【インタビュー】「時間カツカツ、頭パツパツです(笑)」多彩なエンタメが交差するイベント『NEVER SAY NEVER』をプロデュースする渡辺智子インタビュー!

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 長与千種に憧れ全日本女子プロレスに入門した渡辺智子。全女のラストまで務め上げた選手がプロデュースするエンタメイベントとは?気になったので早速お話を聞いてきました!

――渡辺さんはクラッシュギャルズ(長与千種・ライオネス飛鳥)のお二人が現役だった頃に全女に入門されたんですよね。
「はい。クラッシュギャルズのお2人がまだいた頃ですね。いたころに入ったけど私たちまだプロテスト受かってなかったんで、長与さんの引退試合の横浜アリーナは雑用で行ってました。試合見ちゃいけないって決まりがあったんですよ。」

――あら?見ちゃだめなんですか?
「まだプロじゃないから。今の子はプロになる前から試合をどんどん見て雑用もどんどんやって勉強するじゃないですか。私たちは売店しかできなくて、ず~っと売店で十何人揃って立ってました。だから見れてないですよ。」

――そこは見せたれよ~って思います。
「そこは全女なんで(キッパリ)。他にもいろんな決まりがありました。」

――今考えるとこのルールはおかしいってありましたか。
「言ったらキリないですけど、あの~、髪染めちゃダメ、パーマかけちゃダメ、学校かよって(笑)。あと、靴下はメッシュのやつはダメとか。靴もブランドものメーカーものダメ、あの頃あったじゃないですかKaepa(ケイパ)ってやつ。」

――三角パーツをパチパチはめるやつ!
「そうそう、色変えれるやつ!それ履いてたら「ちょっと来て」って呼び出しですよ。」

――それは会社から?先輩から?
「先輩からです。会社の人は基本、竹刀で殴るぐらいです(にっこり)」

――「基本」と「ぐらい」の竹刀!
「まあね。靴に限らずおしゃれ禁止ですね。武蔵小山で上下2,000円しないぐらいのパジャマみたいなスウェットを、色違いでみんなで来てるぐらいでしたね。服もナイキとか着ちゃいけないって決まりがあって。それも会社じゃないですよ。先輩から。自然の流れで禁止。」

――空気読めよという。
「ほんとそう。分かってるよね?ってことです。今の若い子なんてほんと羨ましいですよ。デビュー戦の時から好きなデザインでコスチューム作れるじゃないですか、お金があれば。私達お金も無かったんで。初めて貰った基本給は5、6万だったんですよ。そっから寮費が引かれるし。」

――では週給1万円ぐらいってことですね。
「そんなもんですね。寮にお金置いとくんですけど、それを盗られた同期もいたし、お金がホントに無くて。ファンの人からの差し入れも貰っちゃいけないしキッチンなんて無いし。」

――寮が安心できない(汗)。差し入れもダメなんですか。
「ダメなんですよ。だからコンビニとかで廃棄のものを安く譲っていただいたりとか。当時はそれが出来たので。あとは親から仕送りで、なんか食べる物を送ってもらったりとかして。」

――ご飯炊いたりも出来ない。
「出来ないです、炊飯器も無いから。その時代はチンするご飯も売って無いし、そもそも電子レンジがもちろん無いし。ただ冷蔵庫が、ビジネスホテルについてるような小さな冷蔵庫が、どこかの部屋に1個だけあったんですよ。」

――近代日本のお話ですよね…(汗)
「でもそれが普通だと思ってたんです。これがプレスラーへの道だよって、ニヤリとしてました(笑)」

――じゃあ今の若い子たち羨ましいですね。
「羨ましい~。だって先輩の前で「はい。はい。」って言いながらお茶飲めるんですもん。私たちは季節関係なく飲んじゃいけなかったので、先輩の前では。だから洗濯機の水とかトイレの水とかこうやって(手で受けて)飲んでました。」

――まもなくサバイバルに突入ですよ!
「ホントにね~(笑)。まあどっちも蛇口から出てくるのは水道水ですからね。でも極悪女王でやってたダンプさんのお話の頃とはまた違ってると思います。時代の流れでまたちょっと違うと思います。」

――長与さんに憧れて入団されたのにお話も全然できない環境だった。
「出来ないです!長与さんが辞めたころは自分はプロじゃなかったし、長与さんととにかく一緒に仕事をしたいと思ってたんですよ。一緒に試合したいとかじゃなくて、私の人生を変えてくれてた人だし、一緒に仕事したいって。でも全女からどんどん選手がいなくなって、辞めるわけにいかなくなってしまい。」

――すぐには追いかけられなかったんですね。
「自分がある時怪我をしてしまって、その時にまた全女から選手が辞めてくっていうのを伊藤(薫)に聞いて。じゃあ、渡辺智子とZAPと両方やろう、一日二試合やりましょうって話し合って興行を打てるようにしてたんです。そんなふうに全女でなんだかんだやってるうちにガイアジャパンが立ち上がって長与さんがまた遠い存在になっちゃって。」

――わずかにタイミングがズレちゃう。
「で、今度はマーベラスを旗揚げすることになったんです。でもそん時私はディアナに居たんですよ。いよいよ「今ディアナにいるんですけど、マーベラスで一緒にやらせていただきたいです」ってお話したんです。そしたら長与さんがディアナの社長のところに直接「うちで渡辺智子を預かります」って足を運んでくださったんです。ずっと届かなかった背中にやっと。多分27年ぐらい追い続けました。」

――それ嬉しいですね~。ようやく長与さんと普通にお話できるようになりましたか。
「とても普通には出来ないですよ~(笑)。マーベラスは去年退団したんですけど、9年ちょっとかな。やっぱり全女の先輩、全女の考え方が抜けないので、気軽にお話なんてできないし写真も撮れないし。」

――え?写真も撮られてないんですか?
「みんな、私より下の人は「長与さ~ん」って普通にこうツーショット撮ってSNS上げてたりするんですけど「なんでそんなの出来んの!?」って思っちゃう!」

――ヒヤヒヤしますね。
「先輩の前で携帯なんて持ってらんないですよ。」

――いっしょにお食事とか呑みにいったりとかは?そこで打ち解けたり。
「食事はありましたけど、お酒は私しか飲まないんです。でも長与さんの前では絶対飲まないです。飲め飲めってよっぽど言われない限り。話しかけるなんて図々しいって思っちゃうし。多分伊藤もそうだと思います。写真なんか撮れないと思う。ふふ、全女の話したら終わらなくなっちゃう。」

――全女のお話はホント面白いです。呑みたくなりますね。
「今度みんなで呑みましょうよ!これ昼から12時間ぐらいぶっ通しで行けますよ。」

――"全女トークマラソン"めっちゃ面白そう!(笑)
「言っちゃいけないことも無いし、全女のこと恨んでるわけでもないから。その当時全女にいた人たちもみんな言うじゃないですか。」

――皆さん酷かったって言いますけどキライって言わないですもんね。
「キライなんだけど好きなんですよ。会長はじめみんな死んじゃったけど、許さないって言う人誰もいないと思う。ホントに不思議。」

――全女の試合、今見ても気合と熱量がやっぱり違いますもんね。
「全女は基本先輩と後輩を当てるんですよ。例えば先輩と私が試合するってなったら、会社の人がその先輩を事務所に呼んで、「この間、渡辺智子がお前のことを散々言ってたぞ」って言うんですよ。そりゃカチンと来るじゃないですか。それで何か知らないけど試合でボコボコにやられるっていうのは、凄く多かった(力強く)」

――焚きつけちゃう。
「それの延長線上でね、対抗戦で私がシャーク土屋とクラッシャー前泊とやった時(92年10.17後楽園大会)ありましたよね。あの時も散々会社は私たちにあの2人のことを吹き込んでくるわけですよ。私同期だったんです、土屋と前泊とは。だけど「このままで良いのか?全女無くなるぞ。FMWに乗っ取られるぞ」ってもう散々焚きつけられて(笑)」

――だからこそあの熱量が生まれる。
「GAMIさんも含めて土屋も前泊もみんな同期なんだけど、全然仲良くなれなくてみんな。対抗戦が終ってもう33年目になるのに、多分2、3年ぐらい前にやっと話するようになったんですよ。現場でこうやって言われてたんだって言ったら、みんなびっくりして。ようやく同期みんなが集合するようになったんですよね。」

――昔の試合はやたらと張り手も多かったです。
「最近はエルボー多いですよね。この前「このガチガチやる感じ何だろうね。流行ってるのかね?」って伊藤と話してたとこなんです。」

――Sareee選手なんか極めてそれですよね。
「でも、それ以外にも沸かせられる技をいっぱい持ってるので、あの子は。その若手っぽい考え捨ててもいいのになって思うんですよ。スープレックス系の技もすごい素敵ですし、人気ももちろんあるし何でも出来るんで。あのエルボーのガチガチは新人だけでいいのにな(笑)」

――あ、そうだ。渡辺さんが尊敬して止まない長与さんなんですが、Chi-Chi選手に全乗っかりしてバービー対決やってましたね。
「やってましたね~。私達の年代からあれはお願いできないですね、絶対に。あの、私一回だけ長与さんに「生意気なこと言うかも知れないんですけど」って言ったことあるんです。「私達の年代は長与千種さん、ライオネス飛鳥さん、そしてダンプ松本さんに憧れて、トータルしたら何十万人もの人がオーディション受けて、受かるのが一桁で。みんなで頑張ってやって残るのが一人二人っていう中でやってきたんです。こうやって若い子達と普通に遊んだり、ご飯食べたり写真撮ったりしてますけど、それを普通に、当たり前にしてほしくないです。自分の中では長与千種はいつまでも偉大な方なんです!」って言いましたね。」

――おお~。進言したんですね。
「長与さん、笑顔で優しく「嬉しいよ。ありがとうね」って言ってくれたのに、その後もすぐ若手と撮ってたんですよ。イェーイ、カシャカシャって(笑)」

――楽しいのが好きなんでしょうね、長与さんは。
「全女の時はそういうのが無かったからだと思うんですよ。いろいろ縛られちゃって。だから今楽しいんじゃないですかね。ガイアの時は「ガイア=長与千種」でしたから。やっちゃいけないって本人も思ってたのかもしれないです。」

――渡辺さんも今回のイベント『NEVER SAY NEVER』(6.13新宿FACE)はとにかく楽しくっていうコンセプトで。
「いろんな年齢層がいる中で、プロレスだったり、お笑いが好きだったり、アイドルが好きだったり、舞台が好きだったり。うちの主人が俳優やってるんですけど、何かきっかけがないと舞台とか観に行かない。プロレスだってチケットがたまたま安かったから行ってみたらすごい楽しかった、で、そっからハマる人もいるわけで。いろんな楽しいっていうもの、エンターテイメントを集めて1つにした形ですね。」

――プロレスにこだわらない形のイベントですね
「みんな団体やめるとプロレスの興行をやるんですけど、参戦させてもらって見てるとすごい大変そうで(笑)。私は絶対やらないと思ってたんですけど、今お世話になってる事務所の社長に、それやってみたらいいじゃんって背中を押していただいて。いろんな好きが集まってたらみんなが楽しいかなと思ったんです。」

――ブログでは石倉三郎さんにとあることをお願いしたようですが。
「そうですそうです、はい。とあることを(笑)」

――旦那さん(俳優の武智大輔さん)も出演されますね。
「あの、昔Vシネって流行ったんですよね。私はよく知らないんですけど。旦那は昔ヤクザもののVシネとかよく出てましたね。」

――石倉三郎さんと武智大輔さんって聞くと「あ、ヤクザものの舞台かな?」って思っちゃいます(笑)
「ね、ちょっとそんな感じに見えちゃいますよね(笑)。基本的に18時スタートなんですけど、プロレスの大会だったら、前半戦から休憩あって後半戦なんですけど、前半はエンタメとか芸能関係で、後半はダンプさんのトークショーがあって、そこからプロレスの試合が二本ですね。」

――プロレスはわずか2試合なんですね。
「一番初めにアクトレスさんが出ますけど、やってることは同じなんですけどあちらは公演なのでプロレスの試合とは数えず、こういう可愛い子たちもいるんだよっていうのを見せたいなって思ってます。アクトレスがあって、トークショーとかあって、ちょっと歌があるかもっていう。もう時間カツカツで頭はパツパツです(笑)」

――「24時間起きてるわ」ってブログにありましたね。
「おとといかな、気付いたら24時間起きっぱなしだって気づきました。結構起きてると意外と平気なんです。『ああ、眠いけどお酒は飲めるんだ』って思いました。24時間経ってからお酒飲んだんです。はじめて24時間お酒抜いたんですよ!」

――偉いんだか偉くないんだか。
「昔のプロレスのイメージで止まってる人は当日ビックリすると思う。今かわいい子もいるしちっちゃい子もいるし。昔ちっちゃい子はプロレスラーになれないってイメージあったと思うんですよね。今実は女子大生もいて、こんなかわいい子もいて、梅咲みたいにちょっとアイドルもやってますみたいな子もいたり。そんな選手を集めてます。あとはみんな知ってるアジャコングさんだったりとか。プロレスファンばっかりが集まる、集めようとはあんまり考えてないですね。プロレスも難しいですよね、今どんなカードでも。」

――これひとつで満員だっていうのはなかなか。
「まあ対戦カードは8人しかいないから想像してくださいってことで(笑)。次またやるかどうかは分かりませんけど、いろんなプロレスラー、いろんな面白い人たちがいるんだって紹介していきたいし、昔のプロレスと今のプロレス、こんな風に変わりましたよとか伝えたいですね。」

――技が高度になった反面、技失敗動画を上げられちゃうという。
「私は今の子たちみたいな技の数とか派手な技とか無いし、あと相手に助けてもらうようなのが私は好きじゃないんです。そういうの多いじゃないですか。だから技失敗動画とかね、なんでこうなった?って思わず見ちゃいます(笑)」

――では改めて6.13新宿FACE『NEVER SAY NEVER』の見どころをお聞かせください。
「とにかく人って何かしら好きなものがあると思うんです。その1つのものだけにとらわれず、ちょっとでも興味のあるもの、さっきも言ったようにプロレスでもお笑いでもアイドルでも俳優さんでも何でもいいので、そこにちょっとでも引っかかるなと思ったら、ぜひ見に来てください!」

――いろんなフックが用意されてるような。
「ふふふ。期待してください!」


『渡辺智子プロデュース興行「NEVER SAY NEVER」』
日程:2025年6月13日 (金)
会場 :東京・新宿FACE
開始 :18:00
チケット
https://x.gd/VT4mc

ー参加選手ー
アジャコング(フリー)/井上京子(ディアナ)/井上貴子(LLPW-X)/宮崎有妃(WAVE)/梅咲遥(ディアナ)/狐伯(WAVE)/炎華(WAVE)渡辺智子(GROW)

-アクトレスガールズ提供試合-
▼アクトレスタイム
夏葵/なる
vs
福永莉子/植原ゆきな

▼AWG vs KING ノンタイトル戦 POINT MATCH
【AWG王者】才原茉莉乃
vs
【KING王者】水嶋さくら

-ゲスト-
ダンプ松本(極悪女王)/晃さん(フィンガー5)/大林素子さん(元バレーボール日本代表)/アントニオ小猪木さん/上西怜さん(アイドル)

-参加タレント-
石倉三郎さん/上西恵さん/立枝歩さん/武智大輔さん/武田知大さん

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