【試合詳細】11・27 飛鳥プロレス後楽園ホール大会 しのせ愛梨紗vs朱里 黒潮TOKYOジャパン&土肥こうじvs仲川翔大&高橋匡哉 葛西純&鈴木秀樹vs田中将斗&佐藤耕平 児玉裕輔vs篠瀬三十七
飛鳥プロレス『10周年記念大会』
日程:2024年11月27日(水)
開始:18:30
会場:東京都・後楽園ホール
観衆:248人
▼シングルマッチ 20分1本勝負
○児玉裕輔(フリー)
7分38秒 エビ固め
●篠瀬三十七
▼6人タッグマッチ 20分1本勝負
木藤裕次(フリー)/○瀧澤晃頼(TTT)/花見達也(2AW)
12分46秒 村瀬のラリアットが誤爆→片エビ固め
村瀬広樹(フリー)/植木嵩行(フリー)/●藤原ライオン(フリー)
▼6人タッグマッチ 20分1本勝負
真琴(フリー)/○SAKI(COLOR'S)/本間多恵(フリー)
15分56秒 ランニング・ブレーンバスター→体固め
世羅りさ(プロミネンス)/雪妃真矢(フリー)/●花園桃花(フリー)
▼バニラとドンのキッチンカーpresents タッグマッチ 20分1本勝負
△葛西純(FREEDOMS)/鈴木秀樹(フリー)
20分0秒 時間切れ引き分け
△田中将斗(ZERO1)/佐藤耕平(フリー)
▼仲川翔大デビュー10周年記念試合 タッグマッチ 30分1本勝負
黒潮TOKYOジャパン(フリー)/○土肥こうじ(フリー)
22分46秒 ラリアット→体固め
●仲川翔大(フリー)/高橋匡哉(大日本プロレス)
▼シングルマッチ 30分1本勝負
○朱里(スターダム)
14分21秒 朱雀
●しのせ愛梨紗(アイスリボン)
飛鳥プロレスの10周年大会メインでしのせ愛梨紗が朱里と対戦し飛鳥入団宣言!父・三十七は左足首骨折も原点回帰の全力ファイト!
第1試合
飛鳥プロレスが11月27日、東京・後楽園ホールで「10周年記念大会」ファイナルを開催した。代表である篠瀬三十七は左足首骨折のケガをおして強行出場も児玉裕輔に惜敗した。
当初、篠瀬は今大会で過去にゆかりあるメンバーでのタッグマッチを予定していた。ところが、篠瀬のデビュー当時から応援している仕事仲間で、心臓病と闘っている人物から「戦ってる篠瀬さんを見て勇気をもらった。11月27日も頑張って治して応援に行きたい」と告げられ、篠瀬は「僕の試合で元気をもらってくれる人がいるなら、病気に負けないで頑張ってくれよ」との思いで、児玉とのシングル戦に変更した。
篠瀬にとって、児玉は2012年7月15日、後楽園でのデビュー戦の対戦相手。12年余の月日を経て、同じ会場で、原点回帰のため、第1試合で激突した。
「ケガは言い訳にならぬ」とばかりに、篠瀬は気合満点でチョップ連発。児玉もチョップで返していき、スリーパーもエスケープ。篠瀬は河津落とし、串刺しボディアタック、ブレーンバスターとつなぐもカウントは2。さらにトップロープに上がり、セイバーチョップ狙いも、回避した児玉はキャメルクラッチで締め上げた。両者、チョップの打ち合いから、篠瀬がバックドロップ。篠瀬がヒジのサポーターを外し、バズーカエルボーを狙うも、リングに転がった児玉はトリッキーな動きから丸め込んで電撃の3カウントを奪った。敗れたものの、篠瀬の魂のファイトが印象に残る試合だった。
「10周年記念大会」のファイナルを白星で飾れなかった篠瀬は「心臓病の彼は来れなかった。でも、彼が頑張ってくれてるっていったら、自分も負けてられない。気付いたらスリー入ってて、ツーで返したと思ったんですけど。デビュー戦の相手ということを考えれば、感慨深いけど、相手はIJチャンピオンだし、そういう方とシングルできたというのは、児玉さんの器量の大きさ。頑張れよってことだと思うんで、頑張ります」とコメント。
児玉は「ケガは関係なく、一発一発チョップも気合入ってましたし、自分のできるなかで弾けられたんじゃないでしょうか。(12年の積み重ねは?)まだ通過点。これで終わりじゃないんで、そんなに気負っていかず、お互い頑張っていきましょう」と話した。
第2試合
木藤が村瀬にチョップ連打、植木は瀧澤の顔面に胸毛を押し付ける。ライオンが瀧澤にフェースクラッシャー。木藤組が瀧澤にトリプルこけし。瀧澤が村瀬にドロップキック。花見が村瀬、ライオンに2人まとめてムーサルト・アタック。村瀬が花見にバックドロップもカウント2。10分過ぎ、植木が拳銃(もちろんおもちゃ)を取り出し、他の5選手、レフェリーを威嚇も、トップロープに落下し、急所を強打。村瀬のラリアットがライオンに誤爆してしまい、そのまま瀧澤がカバーしてピン。
第3試合
かつてタッグを組んでいた世羅と雪妃のタッグが再現。序盤は花園がトリッキーな動きで躍動。真琴が雪妃にカカト落とし。雪妃が真琴にエルボー、キック。真琴が雪妃にダブルアーム・スープレックス。花園がSAKIにミサイルキック、飛びつきフランケンシュタイナー。SAKIと花園がブレーンバスターの応酬。真琴が花園にスピア。SAKIと本間が花園に合体式フェースバスターもカット。花園がSAKIにダイビング・フットスタンプもカット。世羅のハイキックが花園に誤爆。世羅のダイビング・ダブルニーも誤爆。SAKIが花園にランニング・ブレーンバスターで勝負あり。
第4試合
まさにここでしか見れない珠玉の好カードが実現。鈴木と佐藤がレスリングの攻防。田中と葛西がエルボー合戦。葛西が竹串を取り出すも、田中に奪われ頭に刺される。場外乱闘で葛西は流血。葛西と佐藤がヘッドバット、エルボー合戦。鈴木が佐藤にエクスプロイダーもカウント2。田中が鈴木に串刺しラリアット、スイングDDT,ブレーンバスター。鈴木は田中にスリーパー。葛西が田中にダイビング・ヘッドバットもカウントは2。田中と葛西がラリアット相打ち。田中が葛西に雪崩式ブレーンバスター。鈴木が田中にツームストーンパイル、葛西がパールハーバースプラッシュもカット。田中が葛西にエルボー連打、鈴木が田中にダブルアーム・スープレックスもカット。鈴木が佐藤にジャーマン、田中が鈴木にエルボーも20分タイムアップ。
第5試合
仲川は2011年にTAJIRIが率いたSMASHに入門。同団体解散後、TAJIRIらとともにWNCに移籍。センスは買われていたが、「体ができていない」との理由で、なかなかデビューできず、レフェリー兼練習生としての活動が続いた。WNCの活動休止後、先輩の篠瀬三十七が旗揚げしたASUKA PROJECTに所属し、2014年11月27日の後楽園大会で苦労の末、デビューした。デビュー後はさまざまな団体からオファーを受け、引っ張りだこに。2019年3月にASUKAが解散すると、自主興行「MONSTER'S PARTY」を主宰。一時、所属していたJ STAGEからは離れ、現在はフリーランサーとして活躍している。
まさしくリアル10周年記念日となったこの日、仲川はほぼ同期生でデビュー戦のパートナーでもあった高橋匡哉と組み、SMASH、WNC時代の先輩である黒潮TOKYOジャパン、土肥こうじ組と対戦した。
仲川と黒潮は場外へ戦場が移ると、南側客席で大乱闘も、カウント19ギリギリで生還。黒潮がジャケットパンチで攻めていけば、仲川はジャンピング・ハイキックで応戦。高橋がコーナーマットを外し、黒潮をコーナーに固定すると急所蹴り連発。仲川が土肥にミサイルキックを叩き込む。仲川は土肥にスワントーンボムを決めるも、黒潮がカット。黒潮が仲川に雪崩式フランケンシュタイナー、土肥は滞空時間の長い垂直落下式ブレーンバスターを仲川に見舞う。さらに土肥は仲川の後頭部へのラリアット、正面からのラリアットを繰り出して3カウントを奪取した。
記念試合を勝利で飾れなかった仲川は「僕は正確には同じ場所(後楽園)でデビューできなかった男で、一緒に戦ってくれた高橋さん、壮士朗さん(黒潮)、土肥さん。3人は練習生を一緒にやってたんですけど、僕が3人より力が足りなくて、元々いた団体では僕だけ選手になれずに、レフェリーをやってて。いろいろあって、違う団体でデビューして。こうやって、遅れる形で仲間であり、先輩である3人と試合をさせてもらいました。3人に比べたら、僕だけ力もないし、実績もないし、まだ何も残してないから、今日の試合で結果を残して、あの3人に近付きたかったんですけど、まだまだ僕の力不足です。10周年、1個の区切りの感じはするんですけど、この試合のおかげで、11年目、この先、15年、20年ともっと頑張んなきゃなと思ったので、この試合を組んでくれた篠瀬さん、この3人に感謝します。これからも頑張りたいと思います」と前を向いた。
第6試合
飛鳥プロレスが11月27日、東京・後楽園ホールで「10周年記念大会」ファイナルを開催した。聖地でのメインイベントを託された篠瀬三十七代表の愛娘・しのせ愛梨紗(アイスリボン)がシングルマッチで元ワールド・オブ・スターダム王者の朱里に玉砕。試合後には飛鳥入団を熱望し、来年1月1日付での所属が決まった。
2014年3月23日に旗揚げしたASUKA PROJECT時代から通算10周年を迎えた飛鳥は4月からメモリアル大会を行ってきた。愛梨紗はこれまで真琴、本間多恵、世羅りさといった女子プロ界のトップクラス相手の試練のシングル戦に挑んできたが、今大会ではプロレスのみならず、格闘技の世界でも実績を積み上げてきた朱里が相手。朱里にとって、父の篠瀬はSMASH、WNC時代の後輩で、愛梨紗の幼少の頃からを知る仲だ。
序盤は朱里がレスリングでコントロール。ショルダータックル合戦から、愛梨紗はエルボー連打。朱里は強烈なサッカーボールキック連発、腕固めと攻めていく。愛梨紗はエルボー連打、河津落とし、低空ドロップキック、低空クロスボディで反撃。朱里はスリーパーで締め上げるもエスケープ。愛梨紗はダイビング・ボディアタック、助走なしのシャイニング・ウィザードもカウントは2。朱里はワキ固め、朱雀と関節技で猛攻。愛梨紗は丸め込み連発で活路を見出すも、受け切った朱里はハイキック、ヒザ蹴りから朱雀をガッチリ決めてギブアップを奪った。
試合後、朱里は「愛梨紗ちゃん! いや、しのせ愛梨紗選手、本当に戦えてよかった。飛鳥プロレス10周年、懐かしい選手がいっぱいいて、愛梨紗ちゃんがプロレスラーになって、1対1で戦う日が来るなんて思ってなかったから、今日楽しみにしていました。キャリア3年? もっともっと成長して、強くなって、また1対1で対戦できるのを楽しみにしてる。もっと練習して、もっと上を目指してほしい。ありがとう」とマイク。
愛梨紗は「小さい頃から見ていた朱里さんとシングルできてうれしかったです。引き受けてくださり、ありがとうございます。もっと強くなったら、またシングルしてください」と返した。そして、年内いっぱいでアイスリボンを退団する愛梨紗は「お父さん! 所属でもない私がシングルでメイン。しのせ愛梨紗がこのリングを盛り上げていきたいと思いました。来年から飛鳥所属になってもいいかな?」と問う。これを篠瀬が受諾し、2025年から飛鳥所属になることが電撃決定した。
バックステージで朱里は「かわいらしい愛梨紗ちゃんという印象だったので、プロレスラーとして交わるのが初めてで。しのせ愛梨紗というプロレスラーを体感できたんですけど、もっと成長していかなきゃいけない部分、もっと練習していかなきゃいけない部分がある。ということは伸びしろがたくさんあるということだから、今後楽しみだと思いました。もっと上を目指して、プロレスラーとして大きく羽ばたいてほしいと思います」と期待を込めてコメント。
愛梨紗は「決まったときから、後楽園での初のシングルのメインで、相手も朱里さんで、めちゃめちゃ緊張してて。何もできないんじゃないかって、ビビってたんですけど。もっと来いよって感じで奮い立って、全然かなわなかったけど、もっと強くなって必ずリベンジしなきゃと思いました。(飛鳥では)アイスリボンでは組まれないカードばかりで、うれしい半面すごいプレッシャーで、それを重ねていって、所属でもない私が今日はメインで。盛り上げられるのはお父さんじゃなく、私しかいないんじゃないかって。私がやらなきゃいけない使命感で。私が他団体にいっぱい上がって、飛鳥の知名度を上げて、後楽園を満員にできるような団体に私がします!」と覚悟のほどを語った。
大会終了後、篠瀬代表は「動員はさびしくなったけど、カードとしてはどこにも負けないいいカードだったと思います。(娘に)1回、所属するか?と聞いてみたことはあったんですけど、“飛鳥か…”という感じで。来年も自分一人でやっていくんだと思ってたんですけど、朱里さんとやって、気持ちの変化があったんでしょうね。団体のトップとしては所属が一人増えるのはありがたい。(娘には)まだ負けない。切磋琢磨して盛り上げていければ」と総括した。