「愛媛のみんなも誇って欲しい」“伊予の閃光”ライジングHAYATOが悲願の世界ジュニア王座初戴冠!全国のローカルインディープロレスに夢を与えた!
9日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『ドリームパワーシリーズ2024』が開催。ライジングHAYATOが悲願の世界ジュニア王座初戴冠を果たした。
HAYATOは17歳のときに愛媛プロレスでデビューし、地元・愛媛を背負うスターとして活躍。2019年の全日本プロレス愛媛大会で秋山準&カーベル伊藤と1Day6人タッグトーナメント優勝を果たすなどの結果を残し、全日本へ武者修行する形でレギュラー参戦するように。
2022年1月には史上初の愛媛プロレス&全日本プロレスのダブル所属となることが発表され、ローカルインディーの星として話題に。全日本ジュニアの中核を為す選手にまで成長していき、昨年6月に行われたメジャー3団体のオールスター興行『ALL TOGETHER AGAIN』ではセミファイナルに出場。そこで絆が生まれた新日本プロレスの高橋ヒロムとは後にシングルマッチを行い、大絶賛をされた上に「お持ち帰りしちゃいたいくらい」とまで言わしめた。
世界ジュニア王座は、HAYATOと同じ時期に“あすなろ戦士”としてともに闘っていた田村男児が保持。
前回2月の後楽園ホール大会で3度目の防衛に成功した男児に対し、HAYATOが挑戦を表明。若い力で全日本ジュニアを盛り上げてきた2人がジュニアの頂点を競い合うこととなった。
試合は2人が道場で何千回、何万回とやって来たであろうじっくりしたレスリングから腕関節の取り合いと静かな立ち上がり。
HAYATOがスワンダイブ式プランチャを見舞って仕掛けていくと、男児は断崖式DDTやエプロン上でのデスバレーボムと猛反撃。パワーで勝る男児は強烈なエルボー連打で押していくが、HAYATOも会場中に破裂音を響かせるチョップで打ち返す。
HAYATOは顔面を的確に捉えるトラースキックを猛連打していき、人でなしドライバー。さらに必殺のシド・ヴィシャス(※トップロープからのライオンサルト)を決めて3カウントを奪った。
悲願の初戴冠を果たしたHAYATOが「ここまで最高の世界ジュニアになったのは、男児ちゃんのおかげだよ。男児ちゃん、また俺たちにしか出来ない戦いしようよ」と思いを語っていると、リングに元みちのくプロレスのMUSASHIが登場して王座挑戦表明。
MUSASHIは2月の後楽園ホール大会のバックステージに現れて参戦表明を行い、「全日ジュニアと、そのベルトに興味ある」と世界ジュニア挑戦を仄めかしていたという経緯がある。
余韻をぶち壊されたHAYATOは不快感を見せるが、「俺は愛媛プロレスから全日本プロレスに出て、1年以上ベルトに挑戦できなかった。でも、全日本プロレスに参戦しだしてすぐこの世界ジュニアに名乗りを上げる。そういうところは嫌いじゃないよ。やろう。せっかく俺の初防衛になるんだから、でっかいところにしたいね」と3月30日の大田区総合体育館大会にて世界ジュニア戦を行うようPWFへ要求した。
MUSASHIが去った後に改めてマイクを取ったHAYATOは、「世界ジュニアを巻けるまで、とてつもなく長かった気もするし短かった気もする。後悔も少しあるけど、それも今思えば全部楽しかったよ。それは皆のおかげだよ。ありがとう。やっとの思いで手に入れた恋人、この世界ジュニアと一緒に、これからはPUNKな全日ジュニアを創っていくよ。全日本プロレスは会社のレベルじゃ負けても、試合のレベルじゃ絶対に負けないから。また全日本プロレスと俺に会いに来てね。Let‘s PUNK!」と堂々の締めを行った。
バックステージでは男児とMUSASHIへの想いを語りつつ、故郷の愛媛プロレスのファンへ「愛媛の皆に育ててもらったライジングHAYATOが、やっとみんなに誇れるような……もしよかったらみんなも誇って欲しいようなでっかい勲章が獲れたよ。ただただ……ありがとうっ!」とメッセージを贈った。
この日、HAYATOが大会を締めたあとに流れた曲はGreen Dayの『Minority』。世界中のマイノリティ(少数派)たちに勇気を与えた名曲だ。
愛媛で生まれて愛媛プロレスで育ったHAYATOと、岩手で生まれてみちのくプロレスで育ったMUSASHI。その2人が伝統と格式あるメジャーのリングで最強の証をかけて争うというこのシチュエーションは、全国のインディーレスラーたちに希望を与えることになるだろう。
HAYATOはかつて「世界一のプロレスラーになってから愛媛に帰って来て、愛媛のみんなに地元を誇りに思ってもらうことがゴール」という夢を語っていた。
夢に向かって大きな一歩を踏み出したHAYATOの防衛ロードに期待していきたい。