「K-1の選手を呼ぶことはない。他団体とは競争しない」日本本格上陸を果たすONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEOが語る国内戦略
25日、都内・フォーシーズンズホテル東京大手町にて、ONE Championshipが1月28日に有明アリーナで開催する『ONE 165 SUPERLEK VS TAKERU』についての記者会見を実施した。
ONE Championshipはシンガポールで2011年に設立後勢力を拡大し、世界150ヶ国で放送されている世界最大級のマーシャルアーツ団体。ONEは2019年3月、10月と過去に2回日本大会を行ってきたが、世界中を巻き込んだコロナ禍の混乱から日本大会のシリーズ化はならず。
今回は約4年ぶり3度目の日本大会となるが、チャトリ・シットヨートンCEOは「この大会は日本に於ける“1日目”だと思っています」と新たなスタートを強調。年内に日本でもう1大会開催する予定がある他、来年以降は年に数大会開催するプランを発表。国内大手企業の強力バックアップを受けて日本へ本格上陸を果たした。
会見の中で日本市場に於けるONEの魅力を問われたチャトリCEOは、「ONEは世界規模でベスト・オブ・ザ・ベスト、最高の中での特に最高、そして最強を決めることの出来る団体だと思っています。もちろん、K-1やRISEなど日本規模で頑張っていらっしゃる団体はありますが、そこからさらに世界を目指すということに関してはONE Championshipが適任だと思っています。武尊選手のように、日本で最高を経験した選手が世界に出ていくためのキッカケになるにふさわしい団体であること。そして、日本では子供は必ず武道を学びます。剣道や柔道など、“道”という言葉が付く武道を習い事としてやるわけですが、その“道”がつく武道をやることの意味というものを私はここで示していきたいと思っています。もちろん、日本の中でも総合格闘技というものが過去30年間ありましたが、ONE Championshipこそがそれを体現するに値する正しい団体だと思っています」と熱弁。
さらに「母の母国であるこの日本で栄誉・名誉・栄光を取り戻すための格闘技の団体、オーセンティックな、本当に純粋で本物の格闘技を取り戻す。これが私の義務であり、使命であると思っています」とその強い思いを口にした。
会見後の囲み取材では、記者からの「K-1から2選手の出場を要請したが実現できなかったという話がある。次回の日本大会でK-1の選手が出る可能性はあるか」という質問に対して「我々はONE Championshipというブランドを通して選手を育成して、そこからスターを育てていくという哲学があります。もちろんこれから先、様々な選手と契約をすることになると思いますが、どこかと競争するということは今のところはないと思います。K-1の選手を呼ぶということはないと思います」と回答。国内団体との協調路線ではなく、独自路線を貫く姿勢を見せた。
かつて修斗やパンクラスとの提携を結んだONEだが、今回はまさに“黒船”という形での上陸。
既にK-1とは選手の出場依頼を巡ったトラブルが起きており、K-1のカルロス菊田プロデューサーは「真っ当なビジネスが出来る人たちじゃない」と強い言葉を使って非難している。
これからONEが日本格闘技界を飲み込んでいくのか、それとも国内団体がさらなる奮起をしていくのか。これからは格闘技界の“場外戦”にも要注目だ。