「金払いたい奴だけ見に来い。それ以外は見にも来るな。SNSも見るな」元IGFの闘魂継承者がストリートファイトで血みどろのケンカを宣言しファンに吼える!

23日、東京都・新木場1stRINGにてTTTプロレスリング『PROGRESS 7』が開催。定アキラがKURO-OBIからインディー統一無差別級王座を防衛。因縁の藤原秀旺との決着戦が決まった。
TTTプロレスリングは、故・ターザン後藤さんが掲げた“インディー統一”の遺志を受け継ぐガッツ石島が旗揚げした団体。90年代インディーの空気を色濃く残したディープなメンバーが参戦しており、令和最新型の“平成”を創り上げている。
2020年1月に旗揚げしたTTTは旗揚げ直後にコロナ禍に見舞われ、いきなり興行が出来なくなり解散の危機に瀕するという波乱の立ち上がりを見せる。
しかし、TTTは同じくコロナ禍にあえぐ地元商店街とタッグを結成し、商店街振興のためのプロレスイベントを継続的に行うといった草の根運動で支持を拡大。この活動は行政にも認められ、東京都の商店街振興事業の一環として多数の商店街と合同で行われるようになるなど社会から高く評価。昨年12月には初の後楽園ホール進出、2026年1月9日に2度目の後楽園大会を決定しているなど上り調子だ。
TTTは観衆の洗脳活動を主とする奇行系ヒールユニット【ゴキブリ商会】から侵略を受けており、教祖たる“唯一神”藤原秀旺はTTT所属の正規軍よりもファンの支持を集めていた。
しかし、唯我独尊な神の行いに子ゴキブリたちがついにブチ切れ、今年4月大会にて秀旺をゴキブリ商会から追放。神の座を簒奪した定アキラが実質的な新リーダーとなり、5月大会ではガッツ石島を破って悲願のインディー統一無差別級王座戴冠。
その後、7月大会ではゴキブリ商会の藤田ミノル&後藤恵介がインディー統一タッグ王座を奪取。ゴキブリたちがシングルとタッグのベルトを独占して黒光りしていた。
そんな中、ゴキブリ商会を追放された秀旺は、かつて頻繁に拉致するほど愛していた瀧澤晃頼を飼い主として【元祖ゴキブリ商会】を名乗り始め、以前と変わらぬ洗脳活動を継続。当然、追放した側のゴキブリ商会の面々も苛立ちを露わにしており、その因縁の炎はシングル&タッグ王座をかけての抗争へと発展していた。

セミファイナルでは、藤田ミノル&後藤恵介vs藤原秀旺&瀧澤晃頼のインディー統一タッグ王座戦が実施。
このメンバーが揃うとプロレスの試合中とは思えない奇行や奇怪なアイテムが飛び交う試合になりがちだが、この日は正々堂々の闘いを展開。“普通にいい試合”を見せて秀旺&瀧澤が王座奪取に成功。
メインイベントでは、定アキラvsKURO-OBIのインディー統一無差別級王座戦が実施。
TTT正規軍であるKURO-OBIは柔術の名門・トライフォース柔術アカデミーで指導者を務めており、その名の通り柔術界ではレアな黒帯取得者。ウエスタンミシガン大学運動科学部卒業、世界最高水準であるNATA(全米アスレティックトレーナーズ協会)公認アスレティックトレーナー資格取得などの輝かしい経歴を持つスーパーエリート。2021年8月にプロレスラーとしてデビューし、2024年8月にTTTへ電撃入団。プロレス歴は浅いものの、確かな実力者としてメキメキと頭角を現しているオールドルーキーだ。

定もスネークピットジャパン出身であり、ストライカーの定とグラップラーのKURO-OBIという対照的なファイトスタイルを持つ2人の試合は非常に格闘技色の強い試合に。
試合開始から5分は互いに距離を測り合う緊迫感に溢れた立ち上がりも、KURO-OBIが定の掌底をキャッチして腕十字を極めたことで試合が動く。なんとかブレイクするも腕をかばう定だったが、脇固めを狙うKURO-OBIをニーリフトで突き上げて卍固め。IGF出身の定が闘魂を見せる。
ロープに逃れたKURO-OBIが低空タックルを仕掛けるも、定は冷静に顔面にヒザ蹴りを突き刺すカウンター。そのままマウント掌底を猛連打していくが、KURO-OBIも下から腕を取ってチキンウィング・アームロック。そのまま終わるかと思われたが、定が強引にぶっこ抜いて担ぎ上げ、ファイヤーサンダーで突き刺して3カウント。試合を通して投げ技はこれ1つという見応えのある試合となった。

試合後、定の元に秀旺が現れ「ゴキブリ商会、ちゃんとしましょうか、いよいよ。次回そのベルト、俺が獲ります。それだけの話。アキラが希望のルールで、なんでもいいよ。やってやるからよ」と挑戦表明。
定も「確かにお前はのさばり過ぎだ、このリングで。そろそろお前を駆除してやるよ。秀旺、希望のルールって言ったよな?俺とお前が初めてやったシングル、覚えてるよな。ストリートファイトだ。それでもお前がいいなら、次回のTTT、お前と真っ向から血みどろのケンカしてやるから、楽しみに待っとけ」と殺意をむき出しにしつつ9月20日の新木場大会での決着戦を決定。
この空気に呑まれてか観衆からはまばらな拍手。
これを受けた定は「この拍手の少なさが答えでしょ。今更俺と藤原秀旺のシングルなんて見たくねえってやつが半分以上いるかも知れねーけど、俺らはレスラーだから。俺らは馬鹿だから。言葉じゃ解決しないんだよ。真っ向から殴り合って、殴り合って殴り合って、初めてお互いをわかり会えるっていうとても頭のおかしい商売なんです。だから皆さんが見たいか見たくないかはこの際無視します。金払いたい奴だけ金払って見に来い。それ以外は見にも来るな。SNSも見るな。興味あるやつだけ見に来いコノヤロー。最高の自己満してやるよ」と吼え、客に媚びない“本物のプロレス”を見せる覚悟を見せつけた。