全日本プロレスには明るく楽しいバカがいる!宮本裕向が土井成樹から意地のムーンサルト・プレスで王座防衛!

9日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『ドリームパワーシリーズ2025【開幕戦】』が開催。宮本裕向が“ミスター斉藤”土井成樹を破ってGAORA TV王座の4度目の防衛に成功した。
GAORA TV王座は、全日本プロレス最高峰の三冠ヘビー級王座に次ぐシングル王座として2012年にPWF認定のもとで創設。団体内外の若手主力選手が目指す王座として争われている。
現王者の宮本裕向は、暗黒プロレス組織666所属の外敵王者。喧嘩自慢の元暴走族であり、掣圏真陰流トーナメント優勝歴を持つなど格闘家としての実力も確か。“デスマッチヤンキー”の異名を取るデスマッチファイターでありながら、ホームの666では奇妙でコミカルな試合をすることが多いトータルファイターだ。
昨年秋に開催された『王道トーナメント』で無念の欠場となった諏訪魔の代わりに出場したことで、諏訪魔らのユニット【バカの時代】の面々と縁が生まれて全日本にレギュラー参戦中。王道マットで“明るく楽しく激しいプロレス”を行うバカの1人として全日本に欠かせない選手になっている。
2月の八王子大会で行われた黒潮TOKYOジャパンとの3度目の防衛戦では、2人で延々とムーンサルト・プレスを発射し合うという見る人によってコミカルにもシリアスにも見える騙し絵のような芸術的な試合を展開。
この試合を見て感動した“ミスター斉藤”土井成樹がリングに上って裕向に挑戦を表明。裕向が「また世界ジュニアに挑戦すればいいじゃないっすか!こんな死闘で体ボロボロになってるのに、またタイトルマッチですか!?ちょっと休ませてくださいよ!」と悲鳴を上げるも、非情な全日本首脳陣は3月9日の後楽園ホール大会での防衛戦をその場で決定した。

ムーンサルト連発の反動でヒザを痛めている裕向に対し、土井はドラゴンスクリューや足4の字固めを軸とした足への一点集中攻撃を展開。裕向も意地を見せるべくムーンサルト・ダブルニードロップを放つが、かわされて自爆し大ダメージを負ってしまう。
土井はDOI555からのバカタレスライディングキックという必勝コンボを決めるも、裕向がギリギリでキックアウト。追撃を狙う土井がロープに飛ぶも、裕向はフランケンシュタイナーで迎撃し、土井の起き上がり際に蒼魔刀。最後は裕向がラストライドからのムーンサルト・プレスを決めて3カウントを奪った。
バックステージに戻った土井は「改めて気付いた。今オールジャパン、全日本の中で、全日本にあるタイトルの中で、俺はGAORA TVのタイトルが一番欲しい。改めて今日分かった。次に挑戦するときは、GAORAのマスコットキャラクター・ガオやん連れてきてやるからな!もう1回やもう1回!」と、DRAGON GATE時代から縁が深いGAORA TVへの愛を叫ぶ。

裕向は「やっぱDRAGON GATEでトップ張ってただけあると思います。すごいよ。はえーし、パワーあるし、頭もあるし」と土井を称賛。
そして「今日は全日本で久しぶりに先輩と闘った気がします。まだまだ成長しますよ。このベルトとともに。SUSHIとかブラックめんそーれとかが巻いて価値の下がったベルトの価値上げますんで」とサラリと毒を吐いてから足を引きずりながら去っていった。