【試合詳細】7・22 メリケンパークプロレスフェス2023 "brother"YASSHIvs拳剛 谷嵜なおき&木下亨平&政岡純vsヴァンヴェールネグロ&ヴァンヴェールジャック&エルファルコ 菊池悠斗&カブキキッドvs高岩竜一&沙恵

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『メリケンパークプロレスフェス2023 7.22sat.&7.23sun. 2DAYS』プロレス&パフォーマーの日
日程:2023年7月22日(土)
開始:13:00
会場:神戸・メリケンパーク

▼タッグマッチ 30分1本勝負
菅原拓也/●清水祐
10分51秒 ヤ・スワントーンボム→片エビ固め
ヒデ久保田/○ヤス久保田

▼タッグマッチ 30分1本勝負
晴斗希/●クレイジーJ
8分47秒 アンクルホールド
○岡田剛史/瀧澤昇頼

▼タッグマッチ 30分1本勝負
菊池悠斗/●カブキキッド
11分53秒 デスバレーボム→体固め
○高岩竜一/沙恵

▼6人タッグマッチ 30分1本勝負
谷嵜なおき/○木下亨平/政岡純
14分30秒 ブロックバスターホールド→片エビ固め
ヴァンヴェールネグロ/ヴァンヴェールジャック/●エルファルコ

▼シングルマッチ 60分1本勝負
○拳剛
11分25秒 フロッグスプラッシュ→片エビ固め
●“brothr”YASSHI

数々の苦難を乗り越えメリケンパークプロレスフェスが開催!拳剛が灼熱のメインを制し恩師・YASSHIへ「後輩に道を譲ろうとするブラザーなんて誰も見たくない!」と愛ある大説教

パフォーマンス&メリケンスプラッシュ


 プロレスイベント開始を前に、明石によるダンスパフォーマンスが行われた。

 プロレスの試合開始前、主宰の藤永幸司が放水車で勢いよく水を撒き、濡れても差し支えの無い観客が水を浴びて涼をとった。

第1試合


 第1試合が開始となる午後13時20分、太陽の真下に位置する黒いマットは高温となっていた。

 先発はヒデと菅原。ヒデがグラウンドに誘うと、フルコスチュームでない菅原が上半身をマットに押し付けられ「熱い!」と叫ぶ。
 その後も久保田ブラザーズに捕まった清水がマットやロープに体を押し付けられ「熱い!」を連発してのたうち回る。急ごしらえのタッグとはいえ菅原、清水もヤスをコーナーに押し込んで串刺し。菅原がヤスに延髄斬りで清水に託しスリーパーで仕留めかかるがヒデが救出。再度捕まった清水が万事休す。
 ヤスが渾身のラリアットからダメ押しのヤ・スワントーンボムで急降下。悪の兄弟の息ぴったりの連携を崩すこと叶わず。

第2試合


 晴斗希と瀧澤の閃光の如き素早い攻防のあとを受けたクレイジーJが子犬のぬいぐるみを持ち込むが岡田はつきあわず顔面にビッグブート。Jの張り手に重いショルダー、ブートを返す岡田。足攻め、足4の字に悶絶も、ここは根性でロープエスケープ。Jが捕まるが辛くも自力で脱出。
 ようやく交代の晴斗希が瀧澤、岡田を次々ショルダータックルでぶっ倒す。瀧澤にコーナートップから夏空をバックに映えるダイビングボディプレス。瀧澤も負けじと晴斗希をコルバタで飛ばして打点の高いドロップキックを畳みかけるが、すかさず晴斗希もドロップキックを返す。
 Jとふたりで瀧澤を追い込んでいくが、岡田が晴斗希を場外へ蹴散らす大暴れ。ローンバトル強いられたJは踏ん張って岡田にPKを連続で見舞っていくが、その足を岡田がキャッチしてアンクルホールド。ありえない角度にJの足首が捻じ曲げられ、レフリーストップ。

第3試合


 沙恵と高岩という異色のミックスドタッグが意気揚々とリングイン。
 高岩と悠斗。力比べで押し合い互いにロープを背負わせた悠斗が高岩のスキンヘッドを手でかき回すと、高岩が「ヘアー!反則だろ!」とお決まりのタカイワン・ジョーク。しかし悠斗はあくまでも高岩の頭に執着したかヘッドシザーズホイップで飛ばす。

 カブキと沙恵。早々にカブキがラフプレーを解禁し沙恵は苦戦。
 場外戦にもつれこむと悠斗が高岩に容赦なく蹴りを入れ切れた高岩と激しく打ち合う。一方カブキはお客さんの座っていた伸縮する椅子を凶器に沙恵を殴る。そのうえ沙恵を羽交い絞めして顔面をゆがませ観客に写真を撮らせる。
 リングに戻ってもコーナーに押し込んだ沙恵をカブキが足蹴に。沙恵が捕まるが腹に据えかねた高岩がカブキに逆水平の嵐で仕置き。串刺しラリアットからブレーンバスターでフォールもカウント2で返したカブキが「DDT!」と叫んで高岩の脳天をマットに突き刺す。

 沙恵が悠斗にビッグブーツ、ハイキック、タランチュラ、ミサイルキックと畳みかけていくが、カウント2で返した悠斗が反撃のその場式ムーンサルトを見舞う。沙恵のビッグブーツにドロップキックを返し、コーナーにセットしてカブキと串刺し。助けに入った高岩がカブキと悠斗をダブルのラリアットで倒し、カブキを担いでデスバレーボムでマットに沈めて3カウント。

パフォーマンス&メリケンスプラッシュ

 地元のアーティスト、ダンサーたちによって音楽、ダンスパフォーマンスが披露された。

 熱中症予防のため主宰の藤永幸司が放水車で水を撒き、差し支えない観客が水を浴び涼を取った。

第4試合


 九州博多からヴァンヴェール飛行隊が神戸に襲来。開始早々声援が足りないとアピール。

 ファルコと政岡の対面で試合開始。政岡にマスクの房を掴まれたことにファルコが激怒。ショルダータックルでぶっ倒し、コルバタで飛ばす。

 ネグロと谷嵜のショルダー合戦は意地の張り合い。互いに譲らず。

 ジャックと木下。先制仕掛けたはジャック、打点高めのドロップキックを見舞っていく。すばやい攻防から場外戦へ突入。谷嵜がジャックに切れて「こいつの親どこだ?」とネグロを探す。

 リングに戻ってもヴァンヴェール組の勢い止まらず。政岡、木下がエプロンに立つとネグロとファルコがリング下に引きずり落とし、ジャックがノータッチトぺコンヒーロ。リングに戻れば親子合体技を放っていくが、ファルコが谷嵜に捕まり断頭台へ。木下に託されブロックバスターホールドでファルコから3カウント。

第5試合


 両者の纏う雰囲気は入場時から対照的。
 拳剛は表情から不敵な自信がみなぎっており、YASSHIはいつもの陽気さは影を潜めてどこか迷いが感じられるまなざし。

 YASSHIのショルダータックルで倒された拳剛が場外エスケープで仕切り直し。リングで待ち受けたYASSHIが容赦なく足蹴にしていくが、ほどなく拳剛が倍返し。拳剛が顔面に膝を入れ、場外戦からヒートアップ。手数も勝ってYASSHIがロープエスケープするシーンが目立ち始める。

 YASSHIもマンハッタンドロップからバッドボーイに繋ぐが、拳剛はすかさず河津落としからバタフライロックと畳み掛けYASSHIにダメージを蓄積。完全復活の拳剛は一撃の破壊力も手数も勝って、YASSHIはいつしか防戦一方。
 YASSHIもダイビングフットスタンプをかわし、力技のパワーボムを繰り出して意地を見せたが、渾身のダイビングビッグヘッドが自爆。
 拳剛は急角度の投げっぱなしジャーマンから天龍プロジェクトさながらにダイビングフットスタンプ。さらに垂直落下式ブレーンバスターからフロッグスプラッシュまで大技を流れるように鮮やかに決めて3カウント。

 試合後マイクを握った拳剛が、徐々に語気を強め先輩に大説教大会。

拳剛「なかなか追い込まれがちなこの季節ですけど、きょう集まってくれたみんなの前で試合が出来たこと本当に嬉しく思います。ありがとうございます。キャリア14年、若手の頃、俺をとても厳しくしごいてくれた先輩が、ここにいる“brother”YASSHIです。
 あの頃の俺はもう全然ダメで、何回ブラザーに怒られても同じことの繰り返しで、また説教食らって、ああもうプロレスラーに向いてねえのかなとかいろんなこと考えた若い自分だったんですけどそれでも見捨てず最後まで厳しい指導してくれたのが、もう一度言います。ここにいる“brother”YASSHIです。
 俺もフリーランスで東京でいろんなとこで頑張ってるんですけど。間違いなく言えることはいまの拳剛作り上げたうちのひとりは“brother”YASSHIと思ってんぞほんまに。これまぢでな、ほんまに感謝してるし。あの日々はいいもんやったなっていまなって思いますけどブラザー、欲を言わせてくれ。後輩ですけど。もっとブラザーって、欲出してたプロレスラーじゃなかったっけ?
 いまのブラザー、神戸に拠点移してこのメリケンプロレス、そしてこの神戸の街をでっかくしようとする、それはすげえ伝わってるよ。でもな、メリケンプロレスの活動なんかこっちには全然伝わってへんぞ!   
 それはブラザー、キツイ言い方するけどお前ひとりの責任じゃ!ほかの誰でもない。もっともっとお前が欲出してみんなに刺激を与えたら絶対にこのメリケンプロレスのリングはもっと熱くなるぞ。
 後輩に道を譲ろうとするブラザー?そんなん誰も見たくないんじゃオラ!おれはブラザーに育ててもらったけどな、とっくにブラザーを追い抜いたと思うぜ。でもなあ、俺はやっぱり“brother”YASSHIが好きだから最後に言わせてくれ。 ブラザー、俺と一緒についてこい。俺がもっともっとお前を引き上げてやるよこの野郎!」

 けちょんけちょんに言われた“brother”YASSHIが、拳剛が投げ捨てたマイクを拾って口を開いた。

YASSHI「YO拳剛、プロレスはひとりでできひん。きょうは闘ってくれてありがとう!引っ張ってくれるやとカス野郎、言ってくれるやんけ。俺の周りはYO生意気な後輩ばっかりや。でもなあ、プロレスラーには必要不可欠な要素や。いい子ちゃんにはプロレスなんかできないからな。
 ただなあ、やられたらなあ、やり返すのがプロレスや。きょうはありがとう。俺から獲ってくれてありがとう。 ここからここが俺の闘いのスタートだ、カス野郎!きょうと明日2DAYS開催のこのメリケンプロレス、初日が終わったけどもまた明日や、また遊びに来てくれや!
 さっきもゆうたように、プロレスはひとりでできひん。対戦相手がおって、そして協力してくれるスタッフ、仲間、そしてリング上に熱い声援を送ってくれる観客がおらんかったら、俺らのプロレスなんてなんのなんの力もない。だから、周りに何を言われようが・・・(言葉を詰まらせる)俺は神戸に引っ越して9年たつねん。この神戸に住んでリングソウルとともに、プロレスジャンキーをひとりでも多く、そしてまだプロレスを見たことない方々へ届けるためにやっていきたいと思います。明日もこれからも応援よろしくお願いします。きょうは、本当にありがとうございました!」

 メインイベント終了後、リングが子どもたちに開放された。

 その後、会場に残った観客と選手たちで会場のメリケンパークの清掃活動が行われた。

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