第100代世界タッグ王者は宮原健斗&青柳優馬!絶対王者の斉藤ブラザーズを破り歴史に名を刻む王座戴冠!

9日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『ドリームパワーシリーズ2025【開幕戦】』が開催。宮原健斗&青柳優馬が斉藤ジュン&斉藤レイを破って第100代世界タッグ王座戴冠を果たした。
双子の大相撲力士レスラー【斉藤ブラザーズ】斉藤ジュン&斉藤レイはともに190cm・110kg超えの大型選手として全日本の未来を背負って2021年6月に2人同時デビュー。2人で世界タッグ王座を戴冠し、2025年2月にはジャンボ鶴田&谷津嘉章が持つ同王座の最多連続防衛回数を更新する8回の防衛を達成するなどプロレス史に名を刻む活躍を見せている。
実力やビジュアル面も折り紙付きの2人だが、お茶目なその性格も愛されている。
地元・ミヤギテレビの『OH!バンデス』の1コーナーである『TAXIめし リターンズ』で兄弟揃ってレポーターを務めてお茶の間の人気者に。さらに2人で歌う『どっち?』でCDデビューして話題を呼ぶなどリング内外でプロレス界をDOOMしつつある。
前シリーズでは“プロレス兄弟”というテーマで斉藤兄弟と青柳兄弟を推しており、2月の後楽園ホール大会では2組の兄弟対決で世界タッグ王座戦、同月の八王子大会ではジュンと優馬の三冠ヘビー級王座戦が実施。優馬はいずれも戴冠を逃したが、連続で王座戦を闘う大車輪の活躍を見せた。
しかし、そんな全日本マットの風景を宮原健斗が黙って見ているわけもなかった。
9日の後楽園ホール大会での世界タッグ挑戦に加え、3月29日の大田区総合体育館大会での三冠王座挑戦を宣言。優馬との【ビジネスタッグ】で世界タッグ王座を奪い、三冠王座も奪還して再び五冠王に返り咲く覚悟を叫んでいた。

試合は序盤から荒っぽい場外乱闘となり、レイが観客から借りてきた優馬の応援タオルで優馬の首を絞めたり、コーナーに2人を重ねて串刺しボディスプラッシュを見舞ったりと大暴れ。
優馬が集中砲火を浴びる展開となるも、宮原のブラックアウトに合わせてトラースキックを見舞う連携攻撃や、ジュン&レイのDOOM(※ダブルインパクト)を雪崩式ブレーンバスターで阻止するなどの活躍を見せ、ジュンと対峙する宮原をアシスト。
ジュンは相撲仕込みの強烈な張り手を宮原の顔面へ見舞い、最上位技のDAYS GONE(※変形昇天・改)を狙う。これを振り払った宮原がカウンターのブラックアウトを叩き込み、最後はシャットダウン・スープレックス・ホールドを決めて3カウントを奪った。
久々の世界タッグ王座を手にした優馬は「第100代チャンピオンとして、そして、全日本プロレスの社畜、青柳優馬として、そして、社会の歯車の一員として、この世界タッグというビジネスを完遂して、業務を実行していきたいと思います」と優馬らしい慇懃無礼な陰湿マイクで観衆を沸かせる。
宮原も「付き合って10年だ、たまにはいいことあるもんだな。付き合ってはねーか。出会って10年だな。たまにはいいことあるもんだ」とビジネスだけでは終わらない優馬との絆を確かめつつ「みんなも、明日からも、この全日本プロレスを見て人生を豊かにしてくれ。青柳優馬!明日からも!全日本プロレスのために、社畜のごとく!働くんだな。最後に、後楽園ホールの皆さんに聞きたーい!ビジネスタッグ、最高ですか~!?ビジネスタッグ~最高!」のマイクで締め。全日本らしい多幸感あふれるエンディングを迎えた。
宮原は、冬の時代が続いた全日本から芽吹いた希望のような存在。全日本ファンであるなら宮原のファンでなくとも一定のリスペクトを持っていることが多いという、全日本のアイコン的な選手。
優馬も、諏訪魔いわく“焼け野原”と化していた全日本に入団し、2023年には史上最年少の五冠王戴冠を果たすエース格になるまでに成長。プロレス界に今までいそうでいなかった“陰湿”さを前面に出した明るい皮肉屋として全日本を牽引する存在になっている。
2024年は若手世代の台頭が目立つ“未来”を感じさせる年だった。これに対し、“現在”を担う現エース格の選手たちは“過去”に追いやられないよう全力であがいてきた。
どちらかがどちらかを蹴落とすのではなく、ともに高め合う健全な世代間闘争が展開されている全日本プロレス。その最先端の闘いは、3月29日の大田区総合体育館で行われる斉藤ジュンvs宮原健斗の三冠ヘビー級王座戦で見ることが出来るだろう。