7・18 花鳥風月王子大会 勝村周一朗vs忍 唐澤志陽vs矢郷良明 進祐哉vs伊藤崇文
『シアタープロレス花鳥風月』
日程:2016年7月18日(祝・月)
開始:17:00
会場:東京都・花まる学習会王子小劇場
観衆:156人
▼第0試合 エキシビションマッチ 3分2ラウンド 変則格闘技ルール
生田誠
2R ドロー
篠宮敏久
▼唐澤志陽プロレスデビュー戦 シングルマッチ 15分1本勝負
○矢郷良明
5分54秒 キーロック
●唐澤志陽
▼タッグマッチ 20分1本勝負
○山本裕次郎/岡田剛史
6分37秒 腹固め
●瓦井寿也/たけむら光一
▼タッグマッチ 20分1本勝負
△江利川祐/ジョシュ・オブライエン
17分9秒 両者リングアウト
△梅沢菊次郎/松本崇寿
▼タッグマッチ 20分1本勝負
○関友紀子/○服部健太/○三尾祥久
14分3秒 体固め ※ウルフと篠宮に対するロビンのウルトラディスティニーを関、服部、三尾がロビンに覆いかぶさり全員でフォール
●ウルフ・スター☆/●黒い篠宮/○ウルトラマンロビン
▼シングルマッチ 30分1本勝負
○進祐哉
14分00秒 体固め ※スリーパーホールドを仕掛けられたまま、相手の肩をマットにつける
●伊藤崇文
▼VKF無差別級選手権 61分1本勝負
△勝村周一朗
1分10秒 ノーコンテスト ※レフェリー骨折により試合の進行が不可能になった為
△忍
▼再試合 VKF無差別級選手権 61分1本勝負
○勝村周一朗
11分35秒 レフェリーストップ
●忍
※第7代王者が3度目の防衛に成功。
忍がレフェリーを試合中に骨折させタイトルマッチがノーコンテスト!?唐澤志陽が矢郷良明相手にプロレスデビュー!
第0試合
“トラスト柔術アカデミーの伝説”生田誠と、花鳥風月の寝業師・篠宮敏久がラウンド制の特別ルールで対決。
1R目、反時計回りで相手を伺う。生田がバックを取り、篠宮も周り込もうとするが、足のクラッチが外れない。ここから目まぐるしく展開させ、篠宮が腕を取っていく。馬乗りになると篠宮はすぐに回転。生田も緩ませず動いていく。スタンディングになると、篠宮は飛びつき逆十字を狙うが生田がかわし、ひとりパワーボム状態で落ちてしまう。ここでゴングが鳴り、インターバル。
セコンドに着いた勝村が篠宮に水を渡すが、キャップがキツく締まり、昼大会同様またしてもフタを開けられない。焦る篠宮を見かね、勝村が掴みを使い開けるが、先に自ら水を口にしたところでインターバルが終了。給水できずに2R目を迎える。
2R目、手四つからマウントを取りに行く篠宮。しかしここは生田が1枚上手で攻めていく。篠宮はアドバイスをセコンドの勝村に求めるが、「がんばれ!」のみ。再び篠宮がマウントを取るが、生田はここでひっくり返し、背後から裸絞め。篠宮は足を取りにいき、アンクルホールドの形に。しかし生田はバックから抱えて、バックドロップのような形で落としていく。ここから生田は変形のヘッドシザース。生田がさらに攻め入ったところでゴング。互いに健闘をたたえ、生田のセコンドについた岡田剛史が篠宮に給水。しかし勝村から広島土産の乾きものが渡され、生田が食べさせることにより、篠宮の口内からは再び水分が失われた。
第1試合
試合前、プロレスラーデビューを祝して、スペシャルゲストの日乃まそらから唐澤へ花束が贈呈される。
試合は矢郷の奇襲からスタート。場外へ連れ出し、鉄柱にぶつけていく。正拳突きからミドルキックも、唐澤かわして誤爆を誘う。リング内に戻ると、ローキック、ミドルキックと繰り出しダウンを奪う。立ち上がると矢郷も珍しく空手技で唐澤を追い詰め、ヘッドシザース。これを唐澤ロープブレイク。立ち上がると唐澤はミドルキックを打ち込み、フライングメイヤーからPK。矢郷は立ち上がるとアッパーブロー。ダウンした唐澤を立ち上がらせ、ボディブローを連発。唐澤もローキックで対抗するが、矢郷はアームブリーカー、ナックルアローと畳み掛け、平手打ち。唐澤もローキックを浴びせるが、首投げからキーロックを極める。矢郷はそのままキーロックをほどかずに、唐澤からタップアウトを奪った。
矢郷「唐澤くん、キーロックで負けるのはどんな気分だい。プロレスの基本技、キーロックでも勝ててしまうんだ。お前ら、プロレス舐めんなよ。僕も空手をやってて、キックボクシングもやってる。だから唐澤君の師匠、ランバー・ソムデート先生とも面識があって尊敬している。唐澤くん、キミが今ランバー先生のジムを引き継いでいるんだろ? 新しい生徒をどんどん育ててやってくれ。そしてプロレスも頑張ってやってくれ。キーロックで負けることもある。前の試合では4の字固めで負けるヤツもいるから、もっと頑張って、もっと楽しくやってくれたらいいよ。唐澤くんにもう一度拍手を!」
第2試合
先発は山本と瓦井。エルボーの打ち合いからコーナーに追い詰め、たけむらに交替。キックの打ち合いから山本のミドルキックを掴んだたけむらが、背面を向かせてドロップキック。岡田に替わると、エルボー連打、逆水平。岡田はたけむらを寝かせるとPKからセントーン。たけむらは起き上がり、左右のミドルキックをたたき込むが、岡田がキャッチし、ドラゴンスクリュー。「手のあとは足かよー」と嘆くたけむらは、岡田から替わった山本にスープレックス、ドロップキックと畳み掛ける。
瓦井と山本の場面。瓦井がパワー殺法ぶっこぬきブレーンバスター、チョークスラムと連発。サイドスラムで落とすと、山本が立ち上がったところでタックルに向かうが、腕を取られて藤原式の腹固め。これをこらえきれずにギブアップ。
第3試合
先発はジョシュと松本。組みついて松本の顔に平手を打つジョシュだが、すぐに江利川にタッチ。江利川も平手を打って交替というヒット・アンド・アウェイ作戦。しかし江利川は松本に捕まりエルボースマッシュの餌食となる。
江利川と梅沢の場面、江利川は感情あらわにぶつかっていく。逆水平チョップを打ち込む江利川だったが、梅沢は倍のパワーで打ち返し場外へ。梅沢は頭突きを連発。ジョシュが助けに向かうも松本に切り離される。梅沢は会場ロビーへと江利川を引きづり回し、頭突きを連発。江利川が反撃の頭突きをしたところで額が割れ流血。ロビーから戻ってきた梅沢は、鮮血の出る江利川に頭突きを入れ、額を攻める。リングに戻しフォールするがカウント2。江利川は逆水平も、梅沢は高笑い。必死の反撃でジョシュに替わる江利川だったが、顔面はみるみる真っ赤に染まっていく。ジョシュはランニングエルボーで梅沢をフォールするも決まらず、逆にパワースラム。松本に替わると、ランニング飛びヒザ蹴りからフォールを狙う。再び梅沢に替わると、江利川が飛びかかり再び場外乱闘へ。イスをなぎ倒す両軍はカウント内にリングに戻らず両者リングアウトが宣言された。
第4試合
先発は服部とウルフ。ウルフは「この花鳥風月に、CMに出て天狗になってるやつがいるぞー!」と、DELL・Latitude13 7000シリーズのコマーシャル出演中の服部へ天狗コールを促すと、疲れた! と言いすぐにロビンにタッチ。煽られまくった服部をロビンに攻めさせる。ヘッドロック、アームホイップといつも以上にきちんと攻めるロビン。キーロックから脇固めへ。さらにそこからイギリス仕込みのSTF。
三尾と篠宮の場面。三尾のルチャムーブから、篠宮はブレイクダンスのウインドミルのようにくるくる回りバックを取ってスリーパー。振りほどくと篠宮はアームホイップ。三尾は関と替わり、リング上は関と篠宮に。手四つになったところで「ババー」と叫び、ウルフが強襲。「ロビンさんヒザ出してください!」とダブル攻撃を呼び掛けるが、ロビンは「反則はしない」と拒否。「反則が仕事だ!」と篠宮と合体技を仕掛けると、関をコーナーに貼り付けジェットストリームアタックを仕掛けるが、関はこれを迎撃して逆にスイングDDT。三尾、服部と逆に連携を決めていく。
三尾とロビンの場面。篠宮が三尾を捕え攻撃を要求するが、加わらないロビン。ロビンは正々堂々と三尾に勝負を挑んでいく。次第にウルフは反則攻撃を多用しはじめ、急所攻撃でチャンスを作ると、ロビンにチェーン攻撃を呼び掛ける。ロビンは「やめろ」とか細い声で制止するとウルフと篠宮2人目がけてウルトラダイナマイトを炸裂。篠宮にサイドスープレックス。服部は「ロビンさん決めてください」と呼びかけると、ロビンはうなずきコーナーポストから必殺ウルトラディスティニーをタッグパートナー目がけて投下。服部らが押さえ込み、たなからボタモチの勝利を手にした。
ロビン「オレは反則が嫌いなんだ。リングの上で正々堂々戦うのがウルトラマンロビンなんだよ。俺がこのマイクを持ったってことは何を言いたいかわかるよね!? そう、1,2,3,ディスティニー。知ってるよね! いくぞ、1,2,3,ディスティニー!!」
第5試合
睨み合う立ち上がり。伊藤は足を取っていくが、進もレッグロッグから首を取り、伊藤が返したところでロープブレイク。足払いから足を捕獲する進だったが、伊藤はフェイスロック。緊張感のある展開が続く。進はローキックでけん制すると、伊藤は掌低を当てていく。さらに伊藤はローキックで進むを倒すと4の字固め。以降、脚部へのストンピング。ヒザ十字と徹底的に足を狙う伊藤は、レッグロックからジャーマン・スープレックス。立ち上がったところで進は痛めた足でニールキック。コーナーに振ってミドルキック。タランチュラ式腕十字、スワンダイブミサイルキックでカウント2。進はチキンウイングアームロック、腕へのパントキックと伊藤の腕へ集中砲火。進はミドルキックで伊藤の腕を攻めると、何発目かを交わしてバックに回りスリーパー。スタンディング肩固めに移行すると、裏投げからラリアット。伊藤もジャーマン・スープレックスを返していき両者ノックダウン。互いにカウント7で立ち上がるが、進はすぐに倒れ込み、伊藤がフォールでカウント2。ジャーマン・スープレックスで投げるも、進の足がロープにかかりカウント1。伊藤はスリーパーで落としにかかるが、おんぶ状態で伊藤をコーナーへ叩きつけると、その跳ね返りの勢いのまま前転。尚もスリーパーを解かない伊藤だが、偶然にも進の体が上になり、伊藤の肩がマットへ着いたところカウントが数えられ進のフォール勝ちが告げられた。伊藤はスリーパーでのレフリーストップではないかと抗議したが覆らなかった。
伊藤「おい! コイツ寝てるじゃねえか! 立ってんの俺だぞ!」
第6試合
ゴングとともに忍が勝村を場外に連れ出し乱闘。セコンドの伊藤崇文も勝村を捕まえるなどサポートする。忍を中に入れようとするレフェリーのジューク岡村だが、忍の標的となり、逆にリングの中に入れられ、投げ捨てられてしまう。その後、忍のキックによりレフェリーが骨折したため、試合進行不可能となり、1分強でノーコンテストとなった。
忍「反則で勝村さんの勝ち。素晴らしい(拍手する)。すごいですね。ベルト防衛じゃないですか」※公式記録はノーコンテスト
勝村「ふざけんな。正々堂々とやれよ」
忍「やってますよ。いやー素晴らしい。素晴らしい試合だった」
勝村「ちゃんとやってないから。ちゃんとやってないから勝てないんだろ」
忍「ちゃんとやってますよ。(だいたい)今の反則ですか? もういいじゃないですか。僕は、これでギャラをもらって帰れればいいんですよ」
勝村「やるぞ、やるぞ!! 観に来たお客さんだって満足してないから、返らないだろ」
忍「その割には反応薄いですけどね(おかわりコールが起き始める)。オレはギャラもらって帰ります。いやー、最高の試合だったなあ。もう終わりでいいでしょ」
勝村「あんたのいいとこ、見せてくれよ。みんな納得してないよ」
忍「(おかわりコールに耳を傾け)……ん~~。じゃあ、やりますよ。再試合やりますよ」
第7試合
ゴングとともに勝村が速攻。しかし忍はもコーナーに追い詰めると、平手打ちからドロップキック。ローキックで勝村をダウンさせると、転がすように場外へ。忍はエルボー、逆水平チョップと攻め、足を取って鉄柱へ。勝村リングへ上がるが、忍はヒザへ向けて蹴りを集中砲火。中央に運んで足4の字固め。腰を浮かすことでさらに効き目を高めていく。
クリアされると、ロープに振ってニールキック。チキンウイングに腕を固めてDDT。エスケープされるとローキック。さらにミサイルキック。再び場外に出すとペットボトルを投げつけ攻撃。リングに戻してファルコンアロー。ここで必殺、セックスボンバー。しかしこれをかわしてニンジャチョーク。忍は無理やりほどいて強引にセックスボンバー。カウントは2。ボディスラムからコーナーに登りS・E・X(シューティング・スタープレス)。勝村はこれをかわすが、起き上がりざまにセックスボンバーを受ける。耐えた勝村はハイキックをたたみ込み、両者ダウン。
カウント7でスタンドアップ。エルボーの打ち合いにもつれ込む。勝村はハンドスプリングエルボーからニンジャチョーク。忍もすぐに立ち上がり、垂直落下式ブレーンバスター。「立て! 立て!」と煽ってセックスボンバー。これは勝村が避けて飛びついてのニンジャチョーク。忍は必死にこらえたが、レフリーが危険と判断しレフェリーストップ裁定が下された。
試合後、勝村は忍の健闘をたたえ、忍もまた王者・勝村の腰にベルトを巻いて取り付けた。
エンディング
勝村「ハァ。ありがとー。あー……。またニンジャチョークに助けられました。あの、反則もするけど、スゴイ強い選手だと僕は思ってます。忍さん。またやりましょう。あの、まだまだ僕は全然弱いです。今日は花鳥風月の仲間や、みんなの応援がなきゃ勝てなかったと思います。でも服部とか、まだほかのみんなが弱いまんまだから、こいつらが強くなるまでチャンピオンじゃなきゃと思います。もっともっと強くなれるように頑張ります。おかげさまでまた防衛できました。次、8月4日、VKFで政宗さん。大阪でやった挑戦権取ったらしいですけど、さっきVKFのGM、矢郷さんとも話したんですが、この前に政宗さんとやった時から、オレは成長してないです。政宗さんには俺が挑戦する立場だと思ってました。自分、成長遅いんで(4月にやったばかりで)まだやりたくねえなってのを伝えて。でもいつか強くなって認められたチャンピオンになりたいなと思ってます。忍さんもそうだし、(VKFの本拠地)大阪にも強い選手がいるんで。自分が強くなるために、(別の選手と)やりたいなと思います。今日はありがとうございました。最後はいつも通り、服部ニンニンが締めたいと思います」
服部「花鳥風月の締めと言えば、わたし服部なんですけれども、僕が今回…… え? ロビンさんは呼んでないです。おい、唐澤! オマエ上がれ! 今日はデビュー戦が行われて、これからが大変だから。子供たちにキックを教える優しいお兄さんから、子供たちに夢を与えるカッコいいプロレスラーになるのか。オレは少なくとも、そっちを目指してる。お前はどうだ」
唐澤「メチャメチャカッコいい。プロレスラーになろうと思います」
服部「よし」
唐澤「ご来場の皆さん、(1988年、昭和63年生まれの)服部さんよりも、これからは平成生まれの時代でしょう。それではみなさん、花・鳥・風・月!」
(記事・写真提供 花鳥風月)