1月いっぱいで新日本プロレスを退団する中邑真輔「新たな刺激、環境、舞台を求めて挑戦し続ける」
1月25日、1月いっぱいで新日本プロレスを退団する中邑真輔が、都内の事務所で記者会見を行った。事務所の会議室に入りきれないほどの報道陣が駆け付けた中、スーツ姿に長い髪を縛って登場した中邑。
同席した菅林直樹会長から「大変残念だが、次なる闘うリングでも中邑真輔選手らしい闘いを続けていってもらいたい。それは私以外の社員や選手も皆同じだと思う。頑張ってください」とエールを送られると、「残り2試合で新日本プロレスを退団させていただきます。非常に大きな大きな決断でした。この決断を了承してくださり、且つ壮行試合等(を行ってくれる)新日本プロレスには感謝しております。2003年に入団して苦楽を共にし、共に歩んできた菅林さんをはじめ社員の皆さん、選手、関係者の皆様、そしてファンの皆様には非常に感謝しております。ありがとうございます。今後は新たな刺激、環境、舞台を求めて挑戦し続ける所存であります。改めましてありがとうございました」と挨拶した中邑は、こみ上げてくるものをこらえるように深々と頭を下げた。
新日本退団に至る経緯については「ひとつだけの理由じゃないです。年齢も含めて、新日本プロレスで成長することで培ってきた価値観や自分の感情や、そういうものを統合していましかないと思った上での決断です。悩んでいたのは2年くらい前で、決意したのは昨年11月あたりでしょうか。2015年における新日本プロレスでの自分の試合に100%以上のものを求めて、且つ自分にとっては特別な“今の中邑真輔”を形成する上で特別だった人間とやり合えた。1月4日の飯伏(幸太)から12月後楽園での田口(隆祐)に至るまで」と説明。
去就について具体的なことは語られなかったが、噂される海外での活動について聞かれた中邑は「どういう状況下においてもそこに落とし込める遊びがあるのであれば、いかに小さな隙間であっても、そこに全人格、全中邑真輔を投影するまでですね。これまでもそうしてきたように、これからもそうするであろうと思っています」と語った。なお、奇しくも会見が行われている時間帯に米フロリダ州オーランドで開催されたWWE『ロイヤルランブル2016』に、中邑よりひとあし早く新日本プロレスを離れたAJスタイルズが登場したという。
ライバルだった棚橋弘至に対して何かひと言と言われた中邑は「……直接言います」と苦笑い。そして新日本プロレスに対しては「すべてが自分にとってかけがいのないものだと感じられますね。今の新日本プロレスは何があっても、誰もがチャンスを自ら作り、且つ掴める舞台になり得てると思っている」と表現。1.29所沢、1.30後楽園の残り2戦となった新日本での試合に関しては「誰も彼も縁というか仲間、兄弟のように思ってますが、その中でも(この2戦で絡む選手は)自分のプロレスラーとしての物語の中で、非常に重要な役割をしてきたメンツ。リングに立ってみないと分かりませんが、いろんな感情が自分の中に起こるんだろうなということが、寂しさもありますが、非常に楽しみ」と語った。
そして近年の中邑にとって代名詞と言ってもいいIWGPインターコンチネンタル王座に関しては「返上という不本意な決着になってしまいましたが、ひとつの新しい価値観を創造出来たという部分では、自分だけではないんですが、自分の誇りであると感じます」と言ってから、菅林会長にベルトを返上。代わりに花束を受け取った中邑は、菅林会長はもちろん、集まった報道陣に対しても「ありがとうございました」と、ライオンマークを背に深々と頭を下げた。
(文・写真/佐瀬順一)