プロレス界のゴキブリが集結!カサカサ這い回って王座簒奪!
21日、東京都・王子BASEMENT MON☆STARにてTTTプロレスリング『CONVICTION 5』が開催。藤原秀旺の新ユニット【ゴキブリ商会】が大暴れした。
TTT(TOTAL TRIUMPH TEAM)とは、デビュー前に故・ターザン後藤さんに指導を受け、デビュー後にはミスター雁之助に師事した黎明期インディープロレスの後継者的存在であるガッツ石島が2020年1月に“インディープロレス統一”を掲げて旗揚げした団体。90年代インディーの空気を色濃く残したディープなメンバーが参戦しており、令和最新型の“平成”を創り上げている。
また、TTTは都内の商店会と協力してプロレスでの町おこしを行っており、老若男女にプロレスの楽しさを伝える草の根運動を展開。これが実を結んで安定した集客を実現し、旗揚げ4周年を迎えた今年の12月28日には団体初の後楽園ホール大会開催を決定するなど成長を続けている。
TTTでは、数十億円に及ぶとも言われる大富豪・石川会長の個人資産に目をつけた悪の軍団【渡鳥連合】の侵略を受けていたが、今年1月大会でついに首魁たる藤原秀旺を打ち破って追放することに成功した。
しかし、ハッピーエンドを迎えた後の物語というものは退屈だ。“普通に”いい試合が行われ、“普通に”いい大会が続くTTTに対してファンは物足りなさを感じつつあった。
そんな中、今月11日に行われた新木場大会ではガッツ石島vs定アキラがそれぞれの軍団を率いての対抗戦が実施。
定はガッツに熱い直訴を行ってTTT参戦を果たし、その闘いの中でガッツの信頼を勝ち取っていた選手。この試合も“普通に”熱くいい試合が行われていた。
しかし、試合のさなかに秀旺および秀旺を慕う後藤恵介が乱入して試合をぶち壊しに。
ガッツは定と結託しての秀旺の迎撃を持ちかけるが、定はガッツをアシストすると見せかけて襲撃。定は元々秀旺に近づくためにTTT参戦を直訴していたことを明かし、入れ違うように去ってしまった秀旺の帰還を待ち続けていたのだという。
その後、秀旺&後藤&定は新ユニット結成を宣言。仮初の平和がぶち壊れたことでファンは大熱狂していた。
今大会オープニングでは、秀旺の新ユニット名が【ゴキブリ商会】であることが発表。
この日は、定&後藤が【Speed of Sounds】ツトム・オースギ&バナナ千賀の持つインディー統一タッグ王座に、秀旺がガッツの持つインディー統一無差別級王座に挑戦した。
SOSはメジャー団体からも高く評価される強者として長年君臨してきたチームであり、この日も巧みなコンビネーションで挑戦者組を圧倒。
しかし、プロレス界の日陰で這い回ってきた定&後藤が意地のラフファイトで強引に勝機をつかみ取り、千賀に集中攻撃。千賀を救出に来たオースギを後藤がジャックハマーで叩きつけてKOし、定が千賀に変形ファイヤーサンダー。
最後は定&後藤がスーパー・パワーボムで叩きつけて千賀から3カウント。大番狂わせの王座戴冠劇を見せた。
メインイベントでは、長年因縁を深めているガッツと秀旺が久々の直接対決。
怒りに燃えるガッツが珍しく場外戦でイスを使っての凶器攻撃を見舞うなど試合序盤から激しい攻防が展開されていき、終盤までほぼチョップ&ナックルしか互いに出さない武骨な殴り合いが繰り広げられる。
終盤、ガッツがラリアットの連打からゴーストバスターで突き刺し、バタフライロックでギブアップを迫る。しかし、ここで定&後藤が乱入してきてガッツを袋叩きに。さらに秀旺がサーベル攻撃でガッツをKOすると、ガッツのセコンド陣もリングになだれ込んできて全員での大乱闘へと発展。試合続行不可能と判断したレフェリーがノーコンテストを宣言した。
ブチ切れたガッツは、6月15日の新木場1stRING大会にて“なんでもアリ”のノーDQマッチでのインディー統一無差別級王座戦を秀旺に要求。
さらに、新王者の定&後藤は、TTT正規軍の要たるマスクドミステリー&趙雲子龍を挑戦者に逆指名し、「6月15日に挑戦させてやる」と上から目線で宣告した。
インディープロレス黎明期からそのスタイルを変えず、強い生命力を以て激動のプロレス人生を生き抜いてきたしぶといゴキブリのごとき選手たちによる【ゴキブリ商会】。インディー界を這い回り、人々を阿鼻叫喚地獄に落としていく活躍に期待していきたい。