「この大会を見れば大将も元気になる」敗血症性ショックで緊急手術を受けた天龍源一郎さんへ“龍魂”を継ぐ選手たちがエール!

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 12日、東京都・新木場1stRINGにて、『天龍祭~天龍源一郎AID~』が開催された。

 天龍プロジェクトはしばらくプロレス団体としての活動を休止していたが、2020年11月の天龍さんの引退5周年記念大会の開催を機に精力的な活動を再開。WAR時代に創設され、天プロとともに復活したインターナショナルジュニアヘビー級王座(IJ王座)&インターナショナルジュニアタッグ王座(IJタッグ王座)の争奪戦を軸に展開しており、インディー界を代表するよりすぐりのジュニアヘビー級選手たちがしのぎを削っている。

 昨年9月、天龍さんは現役時代のダメージの蓄積による後遺症から『神経の圧迫状況から考えうる事態として、突然死のリスクが非常に高い状態である』と診断され入院。『環軸椎亜脱臼に伴う脊髄症・脊髄管狭窄症』との診断が下って手術を行い、その後はリハビリの日々を送っていた。

 天龍さんは、2月19日に行われる日本プロレス殿堂会主催イベント『レジェンドサミットVol.2』で入院後初めて公の場に姿を表す予定であったが、11日に天龍プロジェクトより天龍さんが敗血症性ショックのために緊急手術を受けたことがアナウンス。
 天龍さんは数日前より発熱や血圧の低下の症状がみられたため検査を行ったところ、緊急性の高い状態であると判明したため治療可能な病院に緊急搬送され、搬送先での緊急手術へ。手術は無事に終わり、現在は意識も回復し集中治療室で経過観察になったとのこと。

 今大会は、天プロ出場選手たちが『リハビリに励む天龍源一郎にエールを送ろう!』と呼びかけたことで実現。天プロは団体として今大会に協力する形で選手を後押しするという団体と選手間の信頼関係が現れた大会となり、2部制の昼夜興行で開催された。


 第1部となる昼興行の冒頭では、天龍さんの実の娘である嶋田紋奈代表がリングに上がり、「昨日の夜、看護師さんの方から電話をいただきまして、本人とも少し話すことが出来ました。そのときに大将が一番最初に言ったことは、選手のことと、ファンのこと。本当にプロレスが好きだし、プロレスラーが好きなんだなって思って、その気持ちに応えていける自分でありたいし、選手たちとの絆を大切にしていきたいという気持ちを新たにしました。まだまだご心配をおかけしますが、絶対にこのリングに帰ってくると思いますので、どうかその日までもう少しお時間をいただいて、一緒になって盛り上げていただけたらと思います」と現状を報告。涙をこらえながらも気丈に振る舞った。

 実直で武骨な試合が行われることが多い天プロだが、今大会はエンターテイメント要素満載。
 大会オープニングでは一般のお客さんもリングに上がって参加した天龍さんに関するクイズ大会が開催され、“熱血プロレスティーチャー” 小佐野景浩氏によるマニアックが過ぎる問題が出題。一番の天龍ファンとも言える紋奈さんが難問にも軽々答えてトップを走るも、一般参加のオオノさんが怒涛の追い上げを見せ、まさかの優勝。賞品として大会エンディングの「エイエイオー!」の音頭を取る大役が与えられた。
 その他、現IJ王者である佐藤光留が童貞を殺すセーターを着て試合をしたり、椎葉おうじがザ・グレート・サスケとのシングルマッチで勝利して大金星を飾ったりと普段とは違った毛色の試合が行われ、会場が熱気に包まれていく。

 メインイベントでは、天龍さんが現役時代に実際に使用したRevolutionジャケットを賭けての時間差バトルロイヤルが開催。
 豪華景品を前に目の色を変えた全11選手によるバチバチとコミカルが合わさった死闘が展開されていき、新井健一郎が最後まで勝ち残って優勝。


 マイクを取ったアラケンは、「今の今までこのジャケット欲しさに久しぶりに頑張ってみたけどさ、俺には重すぎるよ。明日から天龍さんのチャリティーオークション始まりますよね?それに出しましょう!今日誰が勝ってもそう言う腹積もりだったんじゃないですかね?天龍プロジェクトを愛してくださる皆様の手元に行って、天龍さんにも歓迎されて、それが一番ハッピーエンドじゃないですかね?ただし、転売だけはするなよ?(笑)」とジャケットの受け取りを固辞してファンの手に渡るよう提案。暖かい空気に包まれて昼の部は大団円を迎えた。

 大会終了後、嶋田代表は普段とは違った雰囲気の大会に手応えを感じつつ、「(大将に)DVDで見てもらってしっかり怒られようと思います(笑)」と笑顔。「昼夜の大会、配信、記事を見ていただいて誰かに届いて、それがまた大将に『頑張れ!』って届いて、数珠つなぎみたいになったらいいなって思ってます」と感想を語った。

 大会前夜に天龍さんと話した際には「自分1人で抱え込まないで、皆と、選手たちと一緒に頑張ってね」と声をかけられたと明かし、「ICUにいて携帯が使えないから競馬が出来ない」とぼやいていたという天龍さんらしさ溢れるエピソードも披露。
 天龍さんの今後については「『良くなっていけば一般病棟に』とは言われていますけど、今はなんとも言えません。でも、この大会のDVDを見れば元気になるんじゃないですかね」と語り、豪快に笑った。

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