【試合詳細】7・23 メリケンパークプロレスフェス2023 鈴木みのるvsBADMAX藤永 岡田剛史&道端剛史&Kenvsスペルシーサー&“brother”YASSHI&大家健

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『メリケンパークプロレスフェス2023 7.22sat.&7.23sun. 2DAYS』プロレス&レゲエミュージックの日
日程:2023年7月23日(日)
開始:13:00
会場:神戸・メリケンパーク
観衆:2日間合計15000人(初日4000人・2日目11000人)

▼メリケンスプラッシュ

▼レゲエミュージシャンによる音楽ライブ

▼6人タッグマッチ 30分1本勝負
谷嵜なおき/○木下亨平/ライジングキッド
11分34秒 ブロックバスターホールド
グンソ/伊東優作/●クレイジーJ

▼タッグマッチ 30分1本勝負
清水佑/●鎌倉慎司
12分21秒 フロッグスプラッシュ→片エビ固め
柴山貴哉/○大谷譲二

▼タッグマッチ 30分1本勝負
●開本貴洋/マリ卍
12分3秒 バズソーキック→片エビ固め
○近野剣心/沙恵

▼メリケンスプラッシュ

▼レゲエタイム

▼6人タッグマッチ 30分1本勝負
岡田剛史/●道端剛史/Ken
7分26秒 炎のスピアー→片エビ固め
スペルシーサー/“brother”YASSHI/○X=大家健

▼メリケンスプラッシュ

▼シングルマッチ 60分1本勝負
●BADMAX藤永
21分19秒 ゴッチ式パイルドライバー→片エビ固め
○鈴木みのる

鈴木みのるとBADMAX藤永がメリケンパークで魂の死闘!4度の延期を乗り越え開催のメリケンパークプロレスフェス2DAYSは大団円!

メリケンスプラッシュ&レゲエタイム


 “brother”YASSHIによる放水タイム。濡れても差し支えない観客が涼を取った。

 続けてレゲエミュージシャンによる音楽ライブが行われた。

第1試合


 先にリングインした谷嵜が遠目からグンソらを見て「おい、あいつら見るからに悪いぞ。神戸の平和は俺たちが守るぞ」と高らかに宣言。試合は開始そうそうから観客を巻き込むカオスな場外乱闘に突入。
 場外ではグンソに捕まり鉄柱にしたたかに叩きつけられたライジングキッドだったが、リング上でグンソにドロップキックを見舞ってリベンジ。谷嵜を捕まえたグンソがコーナのJに足を出せと指示するが、出した足を谷嵜がはたく。グンソとJがダブルのショルダータックルで谷嵜を倒す。うだるような暑さのリング上で谷嵜のローンバトルが続き、スタミナが危なくなってきたところへキッドと木下が水を浴びせてエナジーチャージ。

 蘇生した谷嵜がグンソ、伊東とボディプレスで沈め、木下が伊東にドロップキックを打ち込みダイビングボディプレスを畳みかける。Jをコーナーに押し込みトレイン攻撃から谷嵜が断頭台。フォールも、2で返したJを木下がドロップキックから伝家の宝刀ブロックバスターホールドで鮮やかに3カウント。

第2試合


 柴山と観客の「うっせえ、オラッ」の掛けあいもにぎやかに、第1試合とはうって変わって友好的な握手から試合開始。
 先発の鎌倉と柴山のショルダー合戦は互いに一勝一敗。
 大谷と清水。大谷のチョップを受けた清水がショルダーで倒す。
 だが熱いマットにのたうつ清水が熱いロープを背負わされ、大谷の逆水平に痛いと熱いのダブルパンチで苦戦。ふらつく清水に大谷がコーナートップからミサイルキック。さらに柴山にエルボーを落とされフォール、カウントは2。辛くも自力で切り抜け鎌倉に交代。

 ジリジリとエナジーをため込んだ鎌倉が柴山、大谷をボディプレスで次々沈める。さらに二人同時にラリアットでなぎ倒し、柴山に体重をしっかり乗せた重いミサイルキックを見舞う。

 息を吹き返した清水が入って柴山をフィッシャーマンズ・スープレックスで投げるが、柴山も清水をブレーンバスターで投げ返してダイビングボディプレスの追い打ち。フォールを返した清水が柴山に打ちかかり、エルボーで倒して鎌倉に託す。

 大谷が鎌倉、清水に捕らわれ木の葉のように投げられるが柴山がカットに入って救出。柴山のサポート受け立膝をついた鎌倉の顔面めがけランニングニー。フォールもカウント2。ならばとコーナートップからバックの高層ビルから滑空するかのようなフロッグスプラッシュで魅せてフィニッシュ。

第3試合


 沙恵とマリから。ロープ際でクリーンブレイクしない沙恵に対し怒り心頭のマリがキチンシンクから腕を取り沙恵の後頭部へ肘を落とす。逃れた沙恵も負けじとマリをヘッドロックに捕らえるがいったん離れて近野、開本と交代。

 近野が開本に胸を貸す。力強くエルボーを打ち込むが近野は倒れず。背面に強烈な一蹴で開本ダウン、足でフォールもカウントは2。そのまま開本をコーナーへ押し込み沙恵と踏みつけ。

 沙恵がリング中央で開本にドロップキック、ギロチンでフォールもカウント2で返す。
 近野の嵐のような蹴撃を浴び続けグロッキー状態の開本。それでもフォールされると肩を上げ、ミドルを受けたあとカウンターのドロップキックで自力で脱出しマリに交代。マリが近野と互角のショルダータックル合戦を展開。近野を卍固めに捕らえるが、近野がこれを解いて沙恵に代わると、沙恵がマリにビッグブーツ。リング中央で激しい打ち合い、投げ合いを展開するが両雄譲らず。

 開本と近野に代わると、開本のテンプルに近野のハイキックがクリーンヒット。フォールを開本が返すと、間髪入れずバズソーキックで勝負を決めて3カウント。

第4試合


 岡田、道端、Kenのあとシーサーとふたりで入場してきたブラザーがマイクを手に取る。負傷欠場の椎葉おうじに代わって急遽参戦の助っ人Xを招くと、登場してきたのは闘龍門時代の仲間である大家健。

 長い入場曲に業を煮やした岡田らがゴングを待たずに大家を急襲、場外で袋叩きに。

 場外で道端と大家が殴り合っている間にリング上ではブラザーとKenが危ない遭遇。
 Kenにかわされロープを飛び越えあわや場外に転落寸前のスピードで飛んでくるブラザー。前日には弟分の拳剛に敗北しマイクで激を入れられたことも手伝ってか、この日のブラザーは刃物のように鋭く切れまくっていた。

 闘いは群衆の渦中場外戦へ。
 道端にコーンでしたたかに頭を打たれ、リングに戻されたブラザー。背面に道端の低空ドロップキック。そこから青コーナーに捕まるブラザー。青コーナーで同士討ちを誘って逃れようとするところを道端が離さない。隙をついて延髄斬りを見舞ってシーサーにかわる。

 カットに入ってきた岡田とKenにマンコブ。
 ブラザーの仇討ちとばかり大家とシーサーで串刺し、大家がダイビングヘッドバッドで道端をフォールもカウント2。
 今度は大家が捕まりコーナーに押し込まれトレイン攻撃。道端がバズソーキックでフォールするが息を吹き返したブラザーが飛び込んできて蹴散らし、岡田にドロップキックを放って3人を場外へ落としてトぺ・スイシーダ。

 道端をリングに戻したシーサーがSAITOスペシャル雪崩式フランケンシュタイナー。大家がみちのくドライバーⅡから炎のスピアーを決めて3カウント。

 大家は試合後自らのSNSで「Xは私でした。24年前闘龍門の練習生だった私は24年後に当時同期で一緒に汗を流したブラザーヤッシー、そして我々に練習を教えてくれたスペル・シーサーさんとタッグを組みました。これはゲキアツ。人生は何が起こるかわからない。諦めなければ夢は叶う。」と、コメントしている。

第5試合


 竹刀を携え先に入場してきた藤永幸司がステージで威勢よく缶ビールをあおってからリングイン。虚空をじっと見据えて気合を漲らせる。

 続いてお馴染みの入場曲が流れると、観客が一斉に大合唱。試合開始のゴングが鳴っても「鈴木」コールが止まらず、藤永が「おかしいやろ!ここは俺の本拠地やぞ!」ブチ切れる。

 試合開始早々、グラウンドの態勢で肩がマットに付いた瞬間「熱い!」と鈴木が跳ね起き、場外へ降りたまま会場内を練り歩き戻ってこなくなる。
 追いかけてきた藤永とほぼストリートファイトの打ち合いから、藤永の腹をめがけ重いミドル。さらには鉄柱に叩きつけたり、コーンや椅子を凶器にして殴ったり。ダメージの蓄積スタミナ切れが心配になるほど殴られ蹴られても食い下がる藤永。観客は大喜びで歓声を上げ、鈴木と共に人の波と、スタッフたちの大移動。止めに入った選手が巻き込まれ、鈴木に蹴り倒されていく。
 見かねたレフリーハルが降りてきて鈴木にリングに上がれと促すと「うるせえブス!」と毒づきながら「神戸のお客さん喜んでるじゃねえか。」とファンサービスをアピール。お練りは続く。お手上げ状態、ハルレフリーのカウントもなし。

 藤永が反撃に転じ蹴りの連打で鈴木をリングに戻し素早く足を取ってインディアンデスロック。マットの熱さと足を極められ鈴木は悶絶。乗ってきた藤永が今度は鈴木をニュートラルコーナーへ押し込み、ナックル2発で対角線に飛ばそうとするが飛ばされたのは藤永。
 ビッグブーツで串刺しからリングの中央に座らされ胸倉にPK。ダウンでフォールもカウント2。すると今度は腕ひしぎ。関節地獄に藤永あわや。決死のロープエスケープ。起き上がれない藤永を足蹴にしつつ「もう終わりか?」と挑発する鈴木。頭髪を捕まれ屈辱の藤永が鬼の形相で起き上がり、カウンターのスピンキック。ひるんだ鈴木をキャッチして火事場の馬鹿力発揮ブレーンバスター。さらにはコブラツイストをがっちりと決めるが、鈴木がロープエスケープ。

 睨み合い張り手合戦。「こんなもんか?」と嘲笑浮かべ胸を開く鈴木に藤永が張り手を打ち込む。打たれても退かない藤永に観客から自然発生的に拍手と声援が起こるが、鈴木の重い一撃であえなくダウン。
 倒れた藤永に背を向け、向き直ると上から「こんなもんかお前のプロレスは?」と浴びせかける。

 立ち上がる藤永。再び張り手合戦。打ち合うが、やはり鈴木の一撃で再度ダウン。苦悶の表情を浮かべなんとか起き上がった藤永に打ちかかる鈴木をバックドロップ。
 ロープを背負わす勢いで鈴木を追い込み、渾身の力ふりしぼり左ハイキックを叩き込んでいったが、これが命取りに。
 飛んできた足を鈴木がキャッチ、そのまま藤永の頭を股で挟んでホールドし、逆さに固めてゴッチ式パイルドライバーの態勢。
 観衆から「ああ・・」「これで終わってまう・・」との嘆きの声が飛んでくるなか、非情の鈴木が藤永の脳天を熱いマットに突き刺して3カウント。


 試合を終えて鈴木がリングを去り、ひとり残った藤永が万感を胸にマイクを手にした。

藤永「本当は何度も諦めようと心が折れそうになったことが何回もありますが一回目コロナ、二回目コロナ、三回目台風、4度目の4月が悪天候で・・・。でもその度にお客さんたちの、頑張ってね、待ってるからって声をいっぱい聞きまして、モチベーション保つことができました。ありがとうございます。
 このメリケンパークフェスをやる意味っていうのはいろいろありまして、まず最初は、神戸をプロレスの街にしたいとの大きな野望のもと、24年前にリングソウルをオープンしましてそこからこつこつやってきて、メリケンパークのフェスを開催することとなりました。
 でも途中からいろいろと意味が変わってきまして。まず一番にきょう言いたかったことは、みんな生きてここ、メリケンパークに帰って来てくれてありがとう!コロナで先が見えない、これからどうなるかわからない中みんなよく頑張って生きてここまで待ってくれました。おかげでこのメリケンパークでフェスを開催することができました。ありがとう!このあとも、メリケンパークプロレスフェス、見たいですか?(観客の歓声と拍手を受けて)来年も絶対このメリケンパークに戻ってきます。楽しみに待っててください!協力してくれたみなさん本当にありがとう!」

 藤永の魂のマイクを聴き終えて気付いた。
 藤永幸司は、鈴木みのると闘って勝ちたかったのではなく、愛する神戸の街メリケンパークの真ん中で鈴木みのると闘って、プロレスの楽しさを大勢の人たちに見てもらって、その上で、大観衆の前でゴッチ式パイルドライバーを全身で受けきりたかったのだ。

 彼は試合には負けたけれど、思った通りに事を運ばせ、大成功した。その意味では「勝った」と言えるのかもしれない。

 果たして観衆は、藤永のプロレスを楽しんでくれたのか。

「また来年もここでプロレスをやってもいいですか?」

この問いかけに返された大きな歓声と拍手が、その答え。

2023年神戸で一番暑い夏の日。藤永幸司と“brother”YASSHI、ふたりのプロレスジャンキーの「神戸をプロレスの街にする」という大いなる野望のもと、メリケンパークプロレスフェスが逆襲を開始した。

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