人違いの挑戦表明から望外の熱戦!MUSASHIが世界ジュニア王座を防衛し盟友・吉岡世起と防衛戦へ!

9日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『ドリームパワーシリーズ2025【開幕戦】』が開催。MUSASHIが立花誠吾を破って世界ジュニア王座の2度目の防衛に成功した。
MUSASHIは昨年2月にみちのくプロレスを退団してフリーとなり、全日本プロレスに上陸。当初は“外敵”として警戒されていたMUSASHIだが、持ち前の人当たりの良さも手伝っていつの間にかイジられキャラに。現在は皆から“むーちゃん”と呼ばれて愛されている。
そんなMUSASHIだが、昨年7月に“ミスター斉藤”土井成樹の持つ世界ジュニアに挑戦表明を行った際に「お前所属じゃなくてフリー選手やろ?」と挑発されたことを受け、その場で福田社長に直訴して入団を認めさせた。その後は全日本への愛を深めてファン・選手の信頼を勝ち取り、今年1月には選手会副会長に就任。土井に流出していた世界ジュニア王座を奪還し、名実ともに全日本ジュニアの中心となった。
マイクで何かを言おうとするたびに遮られたり、パートナーにちゃちゃを入れられたり、退場を促すかのようにテーマ曲を流されたりと中々喋れないといったイジりを受けているMUSASHI。
2月の後楽園ホール大会で佐藤光留との防衛戦を行った直後には、同大会に出場していなかった立花誠吾からビデオメッセージで挑戦表明が届いた。しかし、その内容はMUSASHIが負けることを前提に撮影された光留への挑戦表明。新たな角度からのイジりを受けたMUSASHIは「勝ったの俺だよぉ?!」と悲しそうに叫び、大爆笑を買った。
MUSASHIもファンから愛されているが、立花も所属外の選手ながら熱烈な支持を得ている。ファンからは“アニキ”の愛称で親しまれ、盟友の黒潮TOKYOジャパンに振り回されて酷い目に遭う姿が人気に。会場人気はトップクラスと言っても過言でない。
和田京平レフェリーは立花の体つきや試合ぶりを手放しに絶賛しており、団体からの評価も高い立花は現在の全日本に欠かせない選手の1人となっている。

ピープルズ・チャンピオンvsピープルズ・チャレンジャーとも言える2人の試合は、基礎に忠実なレスリングからのガンの飛ばし合いに始まる。
立花は必殺のヤンキーハンマー(※後頭部へのランニング・エルボースタンプ)への布石を打つべく徹底して首への一点集中攻撃を重ねていき、エプロン上でのイケメン落とし(※インプラント)を決めて一気に流れを掴む。
苦戦する展開が続いたMUSASHIだったが、エルボー合戦での意地の張り合いを制してファルコンアロー。立花のヤンキーハンマーを阻止してカウンターのトラースキックを的確にヒットさせていき、パッケージ・ジャーマン・スープレックス・ホールド、エストレージャ・フトゥーロ(※フロッグ・スプラッシュ)、二天一流(※変形エメラルドフロウジョン)と畳み掛けて3カウントを奪った。
試合後には、MUSASHIと【むーちゃんせーちゃん】としてタッグを組む吉岡世起がリングイン。
話そうとするMUSASHIからマイクをひったくり、自身が挑戦表明するかと思わせておいてから「次に挑戦したい奴から手紙を預かっている」とMUSASHIをイジっていく。
しかし、MUSASHIは「せーちゃん、ふざけないでくれよ。もう次の挑戦者は決めてるんだよ。俺はせーちゃんと闘いたい。次の世界ジュニアの挑戦者は、せーちゃんだ」と真剣な表情で吉岡を見つめる。
すると吉岡も真摯な態度で向き合い「奇遇だね。俺もむーちゃんとは決着つけたいと思ってたよ」と挑戦に乗り気に。同時期に全日本に上がり始めたMUSASHIが選手会副会長やチャンピオンと出世していく中で未だ1人では実績を残せていない葛藤を示唆しつつ、3月29日の大田区総合体育館大会での決戦を要求した。