかに、バネが強くなったように見受けられる。前回(2016年4月)もこのジムでのトレーニングを公開しているが、その時よりも明らかに対応力が上がり、回復も速くなっている。前回はメニューをこなしたもののかなり消耗していたのに、今回は余裕さえ感じられる。

「心肺機能もスピードも確実にアップしていますね。数値的にどうとかは分からないですけど、始めた頃に比べてメニューは確実にすごくハードになっています。そのお陰で、全て底上げ出来ています」

2016-08-24PANCRASE_tokudome
 一緒にメニューをこなすのは総合格闘技の選手だけではないが「違う競技の選手とは、あまり試合や技術については話しませんけど、減量はどうですか、体調はどうですか、というのは話しますね。みんな仲が良くて、へこたれそうになると、“頑張れ!”と声をかけてくれるんです。メニューが本当にキツくて心が折れそうになった時も頑張れますね。チームワークが本当にいいんです」と言う。
 パンクラスに上がり始めた頃から、スタミナが課題だった。しかし、このトレーニングを続けることにより克服してきたようだ。タイトルマッチは5分5ラウンドという長丁場だが、これに対応する自信もついてきた。
「(昨年11月の北岡悟戦で)5分4ラウンドやりましたけど、きつかったです。でも、やり切れました。インターバル中にスタミナが回復するのも実感できました。いつも早い段階で倒すことを考えて闘いますが、久米選手も粘り強いですし、そう簡単にはいかないと思います。でも、最後の最後、一番苦しい場面でこの練習が生きてくると思います」と笑顔を見せた。

 練習内容については、特に強化しているものはないという。
 「変わったことはないですね。いつも通り。やってきたことを、いかにしっかり出せるかが大事です。とにかく5分5ラウンド、バテずにやり切ることをしっかり念頭に置いています。久米選手について、塩田(歩・パラエストラ八王子)館長や大宮司(進・シルバーウルフ)と話し合ったり映像を見たりしていますけど、特別な対策というのはないですね。ただ、注意すべき点に重点を置いて見ています」
 徳留はReebok CrossFit DAIKANYAMAでのトレーニングのほか、所属のパラエストラ八王子と、シルバーウルフでの練習も続けている。こちらはサーキット以上に長く続けており、徳留は両代表に絶対の信頼を置いている。心強い仲間や指導者に恵まれ、徳留はここまで強くなってきたのだ。

2016-08-24PANCRASE_tokudome2
 王者として初防衛戦となるが、徳留が見据えているのはベルト防衛だけではない。
 「もちろん、しっかり勝ってパンクラス・ライト級の強さをアピールできればいいなと思っています。でも、それだけでなく、僕はその先も見ています。ここを逃したら、“そこ”には行けないという気持ちがすごく強いです。だからこそ、キツいトレーニングもやって来られました。5分5ラウンドってすごくキツくて、最初は本当に嫌だったんですよ。もう本当に嫌になっちゃう。でも、これが出来なければチャンピオンじゃないと思って、歯を食いしばってやってきました。だから変われたんだと思います。
正直言うと、UFCに出ている時でもここまでハードに走ったことはなかったんです。こういう練習があるのを知らなかったということもありますけど、でも、ここまでやっていなかった。その状態で試合をしていたんです。100%で試合に臨んでいなかった。でも今は、100%の状態で出られるように練習しています。自信を持って5分5ラウンドを闘えます」
目標は、再びUFCへ。徳留の目は、自信に溢れていた。

 先にインタビューした久米も、1つ1つ城郭の石を積むようにコツコツと積み重ねてきている。今回、取材した徳留も、4年かけてここまで積み重ねてきた。当たり前のことだが、相手との闘いの前に、自分との厳しい闘いがあるということを改めて思い知らされた。試合まで約20日。当日、より大きく堅牢な城郭を築いているのはどちらだろうか。そして、最大のパフォーマンスを出せるのはどちらか。それが出来た者があのベルトを巻くことができる。見逃すわけにはいかない。

(写真・文/佐佐木 澪)

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