「幸せって、無いものを得ることよりも有るものに気付くこと」脊柱管狭窄症の発覚で無念の引退も“幸せ”を得た女子プロレスラーが笑顔の引退式

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 17日、東京都・新木場1stRINGにて『Evolution新木場大会 #9』が開催。サニーが引退セレモニーを行い、約半年のプロレスラー人生に幕を下ろした。

 今年3月にサニー、ZONES(ぞねす)、Chi Chi(ちーちー)の生え抜き選手3名とともに旗揚げしたEvolution(通称:Evo女)。全日本プロレスとは資本的な繋がりはないものの業務提携はしており、諏訪魔&石川修司がプロデューサー&コーチを務めて女子選手を育成してきた。

 サニーは、148cm、40kg。水泳、器械体操、クラシックバレエを約15年やっており、約5年前からヨガのインストラクターを務めているという。元々プロレスファンであったというサニーは「人生1度きりだから見ているだけじゃなくて挑戦したい」とEvolutionの門を叩き、2023年3月31日にEvolutionの旗揚げとともにデビュー。
 小柄な身体から繰り出されるスピード感溢れるファイトや、常にニコニコと笑って明るく楽しそうにプロレスを行う姿に人気が集まり、駿河メイや花園桃花といった似た魅力を持つ先輩選手もそのポテンシャルを絶賛していた。

 他団体への露出も増えてきた中、サニーは先天性の脊柱管狭窄症が発覚したことにより今年10月に引退を表明。スタッフとしてEvo女に関わり続けることにはなったが、キャリア約半年、全13戦でその選手生命を終えることになってしまった。


 この日は、全試合終了後にサニーの引退セレモニーが実施。
 まずはサニーのレスラー人生を振り返るVTRが流され、サニーが久々のコスチューム姿で登場。苦楽をともにしてきた同期のChi Chi&ZONESがロープを上げる中で最後のリングイン。
 感極まって涙する同期の2人から花束が贈呈され、3人で“EVO”の人文字を作って笑顔。続いて、石川修司、諏訪魔、中西代表ら関係者からの花束贈呈が行なわれ、サニーが最後の挨拶へ。

 サニーは、「私は生まれてから今まで、自分のやりたいって思ったことはほぼ100%やらせてもらえて、自分が満足できるところまでやってこられた人生でした。すごい恵まれていると思います。ですので、こうやって自分がやりたいと思ったことが強制終了してしまうって経験は今回が初めてだったので……。まさか、大好きなプロレスでこういうことになってしまうとは夢にも思っていなかったです」と涙で声をつまらせながら思いを吐露。

 しかし、最後は「人生って、伏線回収の連続だなと思っているので、『このためだったんだな』っていうことが、必ずあとで分かるようになっているって思ってます。Evolution……進化には、必ずいろんな過程があって、これもEvolutionがさらなる成長に向かっていくための過程の1つなんじゃないかなって、私は今思っています。今みたいに、こんなふうに笑えてるってことは、私は毎日楽しんでいる証拠だなって思うんです。毎日、幸せです。私は、幸せって、無いものを得ることよりも、あるものに気付くことだなって思うので、こういう経験をしたからこそ自分がたくさんのものを持っているってことを改めて感じることが出来ました。半年でしたが、それでも私をデビューまで導いてくれた師匠たち、Evolutionっていう居場所を作ってくれた社長、そして同期として出会ってくれたChi Chi、ZONES。なにより、ここにいるEvolutionを応援して下さる皆さんに。……サニーというプロレスラーを産んでくれて、本当にありがとうございました!」と語って笑顔。


 その後は引退の10カウントゴングが打ち鳴らされ、最後の選手コール時にはリングを埋め尽くさんばかりの大量の紙テープが舞う。サニーはChi Chi&ZONESが作った騎馬に乗って会場を一周。最後は花道に3人並んで深々と頭を下げて退場していった。

 セレモニー後には、わずか半年という選手生命ながらファンに直接言葉を伝える場を用意してもらえたことに感謝の言葉を述べつつ「師匠たちに勝利っていう恩返しを出来なかった分、Evolutionがどんどんどんどん人気で激混みで超満員の団体になっていけるように、裏方として全力を尽くしますので、それを見ていてほしいです」と、第二の人生の目標を語った。

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