【戦う女性キャラクター化計画】#2 澄川菜摘~全体を覆う体温の低さ・やさぐれヤンキー~
- 2023-11-3
- 戦う女性キャラクター化計画
- アクトレスリング
はじめまして、イラストレーターの北沢直樹と申します。
アーティストさんやタレントさんのキャラクターデザインをしたり、『ONE PIECE』『攻殻機動隊S.A.C』『タツノコ VS.CAPCOM』などのデフォルメキャラ、ゲーム『真型メダロット』ではすべてのキャラクターデザインを担当。TBS『グッとラック!』やテレビ朝日『ギャル曽根ファミリーの【ごちそう通販】』などTVや新聞などにイラストを提供したりしています。
「戦う女性 キャラクター化計画」の第二回目はアクトレスガールズの澄川菜摘さんです。
女優で、アクトレスガールズのセンターユニット『The Royal』のリーダーである澄川菜摘さん。スターダム3期生としてデビューするなど実績に裏付けされた魅力で注目を浴びています。
アクトレスガールズ全員をキャラクターにすることが決まったとき、道場にてみなさんに取材をさせていただく機会を設けていただきました。
公演を見たことがない状態で、一切の事前情報を入れずに実施したもので、そこでは得意技とコスチュームの紹介もしてもらいました。
自分の制作スタイルだと、人柄をよく知って描くのが重要なのですが、真逆に、第一印象で感じたことやそこで起きたことなども、キャラクター化する上で大事な要素になっています。
菜摘さんは卍固めを披露してくださり、黒で統一されたコスチュームもカッコよかったです。
背中に羽がついていたので「フェアリータイプですね!」と聞いたところかなり食い気味に「違います」と否定されました。その速度がすごかったのを覚えています。
加えて、ご自身で「やさぐれヤンキーです」「キラキラしてないです」とおっしゃっていました。
「見た目も中身もクールビューティ」
というのが初めの澄川菜摘さん像になったのですが、後日試合などを拝見し、的外れではなかったと気づくことになります。
クールビューティ要素はリング上ではさらにマシマシでしたが、その上で小柄で細身な体格で繰り広げる、受けも攻めもしっかりした超本格派なプロレス。キレやスピード感が見ていて心地よく、『”羽エピソード”の返しの速度』を思い出しました。
「見た目も中身もクールビューティ、リングの中でも外でも速い反応」
これが”澄川菜摘”だなと思い、キレのあるカッコいいデザインを目指すことを決めました!
・「クール」
当初立ちポーズで考えていましたが、風香さんのアイディアで座りになりました。
結果的にこの座り”決めポーズ”により、大人っぽいクールな印象を引き出せた形です。
手足の短いデフォルメキャラクターには少し難しいポーズですが、うまく調整しつつ、違和感のないよう仕上げました。
・「ビューティ」
菜摘さんからは、目の色グレー/髪の毛インナーカラーピンクかオレンジ系、といただき、いくつか顔の印象を作っていきました。
ご本人は「特徴のない顔」とおっしゃるのですが、そんなわけないのはみなさんご存知かと思います。伏し目がちな特徴をプラスしてビューティを再現し、口元を猫っぽく、黒目を小さくすることによって菜摘さんのキャラクターとしてのクオリティが上がりました。
・「キレ」
背中の羽を思いっきり大きくしてほしいというリクエストに加え、ディテールも描き込みました。
リング上で見せてくれる”羽が本当に生えてる?”ぐらいのスピード感、これで伝わるでしょうか?
「フェアリータイプ」でも「やさぐれヤンキー」でもない、この羽が、澄川菜摘さんの象徴のようで自分はお気に入りです。
描かせていただいてから1年以上が経ち、菜摘さんのさらなる魅力(面倒見のよさ、受け技のやばさ)にも気づく日々ですが、そんな中でも変わらない、全体を覆う体温の低さのようなものが、澄川菜摘さん節であり、真似しようとしてもできない魅力なのだなと感じています。
おそらく、第二弾を描いても、ご本人のクールさがキャラを同じ方向に連れていってしまうのではないかな。それがやさぐれヤンキーなんですかね…。まだまだ深い魅力がありそうです。
読んでいただきありがとうございます。次回もお楽しみに!