ガンを克服したプロレスラーが子どもたちのヒーローに!エル・ファンタズモがNJPW WORLD認定TV王座V2!
3日、東京都・後楽園ホールにて新日本プロレス『ナッツRV Presents Road to THE NEW BEGINNING』が開催。エル・ファンタズモ(ELP)がジェフ・コブを制してNJPW WORLD認定TVの2度目の防衛に成功した。
NJPW WORLD認定TV王座とは、長年新日本プロレスを中継してきたテレビ朝日の提案によって企画され、『テレビ朝日とのパートナーシップを象徴する王座・ベルト』として2022年に創設。15分1本勝負にて行い、若手にもチャンスを与え、これまでタイトルマッチをあまり行ってこなかった地方大会でのマッチメイクを中心に考えていくプランが語られていた。
現王者のELPはイギリスではウィル・オスプレイのライバルとして知られ、2019年に新日本プロレスに登場。ジュニアヘビー級の第一線で活躍すると同時にBULLET CLUBの一員として悪の限りを尽くしてきたが、追放されてベビーターン。ヘビー級に転向し、ヒクレオとともにIWGPタッグ王座&STRONG無差別級タッグ王座戴冠を果たすなど実績を残してきた。
そんなELPだが、昨年10月には検査でガンが発見されたことを報告し無期限休養。世界中から心配の声が集まる中、同年12月に「ガンは克服された」という宣言とともに電撃復帰。その翌月となる今年1月には4WAYマッチでのNJPW WORLD認定TV王座戴冠を果たし、ガンを克服しての大復活劇を遂げてみせた。
この日、ELPが2度目の防衛戦の相手として迎え撃ったのはジェフ・コブ。
コブはELPが王座戴冠を果たした4WAYの試合に出場しており、自身は負けていないとして挑戦表明。1月11日のサンノゼ大会で両者の初防衛戦が行われたが、両者リングアウト決着でドローに。真の決着戦として後楽園ホールでのリマッチが行われることとなった。
試合はクリーンな握手から始まり、序盤からコブがその圧倒的なパワーでELPを制圧。それでもELPは奈落式フランケンシュタイナーからのトペ・スイシーダ、場外鉄柵を飛び越えて観客席まで飛び込むラ・ケブラーダ、南側客席のゲート上からのプランチャを見せるなど驚異的な身体能力を発揮して逆転の狼煙を上げる。
ELPが敢えてラリアットでの真っ向勝負というコブの土俵で闘おうとすれば、コブもジェフ・コブ式サンダーキス'86を放つなど小粋な切り返しを見せて死闘は過熱。コブが掟破りのサドンデスからツアー・オブ・ジ・アイランドを狙うが、ELPが十字架固めで切り返してサドンデス。最後はサンダーキス'86を決めて3カウント。ELPが2度目の防衛に成功した。
連敗を喫した形となるコブだったが、ELPの肩にベルトをかけた上でグータッチを交わして祝福。ELPは「コウラクエン、ダイスキです!コウラクエン、元気ですか?」と日本語で叫んで大歓声を浴びる。
そしてELPは「俺に声援を送るのではなく、昨日から今日にかけて盛岡から9時間半運転をして俺たちを後楽園に送り届けてくれたバスの運転手に声援を送ってくれ!大会の最中ずっと立ちっぱなしで俺たちを撮影し続けたカメラマンたちに声援を送ってくれ。俺はたった13分試合するだけなのに、この人たちは3時間撮影し続けている。俺はこの一生懸命働くカメラマンたちが大好きなんだ」と語り出し、「バックステージには感謝を伝えないといけないスタッフがたくさんいる。レスラー以外で新日本プロレスを運営していくのに必要なすべての人に対して声援を送ってくれ!」とサポートしてくれる周囲の人間への愛を叫んだ。
大会を締めたELPは観客席を練り歩き、小さなファンの肩にベルトをかけて一緒に記念撮影を行ったり、一緒にELPポーズを取ったりと交流。子どもたちのヒーローとなった。