村上和成&高橋“人喰い”義生が“あの頃”の闘いを令和の世で見せるも初代王座戴冠ならず!

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 4日、東京都・後楽園ホールにて『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.37-THE 20th ANNIVERSARY-[20周年記念大会]』が開催。村上和成&高橋“人喰い”義生のタッグが初代SSPWタッグ王座戴冠を逃した。

 高橋“人喰い”義生は藤原組でプロレスラーとしてデビュー。PANCRASE旗揚げ戦から参戦し、初代ヘビー級王者(KOP)を戴冠したほか、UFCで日本人として初めてグレイシー一族から勝利を収めた偉業を成した選手。PRIDEでも熱い闘いを見せてきたことでプロレスファン以外からの認知度も高い。
 2013年に現役を引退したものの、2017年に佐藤光留主催のハードヒットにて現役復帰。56歳と高齢ながら眼光の鋭さや時折見せるキレのある動きは全盛期のそれと変わらぬものを見せる。

 今年9月のストロングスタイルプロレス(SSPW)では、スーパー・タイガー&竹田誠志vs村上和成&川村亮のタッグマッチが実施。この試合では人喰い義生も自身の引退試合&復帰戦の相手として縁深い川村のセコンドとして参戦したが、村上がスーパー・タイガーから丸め込みで敗れるという結果に終わる。
 これに納得がいかない村上が怒り狂って暴れ始めると、人喰い義生もリングに上がって大乱闘。村上は平井代表にSSPWタッグ王座戦の新設を強要し、村上&人喰い義生がスーパー&竹田と初代王座決定戦を行うことを強引に決定。
 人喰い義生も「カール・ゴッチ、そして藤原喜明の弟子、人食い義生が食ってやるよ。俺が2人から教えてもらったストロングスタイルプロレスとはちょっと違うスーパー・タイガーに俺が本物のストロングスタイルを教える」と自信を見せていた。

 この日のメインイベントでは、村上の思惑通りスーパー・タイガー&竹田誠志vs村上和成&高橋“人喰い”義生の初代SSPWタッグ王座決定戦が実施。
 格闘技に精通しているスーパーはもとより、現在はデスマッチのイメージが強い竹田も師匠は田村潔司でありZSTやDEEPなどにも参戦歴を持つ格闘技にも対応できる選手。エンタメ寄りになっている現代のプロレスに逆行する殺伐とした”格闘技としてのプロレス”が見られるのではないかと期待が高まっていたカードだ。


 試合は現代のショーアップしたプロレスとは空気が全く異なり、多彩な技を繰り出すよりも一発で相手をKOに追い込む機会を狙うべく殺伐とした睨み合いが中心に。
 人喰い義生はガードを固めるスーパーに掌底の連打を見舞ってダウン寸前まで追い込み、本当に頭からぶっ刺す投げっぱなし水車落としを見舞うなど恐ろしさは健在。竹田が若さを活かしたグラウンドでの長期戦へと持ち込もうとするが、この展開になると村上が即救出。
 村上は殴る・蹴るといった原始的な打撃のみで竹田を追い込んで行くが、竹田もゴツリと鈍い音が鳴り響くヘッドバッドからジャーマン・スープレックスで叩きつける意地を見せる。
 最後はスーパーと村上の対面に。スーパーが必死に掌底やソバットを連打していくも、村上はニタニタ笑いながら仁王立ち。ならばとスーパーはタイガー・ネックチャンスリーで叩きつけ、竹田がイス攻撃で脳天に一撃入れ、スーパーとともにサンドイッチ式ランニングニーを放つという好アシスト。
 スーパーは必殺の牙斬(※変形go 2 sleep)を狙うが、村上がヒザをキャッチして顔面に張り手からバックドロップ。スリーパーホールドで絞り上げてからSTOで叩きつけ、フィニッシャーである殺人キック(※倒れた相手の腕を取って引き起こしながら顔面へミドルキック)を放つが、これをキャッチしたスーパーがハイキック。しかし、村上は倒れず左ストレートから右フック、左フックと連撃。耐え抜いたスーパーがハイキックをクリーンヒットさせるも、村上は倒れず仁王立ち。スーパーが2発目のハイキックを叩き込むと、村上もついに倒れ込む。これを押さえ込んでスーパーが3カウントを奪った。

 これによりスーパー&竹田は初代王座を戴冠。リングアナがマイクを2本持ってリングのそばまで来るも、この”闘い”のあとに言葉はいらないという意志表示かスーパー&竹田は差し出されたマイクを受け取らずに退場していった。

 バックステージに戻ったスーパーは「あの2人はしっかりとこの格闘技界・プロレス界で名を刻んできたレジェンドだから。それに対して、我々も初代タイガーマスクの意志、ストロングスタイルの芽は残ってるってことを今日、今回、我々が証明できた。これから2025が終わって2026。我々がストロングスタイルの顔となって、そして日本、そして世界に向けて、本当のストロングスタイルを……リアルストロングスタイルをしっかりと示していきたいと思います」と勝ったからこそ兜の緒を締めるようなコメント。

 対する竹田は「まあ俺もこういう体をしてて、デスマッチというイメージが付いてるけど、源流を辿れば田村潔司だったり、上山龍紀だったり、そういう師匠たちがいて今の俺が成り立ってるから。今日のタッグマッチ、この中なら一番格闘技の経験ねーけど、俺の武器と言えばデスマッチ、ハードコア。この3人にはねーから。それを武器にストロングスタイルプロレスでも暴れまくってやるよ」と気炎を上げた。

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