歪んだ愛のブーイングを糧にイケメンレスラーが王座戴冠しゴキブリ化！
19日、東京都・新宿FACEにてTTTプロレスリング『TTT BIG MATCH 2025』が開催。吉田綾斗が王座戴冠を果たしゴキブリの一員となった。
TTTは観衆の洗脳活動を主とする奇行系ヒールユニット【ゴキブリ商会】から侵略を受けており、教祖たる“唯一神”藤原秀旺は約5年もの歳月をかけて順調に勢力を拡大。現在では、外敵でありながら正規軍よりも声援を浴びる一番人気のレスラーになってしまった。
その浮き世離れした言動から子ゴキブリたちに愛想を尽かされゴキブリ商会から追放されてしまった秀旺だが、すぐに【元祖ゴキブリ商会】を名乗って布教を継続。洗脳・拉致・監禁・饅頭を経て強い絆を築いたTTT正規軍の瀧澤晃頼を抱き込んで2人で活動し、今年8月にはインディー統一タッグ王座を戴冠。この日の公開記者会見で正式に【ゴキブリ商会】の名称権利を取得したことを発表し、教祖としての第二章を歩みだしていた。
そんな秀旺＆滝澤に挑戦を表明したのは、2AWでカルト的人気を誇るユニット【吉田綾斗DK】の吉田綾斗＆藤田ミノル。
このユニットは綾斗の意志を無視して好き勝手に綾斗を愛でるための謎の組織。綾斗は2AWの選手会長であり絶対的ベビーとして君臨し続けているが、綾斗を想い過ぎるが故に愛が歪んでしまった選手・ファンが綾斗の一挙手一投足にブーイングを浴びせるようになっていった。ブーイングにブチ切れた綾斗が試合中に罵詈雑言を吐く光景もお約束となっており、その綾斗の姿に選手・ファンが大喜びしてさらにブーイングを浴びせるという無限ループが発生中。好きな子をイジメてしまう小学生のような不器用な愛がドロドロに煮詰められている。
試合では、綾斗が活躍すると大ブーイング、綾斗がピンチに陥ると純粋な声援が飛ぶという歪んだ愛が会場を支配。
綾斗が観衆に向けて「おかしいやろ！ふざけんな！なんやねんコイツら！」とキレ散らかすと、滝澤は「恥ずかしくないのか？！大の大人がこんな一杯の人の前で感情を押さえきれずにブチ切れてさ。恥ずかしくないの？」と至極真っ当な説教。綾斗は「やかましいわコラッ！」と滝澤の顔面を踏みつけ、さらなる大ブーイングを浴びる。
藤田も愛する綾斗を全力でバックアップし、過度な介入で綾斗の攻撃を妨げたり、滝澤とのダブル河津掛けで綾斗を叩きつけたりと大活躍。綾斗は全方位に向けてキレ散らかしながらも独りで闘い抜き、滝澤を変形サムソンクラッチで仕留めた。
やっとのことで王座奪取を果たした綾斗は笑顔を浮かべるも、観衆が投げた紙テープの塊が鼻にヒットして思わぬダメージを負うなど災難が続く。
万人から愛される綾斗の姿を見た秀旺は「吉田綾斗。あなたを含めたこの4人で、新生ゴキブリ商会ということで決まりました」と一方的に通告。ブチ切れる綾斗をガン無視し、藤原秀旺＆瀧澤晃頼＆吉田綾斗＆藤田ミノルによる新ユニットが結成された。
プロレス団体は活動実態や実在するのかどうかすら不明なものも合わせて日本全国に100以上あると言われており、日夜激しい生存競争が行われている。生き馬の目を抜くようなインディープロレス界隈では強い強い個性がなければ生き残れない。
完成されたコース料理のようなプロレスではなく、何が出てくるかわからない海外のビックリドッキリ屋台飯のようなプロレスを見ることでしか開けることのできない扉は存在する。その扉を開けるのが良いことなのかどうかはさておき、インディー沼に一歩踏み込む勇気が人生を変えるかもしれない。
次回11月3日のTTT新大久保大会（R'sアートコート大会）を観戦し、プロレス界の深淵に触れてみてはいかがだろうか。
