上野勇希が樋口和貞を破り、KO-D無差別級王座奪還も…「いつでもどこでも挑戦権」行使の平田一喜が奇跡のベルト奪取!

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア

 DDTプロレスが8月31日、東京・後楽園ホールで夏のビッグマッチ『WRESTLE PETER PAN 2025【DAY2】』を開催した。これぞまさしく『ドラマティック・ドリーム・チーム』の真骨頂か…。DDTのバラエティ部門をけん引してきた平田一喜が「いつでもどこでも挑戦権」を行使して、最高峰KO-D無差別級王座をまさかまさかの初戴冠を果たした。

 前日の【DAY1】(ひがしんアリーナ)で同王者の樋口和貞が秋山準との激闘を制し、2度目の防衛に成功。樋口はその一戦から約13時間後の【DAY2】で上野勇希の挑戦を受けた。上野にとって樋口はデビュー戦の相手で、両者により同王座戦は2022年12月29日、TOKYO DOME CITY HALL大会以来、約3年ぶり。その際は王者の樋口が防衛に成功している。前日の激しい戦いで、樋口は首と右手にダメージを負ったようでテーピングを施して登場。

 開始間もなく、上野がドロップキックで場外に落とすとプランチャ。鉄柱に樋口が痛めている右手をぶつけ、ムーンサルトアタックを発射。樋口は痛みなどお構いなしに右手でチョップを連打していく。樋口がジャーマン、串刺し式ラリアット、アバランシュホールドとたたみかけ、ダイビング・ボディプレスは剣山で阻止された。上野はフロッグスプラッシュ、ブラックアウトスリーパーもエスケープ。さらに上野はコーナーに上った樋口を肩に担ぎ、シットダウンひまわりボムもカウントは2。樋口は怒涛のチョップ連打、投げ捨て式変型ドクターボムも2カウント。そして樋口はボディスラム3連発からクロースラムを狙うも、かわした上野は背中にドロップキック、顔面に強烈なドロップキックを決めた。上野のWRを回避した樋口はラリアットもカウントは2。樋口はラリアット3連発、4発目は上野がキャッチして電光石火のWRを決めて3カウントを奪取。20分超えの熱闘を制した上野は1年ぶりの王座奪還を果たした。

 試合後、2人がお互いの健闘を称え合うと、やおら入場ゲートから「いつどこ(黄)」を保持している平田が現れリングイン。その場でも行使するかしないか迷う平田だが、「長く持ちすぎてるせいで、ファンの期待が膨らみ過ぎてるんです。僕も愛着沸いちゃって。取られるのもイヤだし、神田明神とかで燃やしてもらあおうかなと思ったんですけど、それもしのびなくて。どうせならここで成仏させるのがコイツのためかなって思って。ということで、使います!」と意を決して行使へ。

 すでに体力をかなり消耗している上野は短期決戦を狙ったか、ラリアットで奇襲。エルボーの打ち合いから、平田が首固めもカウントは2。上野がシットダウンひまわりボムから逆エビ固めも、平田はなんとかロープに。上野はおっぴろげアタックからフロッグスプラッシュもカウントは2.9。一瞬の隙をついた平田が奇跡を呼ぶ一発逆転首固めで3カウントを奪い、まさかの王座移動。

 平田は「そんなつもりじゃ…。KO―D無差別級のベルト獲ったぞ!。正直、荷が重い。今後のことを考えるとめっちゃ辛い。だけど、本当に今だけはなんかうれしい。たった15年だけど、楽しいこともいっぱいあったし、それ以上に辛いこともいっぱいあったし、うまくいかないこともいっぱいあったし、ケガも多くてしんどい思いもいっぱいしたけど…。こんな俺でもどんな形であれ、踏ん張って頑張ったら団体の頂点に立っちゃうことあるんですね。ただ、油断すんなよ。俺はこのベルトを獲ったからって1ミリも強くならないし、イヤなことからもちゃんと逃げるし。それが平田一喜だけど、このベルトの重みはずっしり感じました。平田一喜でのKO-D無差別級のベルトの世界を皆さんに楽しくお届けします!」とらしくマイク。

 平田が控え室に戻ると、各選手が拍手で迎え、この日は出場していなかったバラエティ班の班長の大鷲透が張り手をかまして握手。大鷲が場内に戻るよう促すと、リングではDDTメンバー、新日本プロレス・棚橋弘至社長が待ち受けて祝福。大鷲がベルトを巻くと、HARASHIMAがメガネを渡し、『TOKYO GO!‼』の曲でダンスを踊って歓喜のエンディングとなった。

 バックステージで平田は「獲っちゃった。今後めっちゃ怖いけど、荷が重くて憂うつだけど、今はちょっとうれしいっす。続けて頑張ってれば、こういうシチュエーションが訪れて、チャンスをつかみ取って。1度でも団体の頂点に立つのは感慨深い。獲ってしまったからには、全力でイヤなことから逃げますし、そんな強くなってるわけじゃないけど。いつもの1・42倍くらいは強くなってるかもしれない。団体の顔になってしまったわけなので、ギリギリ恥がないように。(王者ロードは?)極力、樋口とか上野とかじゃなくて、今林久弥とか木曽大介レフェリーとか、そういう人に挑戦していただきたいです」とコメント。防衛を続ければ、11・3両国国技館のメインイベントのリングに立つことが濃厚だが、「いいいい! そんな地獄のような。両国のメインとかは回避しないと。ただ、一応僕もプロレスラーなんで、このベルトが懸かった試合でわざと負けるとか絶対ないです。全力で勝ちにいきますけど、平田ですから。おそらく初戦、も厳しいんじゃないかと思っております」と話した。

 ベルト奪還を果たしながらも、わずか数分で手放してしまった上野は「昨日あんな試合をした前チャンピオンに勝った男としてすがすがしくありたいということは確かです。平田さんに真っすぐ負けました。言い訳はありません。でも、平田さん、誰から獲ったか分かってるんですか? 上野勇希から獲ってるんですよ。帰り道、夜道、気を付けてください。平田一喜というチャンピオンをいつまでも見てますから、夢に見るほど僕の顔を焼き付けて、お気をつけて!」と語った。

 2日連続の激闘で王座陥落した樋口は「負けです。昨日の試合も、今日の試合も出し切ったうえでの結果なんで納得してます。ただ今後も樋口として、ハリマオとして意地を見せていきたい。まだまだ頑張りたいと思います」と前を向いた。

 なお、『WRESTLE PETER PAN 2025』2DAYを振り返ったCyberFight彰人取締役は「『WRESTLE PETER PAN』シリーズは、本来は両国クラスの会場でやる位置付けでしたが、両国の改修工事があったりで会場を押さえられず、2日に分けてやることになりました。昨日も今日も盛り上がる形になってよかったと思います。今回は奇跡が続いたというか、ザック(セイバーJr.)がIWGP王者として参戦してもらって。棚橋(弘至)さんが引退前、たぶんこれがDDT最後になるでしょう。このタイミングしかなくて。男色ディーノとのシングルを快く受けてくれた棚橋社長、新日本プロレスさん、本当にありがとうございます」と総括した。

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア

関連記事

サイト内検索

日別

2025年9月
« 8月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

月別

ページ上部へ戻る