「次はバトラーツスタイルの試合をやろう」ザック・セイバーJr.が矢野啓太と世界最高峰のレスリング戦!“バチバチボーイズ”同士で再戦を誓う

4日、東京都・後楽園ホールにて『天龍源一郎 引退10周年記念興行 ~革命飛翔~』が開催。矢野啓太とザック・セイバーJr.がシングルマッチを行った。
矢野啓太は格闘探偵団バトラーツにて2007年2月にデビュー。奇抜な格好や奇行に目が行きがちだが、矢野のテクニックは世界中の全レスラーの中でもトップクラス。派手さこそ無いものの一切無駄のない流麗な動きで数分間相手を封殺するチェーンレスリングはプロレスを知らない人間が見ても引き込まれる美しさがある。
一方、ザック・セイバーJr.は2度のIWGP世界ヘビー級王座戴冠歴を持つ新日本プロレスの強豪。ランカシャーレスリングの本場で身に着けたテクニックは、長年その道でトップとされてきたブライアン・ダニエルソンが「“世界一のテクニカルレスラー”はもう俺ではない。それはザック・セイバーJr. だ」と認めるほど。どんな体勢からでも関節を極めに行くザックのファイトスタイルは国内外のファンから高い評価を受けている。

ゴングが鳴ると両者ジリジリと距離を詰めて行き、手4つで組み合ってからは互いに互いの身体の一部をひとときも離すことなく攻防が入れ替わるチェーンレスリングを展開。
序盤戦から積極的に攻めていたのは矢野。基本は足関節狙いで組み立てていくものの、ザックの意識が足へと向くと即座に脇固めなどの腕関節技に移行。
最初こそ様子見といった様子のザックだったが、指も極める腕関節技、おそらく本人も名前をつけていないであろう状況に合わせたサブミッション技を次々と繰り出していき、じりじりと追い上げる。オクトパスストレッチからコブラツイストで捕らえて試合を決めに行くザックだったが、矢野はダイヤル固めで切り返して脱出。
最後は熾烈な丸め込みの応酬が展開されていき、足を取りに行った矢野の隙を突いたザックがヨーロピアン・クラッチで押さえ込んで3カウントを奪った。
この試合が互いにみのりあるものだったのか、2人はしばらく微笑みながら見つめ合って退場。
互いに蹴り技を得意とする選手ではあるが、この日は互いに1発も繰り出さず。サブミッションと少しのエルボーだけの試合であったが、世界最高峰の技術がぶつかり合う試合に観衆は大興奮で歓声を贈った。

バックステージに戻ったザックは「まずは天龍プロジェクトについてだ。俺のキャリアで一番大事な人間の1人はヨシナリ・オガワだ。オガワサンにとってキャリアで一番大事な人間の1人がテンリューサンだ。テンリューサンの引退10周年記念大会に出られたことは名誉なことだ。矢野はTEKKERであることは分かっていた。彼の2007年のデビュー戦を見たんだ。雑誌の付録の、いかにも胡散臭い本物っぽいコピーDVDでね(笑)だからケータ・ヤノのことはよく知っている。少しだけ、少しだけキャッチレスリング、ブリティッシュレスリング楽しめたな。ヤノ、次の試合はバトラーツスタイルの試合をやろう。今日は俺が勝ったが、みんなも知ってるように俺はああいうピンフォール勝ちは大嫌いなんだ。次は“バチバチボーイズ”な試合をやろうよ。キノウDDT、キョウ天龍プロジェクト、ライシュウDRADITION、俺はIWGP世界ヘビー級王座を2度戴冠したが、俺の源流にある魂はインディーズのレスリングだ。日本の隅々まで制覇してからまたIWGP世界ヘビー級のベルトを巻いてやるさ」とコメント。

一方の矢野は息も絶え絶えの満身創痍といった様子であったが「悔しいです。悔しい。でも昨日までね、肉体と精神がボロボロだった。今日、今朝、目覚めたときにね、頭も冴えてるし、能力も衰えがなかった。何より今日、自分が今誰なのか、なんか分かった。“キング・オブ・天龍プロジェクト”だって。1月4日、スケジュール空けときます。以上!ノーコメント!」とパキパキにキまった目で叫んだ。
















