身長差23cm、体重差30kgの逆境を覆した若手エースが悲願の無差別級王座戴冠!
29日、千葉・TKPガーデンシティ千葉にて『GRAND SLAM in TKPガーデンシティ千葉』が行われた。
今大会では、佐藤耕平vs仁木琢郎の2AW無差別級選手権試合、本田アユム&CHANGOvs笹村あやめ&吉野コータローの2AWタッグ選手権試合の2大タイトルマッチが行われた。
仁木は8月27日の『GRAND SLAM in オリエンタルホテル東京ベイ』にて、リング上で「トーナメントで優勝し、佐藤耕平の持つ2AW無差別級ベルトに挑戦する」と高らかに宣言。そして11月に行われた『ACTIVE ADVANCE TOURNAMENT』で優勝し、それを現実のものにした。
シングルのベルト挑戦は初となる仁木。佐藤とは何度か戦った経験があるが、まだ勝ち星をあげたことはない。仁木にとって初挑戦となる今回のタイトルマッチ。身長差23cm、体重差30kgの圧倒的な体格差、下馬評では誰もが佐藤の勝利を予想していた逆境にもメゲずに立ち向かっていく仁木には2AWの至宝奪還の期待がかけられていた。
試合は序盤こそ静かな立ち上がりを見せるが、佐藤の強烈な打撃を中心に猛攻をかけて仁木はどんどん追い込まれていく。しかし、仁木は折れること無く吶喊。幾度もピンチを迎えながらも意地で返していく気迫を見せて最後の最後まで佐藤に肉薄。最後は決着を付けんと突撃してきた佐藤を仁木がウラカン・ラナで押さえ込んで3カウントを奪った。
佐藤は信じられない様子で、まさに唖然。仁木はダメージが残っていたが、なんとか立ち上がり、佐藤が直接渡したベルトを受け取った。
マイクを握った仁木は、「耕平さん、正直俺やる前すごい怖かった。(試合をして)きついし、痛かったけど、俺はあなたに立ち向かっていかなきゃいけない理由があるんで、今日勝てたこと誇りに思います。ありがとうございました。見ての通りボロボロです。痛かった。それでも、みなさんの声援で立ち上がることが出来ました。(花見を見て)俺はあなたの横でずっとプロレスやりますから。これからも一緒に2AWのトップ目指して、走っていきましょう。 3年前ここで十枝会長にした約束、果たせました。まず今日ベルト獲って、次だ。次、俺の中でこの人とやりたいって思う人はいるんですけど、今日その発表はなしにして、俺を見てればそのうちわかるから。 これからもこのリングどんどん面白くするんで、2AW無差別級チャンピオン仁木琢郎から目を離すな。以上。」と大会を締めた。
そして本日、2大タイトルマッチ前に行われた吉田綾斗&ナカ・シュウマvs真霜拳號&花見達也のタッグマッチで大きな動きがあった。
両組はここ何ヶ月か何度も抗争を繰り広げてきた間柄であり、この日も激闘を展開。今回はナカがナイトフォールで花見を撃破したが、事件は試合後に起こった。
ナカが長年盟友として連れ立ってきた吉田をラダーで襲撃。まさかの裏切りから真霜との共闘を宣言し、団体の勢力図が大きく変わった。
仁木がベルト戴冠後に花見に対して言った言葉は、この事件を受けてのものだった。
本田アユム&CHANGOvs笹村あやめ&吉野コータローの2AWタッグ選手権試合は、ディ・レンマで本田が笹村から3カウントを奪い初防衛に成功。
そこに早速、真霜とナカが挑戦を表明し、12月3日『GRAND SLAM in 後楽園ホール』にて挑戦することが決まった。
歴戦の強豪が勢いある若手に王座を明け渡すという世代交代劇、ファンの誰もが予想していなかった裏切りと結託。2AWの風景はこの一日だけで大きく変わった。
若くして団体を背負うエースとなった仁木がこれからどのような景色を見せてくれるのか、感情が荒れ狂う人間模様の行方はどうなるのか。これからの2AWマットからも目が離せない。