髙木vsササダンゴのワンマッチ興行が一転、矢野通vsササダンゴにすり替わる!「アイツが真夏の祭典で、俺たちの10年にわたる雪辱を晴らしてくれる」
DDTプロレスが6月26日、東京・新宿FACEで『髙木三四郎 vs スーパー・ササダンゴ・マシン ワンマッチ興行』を開催した。試合途中に一転、矢野通(新日本プロレス)vsササダンゴにすり替わるサプライズが発生し、矢野が勝利。DDTが新日本に敗れたが、髙木三四郎はそのリベンジを“あの男”に託した。
今大会では通常の座席のほか、「体験型といいながら仕事を手伝わされる系シート」として、ピンスポ体験シート、セコンド体験シート、リングサイド撮影シート、5ゴング叩けるシート、前説体験シートなど趣向を凝らした51種のシートが販売された。
まずはササダンゴと今林久弥GMによる45分に及ぶ公開ミーティングが行われ、対戦相手の髙木も参加。その後、西垣彰人取締役による「お土産がもらえる系シートのお土産お渡し会」が実施され、午後8時半にようやく試合開始。
まずはクリーンに握手でスタート。髙木とササダンゴがオーソドックスなレスリングで勝負。ここで矢野が来場し、髙木にねぎらいの花束と酒を渡す。実は大会2日前の24日に、ササダンゴが矢野が経営する飲食店を訪問し、招待券を手渡していたのだ。その際は乗り気ではない様子だった矢野は律儀に会場に姿を見せたものの、そそくさと帰っていった。
髙木はプレゼントされた花束でササダンゴをぶっ叩くと、酒を口に含んで噴射。場外乱闘の後、「プロレスラー限定シート」を購入したチェリー、山中絵里奈(ベスト・ボディ・ジャパン・プロレス)、ヘン・チーナ(成り上がり)、魔苦・怒鳴門が時間差で登場し、リング上は狂乱の渦に。「プロレスラー限定シート」の4選手が退場すると、リング上でケータリングタイム。その後、「⼤物ゲスト招聘シート」の予算2万8000円で呼ばれたお笑いタレントのみなみかわがリングイン。髙木のチョップ連打、ストーンコールド・スタナーを食って失神して退場。
この時点で45分経過。これですべての出し物が終わり、ササダンゴは「正々堂々プロレスで勝負しようじゃないか!」として、ラリアット相打ちから両者ダウン。ササダンゴが「髙木さん、このままこの試合が終わったら、俺も高木さんとリングで向かい合うことってもうないんですよね。だったら決着つけたくないです」と言い出すと、髙木も「俺も決着つけたくない」と同意。するとササダンゴは「髙木さんとは決着つけたくないですけど、髙木さんよりシングルで戦いたい相手がいるんです」と発言。
ササダンゴのパワポが始まり「私はこの相手と戦いたい。新日本の矢野さんです。(9年前に)#大家帝国主催興行があったじゃないですか。棚橋(弘至)さん、小松(洋平)選手に、HARASHIMA先輩、大家(健)さんが勝利して、最後は棚橋さんがリング上でパワポをやって、新日本とDDTが仲直りするという伝説の興行があったんです。その結果にメチャクチャ怒ってる人がいるんだと。実はその人が矢野さんなんですと。何で新日本が負けたままで終わってんだと。矢野さんは新日本に誇りがあって、怖いところももってる人なんだって。私はいつかこの人と戦わないといけないと思ったんです。そのいつかが今日だと思うんです。僕の一存で勝手に決めてしまいましたけど、髙木さんが僕にこの興行を丸投げしてくれたんですよね?」と問う。髙木は「確かに丸投げした。そこまで言うんだったら、9年前の続きだ。新日本vsDDTの続きを見せろ! 絶対に負けるなよ。勝てよ」と承諾。
ここで、帰ったはずの矢野がコスチュームで現れ、ササダンゴvs矢野に急きょ変更。矢野は次々にコーナーのマットをはがす。場外に転じると、矢野がササダンゴの両足をテーピングでグルグル巻きに。セコンドの手を借りて、ササダンゴがなんとかリングに戻ろうとするも、矢野がカウント19で止める。ササダンゴが「オマエも新日本の看板しょってるなら、同じ状態でやってみろ」と挑発すると、矢野は自らの両足をテーピングで固定。2人はそのまま立ってエルボー、ショルダータックル合戦。矢野は急所打ちを狙うも、股が締まってるため決まらず。らちがあかないため、ハサミを取り出した矢野はササダンゴのテープを切る。ササダンゴがハサミを手にすると、矢野の髪を切ろうとする。レフェリーに止められると、ササダンゴはマスクを自ら脱いで矢野に被せてラリアット一閃。さらにササダンゴは垂直落下式リーマンショック2連発もカウントは2。3発目を狙うも、矢野が「正々堂々だろ。俺のを外してくれ」と懇願。ササダンゴは矢野のテーピングを切って、マスクを被り直す。矢野は「正々堂々やろう」と握手を交わすも、急所打ちからTシャツを脱いでササダンゴの頭に被せて視界を奪うと、スクールボーイで丸め込んで3カウントを奪った。
ササダンゴはベルトを外して、矢野に渡すと「あなたとリングでプロレスできて、本当に楽しかったです。今日は本当にありがとうございました」と礼を述べると、矢野は「ササダンゴさん、髙木大副社長、今日は呼んでもらって光栄です。このベルトは私には荷が重たい」として、ササダンゴにベルトを返して退場した。
髙木が「休養から明けたら、この続き、必ずやろう」と約束。ササダンゴが「新日本との全面対抗戦に私がDDTを代表して負けてしまったのは事実です」と言うと、髙木は「この借りはアイツが返してくれるだろう。アイツが真夏の祭典(GⅠクライマックス)で、俺たちの10年にわたる雪辱を晴らしてくれる」として、「GⅠ」に参戦するKONOSUKE TAKESHITA(竹下幸之介)にリベンジを託した。
バックステージで髙木は「スーパー・ササダンゴ・マシン、いやマッスル坂井は天才だと思う。今日の興行、人件費ほぼかかってないから。ギャラもスタッフ代も。アイツはすごい。天才プロモーターだよ。いろんなものが浄化できたような気がします。今日はササダンゴに感謝したい。またこの続きはやろう」とサダンゴに賛辞。
ササダンゴは「100%の矢野通で来てくれたんだと思う。同世代で、この人にはかなわないと思う代表の選手。男色ディーノとか大家健とか、同世代のいろんなライバルがいるけど、彼は新日本という団体のなかで、ああいうスタイルを貫いてきて、リスペクトする存在。#大家帝国主催興行の時に矢野さんが一番怒っていたと聞いて、彼の視界に俺は入ってるんだなって思ったし、いつかこういう時が来るんじゃないかって思ってて。コロナの後、経営が大変な髙木さんを見て来たし。副社長になって、すっきりしたようなふりはしてるけど、実際本人は悔しいと思うんです。経営者として、悩んで苦しんで、組織をまとめる悩みとかあると思うけど、髙木さんにこういうプロレスの元気なところ、DDTのプロレスの新しい楽しみな可能性を、この景色を見てほしかったのはあります。最後は高木さんの笑顔がすべてだったんじゃないかなって思います。やりたいことはやりました」とコメントした。