クマに襲われ死亡した笹崎レフェリーには6歳と4歳の娘。今年3月に一家で移住したばかり…クマによる犠牲者が過去最多へ

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 17日、レフェリーの笹崎勝己さん(60)がクマに襲われて亡くなった。

 笹崎さんは全日本女子プロレスでレフェリーデビューし、昨今は栃木プロレスやマリーゴールドなどにレフェリーとして出場。全女解散後にはZERO1を運営していた株式会社ドリームオンステージの社長に就任し、レフェリーを継続しながら団体運営を行っていた。
 今年3月に6歳と3歳の娘を連れて岩手県北上市に移住し、温泉旅館にて働きながらレフェリーとして活動していた。

 16日午前中に温泉旅館の露天風呂を清掃中であった笹崎さんが姿を消し、露天風呂にはメガネやスリッパが散乱。柵に続く多数の血痕とクマとみられる毛が残されていたことから温泉旅館スタッフが通報。17日午前9時ごろに行方不明になっていた露天風呂の北西約50メートルの雑木林内で損傷した遺体が発見された。近くにいた1.5mほどのツキノワグマは猟友会のメンバーにより駆除された。
駆除されたクマは痩せていたといい、クマによるとみられる死亡事故は同市だけで今年度3件目という。

 自身も5人の子供がいるプロレスラーの火野裕士は「笹崎さん、めちゃくちゃ優しい人。身体丈夫で力強くて年齢感じさせないくらいもくもくと働いてた。びっくりするくらい働いてた。リング作ってレフェリーして運転もして合間で睡眠とって、その寝顔がおもしろくてよく写真撮ってた。子供と奥さんとうちにも来てくれた。ジムにも来てくれた。悪い印象はゼロ。良い人やったほんとに良い人やった。熊の被害者増えてるのは人間が自然を減らすからよ。自然そんなに壊さないとだめかな?笹崎さん家族の為に働いてたんよな。子供めちゃくちゃ可愛くてね、一生懸命家族の為に働いてたんよね。悲しいよ。ほんとに」と悲しみと憤りをあらわに。

 元全女の堀田祐美子は「全女時代に苦楽を共にした笹崎勝巳レフリーの訃報。全女大量離脱、倒産の時も頑張ってくれたささやん。私の興行も手伝ってくれていた。最近会場で会った時も嬉しそうに娘さんの話しをしていて、幸せで良かった思っていたのに…真面目で本当に優しい人だった。心からご冥福をお祈りします」と、ジャガー横田は「熊に寄る事故が多く毎日のようにニュースを目にします…東京に住む私には遠い話のはずが身近に起こってしまった…全日本女子プロレス時代から試合を捌いてくれてたレフェリーの笹崎さん。物静かで穏やかな人でした…ご冥福をお祈り申し上げます」と追悼した。

 今年は新聞配達中の男性や自宅にいた女性などがクマに襲われて死亡しているが、クマを駆除すると「殺すのはかわいそう」など北海道庁や町役場に計200件以上の苦情が寄せられ業務が滞る場面もあるという。
 環境省によると、ツキノワグマの出没件数は被害者数が最多だった2023年の1.4倍にのぼり、人身被害は70件を超え過去最多に。今後増え続けると思われるクマ被害への対応が本格的に求められる状況だ。

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