7・18 月闘王子大会 山本裕次郎vs兼平大介 矢郷良明&関友紀子vsマッチョ・マイケルズ&HAMATANI
『月闘~GETTO~ 第7章』
日程:2016年7月18日(祝・月)
開始:13:00
会場:東京都・花まる学習会王子小劇場
観衆:121人
▼月闘ルール 3分3ラウンド
○中川達彦
3R 2分7秒 KO
●唐澤志陽
▼月闘ルール 3分3ラウンド
○篠宮敏久
3R 1分10秒 腕膝十字崩れからのエレクトリックチェアー
●住吉久仁夫
▼月闘ルール 3分3ラウンド
○たけむら光一
2R 1分44秒 片エビ固め
●ムエタイマシン2号
▼月闘ルール タッグマッチ 15分1本勝負
○矢郷良明/関友紀子
14分36秒 変形4の字固め
マッチョ・マイケルズ/●HAMATANI
▼月闘ルール 3分3ラウンド
○伊藤崇文
2R 2分37秒 ヒザ十字固め
●瓦井寿也
▼月闘ルール 3分3ラウンド
△山本裕次郎
3R 判定ドロー
△兼平大介
山本裕次郎と兼平大介がフルラウンドドローで闘い「田村和宏ありがとう」
オープニング
2016年より練習生となった桐原季子が、第1試合前に初めて花鳥風月マットに登場し、関友紀子と3分間の公開スパーリングを行った。
キックボクサーの経歴を持つ桐原に対し、関は、ゴングが鳴ると積極的に上を取っていき、有利に進めていく。次第に桐原も低い胴タックルを決めるなど、練習の成果を発揮していく。グランドの攻防は3分間続いたが、両者ともスタミナが切れることはなかった。
公開スパーリングが終わると今大会のスペシャルラウンドガールである、ミスiD2016ファイナリストの日乃まそらが登場し、山本裕次郎の月闘ルール説明に合わせ関と実演した。
第1試合
夜にプロレスラーデビュー戦を控える唐澤が、ムエタイ選手として出場する第1試合。対戦相手は“戦慄のカラテオヤジ”中川。
1R目、空手とムエタイというスタンド状態の攻防が繰り広げられ、打ち合いが続く。
2R目、序盤に唐澤がグラウンド状態の打撃でレフェリーより注意勧告を受ける。再び両者スタンドでの攻防となるが、中川がタックルでグランドへ持ち込むと、肩固めから、さらにヒザ攻めと仕掛け続ける。唐澤はこれを耐えしのぐとスタンド状態に戻すが、なおも中川はストレートを当てていき優位に進める。
3R目、唐澤がタックルに行ったところに、中川はヒザを合わせてダウンを奪う。カウント8で立ち上がると、唐澤のミドルキックに対し、中川はパンチで応戦。ここで中川は倒れた相手への蹴りで、反則を取られる。これに怒った唐澤は猛攻を仕掛けるが再びダウン。同一ラウンドで2回目のダウンを喫した事で中川に勝利が告げられた。
第2試合
1R目、ブラジリアン柔術の篠宮と、ルチャ・リブレの住吉が激突。ともにグローブ、レガースなしで臨む。住吉が上を奪うが、篠宮は下から攻めたてていく。住吉は十字固めでフォールの体勢もこれはキックアウトされる。ヘッドシザースで篠宮を攻めると、篠宮の足がロープにかかり、エスケープを取られてしまう。インターバル中、篠宮はセコンドのHAMATANIに水分補給を要求するが、ペットボトルのフタを開けるところ、誤って逆に絞めてしまい、篠宮は水分補給ができないままインターバルが終了する。
2R目、水分補給のできなかった篠宮は、短期で決めにかかるべく積極的に攻めるが、住吉にジャベで対抗される。くるくる交差する中、住吉がカサドーラの形に捕らえる。抜け出そうとする篠宮は脇をはたくが、この行為をグラウンド状態での打撃とレフェリーに判断され、口頭注意を受ける。さらに住吉は攻め続け、篠宮の足を取りにいく。篠宮は、これをクルリと柔軟に反転させ逃れるが、逃れた際に足がロープに掛かりエスケープと裁定されてしまう。篠宮の不運が続く。
篠宮陣営は、2R目の最中に水分補給用のペットボトルの開栓が出来ず代わりにコーヒーを差し出す。しかし篠宮は「オレ、コーヒー飲めないよ!」と、コーヒー嫌いを明らかにすると、今度は缶ビールが手渡される。。。今回も水分を補給できないまま試合は3R目へ。
3R目、住吉が変わらず攻めていく中、篠宮は一瞬のスキをつき、腕膝十字崩れからのエレクトリックチェアー。不運の続いた篠宮だが、序盤で勝負を決めた。
第3試合
1R目、両者グローブ、レガース着用。たけむらの上段蹴りをかわすと、ムエタイは前蹴り。たけむらは正拳尽き連打から蹴り。ムエタイの首を掴むと腹に目がけて拳を連打する。たけむらさらにミドルキックを連発。
2R目、道着を脱いで気合を入れたたけむらだが、ムエタイはローキックからヒザ、飛びヒザ蹴りと、たけむらがテーピングを巻いているヒジ周辺に集中攻撃。たけむらの体力を奪っていく。ムエタイは一気呵成にミドルキックでたけむらに集中攻撃。ガードを崩したたけむらは、身を切りムエタイに掴みかかり、フィッシャーマンスープレックス。3カウントを奪った。
勝利したたけむらは、自ら指導する打撃武道我円の生徒たちを呼び込むと、少年部のこどもたちが勇壮な演武を、尺八の音色とともに披露した。
第4試合
先発は関とHAMATANI。HAMATANIは踊るように蹴りを繰り出し、逆立ちで関を待つ。しかし関はこれに付き合わず放置。矢郷にスイッチ。HAMATANIは矢郷の腕を取りコーナーに押し込むとマッチョにタッチ。終始矢郷に押し込まれるマッチョだったが、ブリッジワーク等で返し続ける。
HAMATANIと矢郷の場面になると、矢郷はローキックを連発させ、さらに背面にも蹴りを入れる。しかしグラウンド状態での相手への蹴りで反則注意が与えられる。矢郷は不思議な顔持ちで「ルールわかんねえよ!」と、レフリーのたけむらから説明を受けていると、隙をつきHAMATANIは変形のレッグロックを仕掛ける。矢郷はエスケープ。両コーナーチェンジすると、関は低空でタックルを打ち込む。しかし、マッチョはヘッドロックに固め、はね飛ばしていく。HAMATANに替わると腕十字。これで関組は2回目のエスケープ。エスケープは合計5回で負けになるため、焦る関だが、矢郷は「なに? 次いくつで、どうなるの?」と不思議な表情。再びレフェリーから説明される。
マッチョと関の場面。マッチョは関を担ぎ上げてアルゼンチン・バックブリーカー。関はスリーパーで絞めあげ抜け出すと矢郷にスイッチ。平手打ちからソバット、ビックブーツ。HAMATANIに替わり、飛び膝蹴り。レッグラリアートに振って、ローキックを連発。すると矢郷もトラースキック2連発からのシャープシューター。HAMATANIここでエスケープ。続けてHAMATANIも矢郷からエスケープを奪うと、残り30秒。矢郷はトラースキックから畳み掛けるように変形4の字固めを極め、HAMATANIから勝利を奪った。
矢郷「今日は関さん。ご高齢ながらありがとうございました。関さんに大きな拍手を! ……歳は言わないようにいたします。さて前回、ドリー・ファンクJr.さんの時には、新幹線が動かなくて来れなくて、本当に申し訳ない。オッチャンこんなカッコしてるけれど空手5段で道場もやってます。ドウモ。さっき空手の演舞していたけれども、ウチの生徒も極真会館で上位入賞してるから、いつか戦うかもしれないネ。その時はマタ。アリガトー!!」
第5試合
1R目、瓦井は低い位置からタックルを狙うも、伊藤は切る。伊藤は瓦井をリバーススラム。腕固めから腕ひしぎ逆十字を狙うが、すっぽ抜けてしまい瓦井がそのまま距離を取って脱出。再び腕を捉えるが背後から瓦井がスラム。
2R目、伊藤は早々に腕ひしぎ逆十字。こらえる瓦井はブレーンバスターで思いっきり引っこ抜くように投げつける。ダメージを負った伊藤だが、すぐさま瓦井にヒザ十字。またたく間にタップを奪った。
第6試合
1R目、山本が組みつき兼平のヒザを取っていくが、互いに回転し、体勢を優位に持っていこうとする。兼平が上となるが、山本もすぐさま取り返し、スタンド状態へ。兼平はフロントネックロック。山本はこれで1回目のエスケープ。山本はカニばさみで兼平を倒すとアキレス腱固め。兼平も取り返していくが、山本はヒールホールド。兼平はエスケープ。
2R目、山本はミドルキックを2度打ち、スタンディングでのフロントネックロック。全体重をかけてグラウンドに持ち込もうとするが、兼平はこらえて、そのままブレーンバスター。タックルをヒザで迎撃。攻める兼平はさらに関節を取り、山本からエスケープを奪う。山本は垂直落下式ブレーンバスターから腕固めで捉えると兼平はエスケープ。残り30秒となり、ミドルキック、張り手を互いに打ち合いここでゴング。
3R目、シェイクハンドからスタート。ミドルキック、ハイキックを山本が入れ、掌底を兼平が決める。組みついてヘッドシザース。これを返して逆片エビ固め。これを外して山本はミドルキックを入れていく。兼平はエルボー、逆水平。山本も張り手を打ち込み、リズムを刻むように互いの顔面に平手打ち。山本はバックブローを決めてダブルノックダウン。カウント9で両者立ち上がると、再び張り手の打ち合いへ。山本は「兼平、もっと行け!」「かえせー!」と叫びながら打っていく。兼平もスピードを緩めず、残り20秒。山本がミドルキックを入れたところでタイムリミット。ともに合計エスケイプ数2回となり、判定でもドローとなった。
山本「きつくて。しゃべることも忘れちゃいそう。本日のご来場、ありがとうございました。……兼平大介、オレはお前と試合したくて、楽しみで、楽しみで。今日を迎えたんだよ。いろいろあって、もう組むことも闘うこともないと思っていたけど、今日は戦えてうれしいし、戦ってくれてオレの伝えたいことを受け止めてくれてありがとうございました。ここにいない田村(和宏)さん、この試合をOKしてくれてありがとうございます。兼平、オレの闘いたいスタイルで戦ってどうだった? 兼平、こういうの苦手だろうけど、みんな、聞きたいよね?」
兼平「裕次郎さん、正直、今までやった試合の中で、一番痛かったです。山本さん、この対戦が決まって、この試合のことが載った記事を読みました。山本さん、脳裏にちょっとでも引退とかあるんじゃないんですかね? でも僕が月闘で戦ったんです。今度は僕のプロレスルールで。HEAT-UPは……難しいと思うんですけど。もっと僕が強くなって、大きくなって、引退するまでに、もっと大きな所で僕とプロレスルールでやりましょう」
山本「オレと出会った時のマイクがニガテな兼平じゃなくなってたな。僕は、プロレスやっているうちは、どんなカードでも断らず完全燃焼できるような試合をしたいと思ってるし、それが花鳥風月の礎になればいいと思ってるんで。これからも応援してください。よし、今日は俺が締めるよ。みんな立ってくれる!? 花・鳥・風・月!!」
(記事・写真提供 花鳥風月)