デビュー最短&最年少戴冠記録を更新ならず!永田裕志が安齊勇馬を下して三冠ヘビー級王座を防衛しスタン・ハンセンと武藤敬司への憧れを語る
17日、東京都・大田区総合体育館にて、全日本プロレス『#ajpwダイナマイトシリーズ2023~New Age MANIAx~』が開催され、永田裕志が安齊勇馬を破って三冠ヘビー級王座の3度目の防衛に成功した。
永田は昨年より全日本に継続参戦しており、新日本・全日本・NOAHのヘビー級シングル&タッグ王座をすべて戴冠するという“グランドスラム”に王手をかけていたこともあって最後のピースたる三冠王座を強く意識。貪欲に三冠挑戦の機会を狙い続け、今年2月にはついにグランドスラムを達成した。
これにより、永田は三冠ヘビー級王者としては、天龍源一郎さんが持っていた最年長戴冠記録、最長キャリア戴冠記録を更新。史上5人目のメジャー三団体シングル王座制覇、史上4人目のメジャー三団体シングル&タッグ王座制覇、これに加えてメジャー三団体のシングルリーグ戦(G1 CLIMAX、チャンピオン・カーニバル、グローバルリーグ)も制覇したという史上初の偉業を成し遂げてプロレス史に名を刻んだ。
永田は今年のチャンピオン・カーニバル(CC)に不参加ながら、CC優勝を果たすも無念の負傷欠場となった芦野祥太郎の思いを背負ったT-Hawkを下して三冠防衛に成功。
永田がマイクを取って語り始めると、この試合のセコンドに付いていた安齊勇馬が強い眼差しで永田を見つめながらリングイン。
安齊は、デビュー9ヶ月の24歳。ジャンボ鶴田さんや諏訪魔ら数々の名プロレスラーを輩出してきた名門・中央大学レスリング部出身であり、東日本学生レスリング選手権大会春季大会優勝、全日本大学グレコローマン選手権5位という経歴を残し2022年の卒業後に全日本へ入門、同年9月にデビューを果たした。端正な顔立ちに188cm 105kgという恵まれた体格を持ち、将来の全日本プロレスのヘビー級エースとしての期待を集めている選手。デビュー戦の相手も務めた永田からの寵愛を受けて師弟関係を築いている他、CIMAから3カウントを奪う大金星をもぎ取り、シングルマッチで対戦した鷹木信悟も将来性に太鼓判を押した逸材だ。
安齊が「次の挑戦者!俺じゃだめですか?全日本のシンボルである三冠ヘビー、全日本の俺が、取り返して、時代を変えます。永田さん!俺の挑戦受けてください」と語りかけると、永田は「お前の挑戦受けてやるよ。ただし、しっかり覚悟してこないと、やられちゃうぞお前。お客さん……いいんだね、殺っちゃって。覚悟してこい!」と不敵に笑いながら安齊の挑戦を受諾した。
もし安齊が三冠王座戴冠を果たせば、浜亮太の持つデビュー最短戴冠記録(1年4ヶ月)、宮原健斗の持つ最年少戴冠記録(26歳11ヶ月)を大幅更新することとなり、歴史が変わる瞬間を期待して大勢のファンが大田区に詰めかけた。
緊張した面持ちの安齊は序盤から堅実なレスリング戦で永田と渡り合い、場外戦に持ち込まれても鉄柵を踏み台に飛び上がってフライング・フォアアームを叩き込むなど躍動。
しかし、永田はショルダーアームブリーカーや腕へのミドルキックを軸にした腕への一点集中攻撃を展開し、ナガタロックII。さらにエルボーの連打で安齊をダウンさせるも「立てコラ!」と顔面へのローキックを連打するなど容赦なし。
安齊は、永田のビッグブートを顔面に受けながらも倒れずジャンピングニーを2連打。さらにジャーマン・スープレックス・ホールドを決めるもカウントは2。これまでの必殺技が軽々と返されてしまうが、安齊はこの日のために用意した秘密兵器、ムーンサルト・プレスを発射。これはかわされて自爆してしまうも、安齊は怯まずジャンピングニーを連打し、丸め込みの連発でガムシャラに勝利を狙う。
しかし、これを受け切った永田が顔面にニールキックを叩き込み、ハイキック、バックドロップ・ホールドと畳み掛けて試合を決めた。
永田のたっての希望で限定復活したPWFヘビー級王座、インターナショナル・ヘビー級王座、UNヘビー級王座の3本のベルトを巻き、立会人のスタン・ハンセン&渕正信に防衛を祝われてた永田はご満悦。
そこへ、青柳優馬が現れて挑戦を表明するが、永田は翌日の佐倉大会(『永田裕志Produce Blue Justice Ⅻ ~青義回帰~』)での青柳の試合ぶりを見て挑戦を認めるかどうかを判断すると解答を保留
これを受けた青柳は、「僕が挑戦するときは、ただ青柳優馬がアンタのベルトを獲りに行くんじゃないぞ。全日本プロレスファンの全員の気持ちを背負ったこの俺、青柳優馬がアンタのベルト獲りに行くから、しっかりと覚悟して、良い返事をお待ちしてますよ」と全日本の意地をかけて臨むことを宣言した。
バックステージに戻った永田は、「今日初めてじゃないですか?対戦者の声援一色になったの。やっぱり安齋の支持率って高いし、その中である意味彼はファンの声援に、思いにかなり応えたんじゃないかな?勝敗以外は。きっと今日の彼の試合を見て『ダメだ安齋』となる人は誰もいないと思います」と安齊に太鼓判。
そして、「まさか令和になってインター、UN、PWFのベルトを巻かせてもらえるなんて」と満面の笑顔を見せつつ、立会人のハンセンについて「試合前、写真を撮ってもらいました(笑)この年になってそういう昔の気持ちに戻れるっていうのかな、そういう気持ちにさせてくれる全日本プロレスのリングは温かいですね」と語る。
そして、3本のベルトの巻き方が武藤敬司と同じになったことについては「武藤さん『またあの野郎パクりやがった』みたいなこと言うかもしれませんけど。まあALL TOGETHERの時武藤さんも一応この三冠王者・永田裕志は武藤さんの次に遺伝子はちゃんと持ってるみたいなこと言われてたんで、パクリというか武藤さんへの憧れだと思ってください。はやっぱり武藤さんみたいにになれない人間だと思ってますけど、武藤さんのことは憧れてましたね」と武藤への気持ちも吐露した。